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自分なりのメタル

国内外問わず、メタルをずっと聴いてきて、演奏してきて、全身にメタルが染み込んで滴り落ちるほどの先輩方がきっと沢山いらっしゃることだと思う。もし私がメタルをもっと勉強したい、メタルな生き方には何が必要ですかと教えを乞うたとしてもきっと彼らは「自然に続けてきたことだからそんなもの教えようがない」と戸惑うことだろう。

それは私に置き換えるなら、

ニューヨーク抽象表現主義が好きで大人になって最近趣味で油絵を始めたばかりのサラリーマンが「菊池さんの『Helpless』のような作品を作る境地に至るにはどうしたら良いでしょうか?」と質問してくるようなものだろうか?…確かに、答えに困る。あの絵の制作に至った経緯はちょっと安易に人に言えるような内容ではないし…。大体、あの絵は私でなければ描けないものだ。上手すぎても下手すぎてもダメ。ちょうどあの感じでなければ。

私がメタル先輩に投げかけた質問がいかに愚問だったか。恥ずかしい。沢山のメタル先輩たちはきっと日本のメタル黎明期に苦労してLPを取り寄せたり仲間同士で情報をやり取りしたりしてそれぞれの道を切り拓いてきたのだろう。決して群れることもせず、深い山道を黙々と整備してきたのであろう。それはいつの間にか彼ら自身の身となり魂となったのであろう。

そうやって切り拓かれた道を、だ。「すいませーん!この道もらっていいですかー?ていうか作り方教えてくださいよー!」…なんという狼藉。これからその道の先輩に質問する時は気を付けよう。やはり自分の眼や手や耳で確かめなければ結局全て箪笥の奥にただ大事にしまってあるだけの実感のない知識にしかならないだろう。

「自分なりのメタル」を自分の中でまとめていきたいと思う。音のセンスに自信はないけれど、本当に良いと思ったものをこれからたくさん聴こう。

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