見出し画像

〜アマガミ〜 絢辻さんの再考察

クリスマスイブです。そう、アマガミの日です。今までずっとアマガミというコンテンツを消費し続けてきた私ですが、せっかくなので1つ、駄文ではありますが私なりの考察を試みようと思った次第です。

このような拙い考察にお付き合い頂けることを嬉しく思います。
そして未だにこの「アマガミ」というコンテンツを見守り、共有できる方がいらっしゃることに感涙を禁じ得ません。
さて、短い間ですが、どうぞ最後までお付き合い願います。

•絢辻さんの人格の多重性

さて、紳士諸君におかれましては、充分なほどに絢辻さんの二面性をゲーム、アニメで体験されたことと思います。

私がまずお話したいのは、この二面性についてです。

ゲームではおよそ二面にとどまっていた彼女の顔は、アニメでは
白辻さん(創設祭前ごろ)→黒辻さん(手帳拾得)→
真っ白辻さん(?)(創設祭直前直後)→「絢辻さん」
と四つの人格に分離していました。

順を追って仮説を述べさせていただきます。

まず、この中でも私が始めに取り上げたいのが3つ目の真っ白辻さんです。あれは完全な真っ白辻さんではないにしろ、あの時発現した人格自体はスキBADの真っ白辻さんに近いものを感じさせられました。

私はそれまで絢辻さんの人格を、本人が意識的に交換可能なものとして考えていました。
例えば普段は白辻、障害に行きあった場合には黒辻を発現させ、ショッキングな体験は真っ白辻さんの人格で乗り越える…と言ったような感じです。

しかしあの流れを見る限りでは絢辻さんの人格は本人の意思に関わらず、外部環境の変化を引き金として自動的に切り替わるものではないかと考えました。
具体例としては普段の白辻、裏の黒辻の人格で対処できないトラブルに陥ったとき、2つの人格の1つ下の意識階層にある真っ白辻さんの人格が要請され、やがては完全に真っ白辻さんの人格が白辻、黒辻の人格を飲み込み、あのスキBADの絢辻さんへと変貌すると言った具合です。
そしてその真っ白辻さんよりさらに深層部に、「本当の絢辻さん」の人格が存在し、それは本人により封印されていると推測されます。

幸いにも橘さんは作中で真っ白辻が絢辻さんの人格を飲み込む前に、「本当の絢辻さん」の人格を見つけることができ、”アニメは”一応のハッピーエンドを迎えました。

•絢辻さんにとってのBESTエンドとは?

ですが一方で、ゲーム版はスキBESTなど幾つかのルートでは絢辻さんは確かに「本当のわたし」に辿り着くことは出来るのですが、”スキBEST”ではアニメと違い他の級友達との溝は修復されることなく、橘さんと1対1の関係に着陸することになります。

もしかすると絢辻さんの”BEST”エンドはそれまでのしがらみであった他者との交流を整理し、自分だけの拠り所を発見するところにあったのかもしれません。

そう考えると、アニメ版のエンディングは絢辻さんに寄り添ったエンディングというよりか、クラスでの人間関係など総合的な要素に慮った、ある意味で大団円的オチだったと言えるかもしれません。
(決してアニメ版の脚本をディスっているわけではありません!何卒ご容赦ください…)

•結局、絢辻さんとは

私はアマガミという作品で最も橘さんと添い遂げるべき(言い過ぎか?)は絢辻さんだと思っています。委細は後々書かせていただきたいのですが、不躾な言い方をしますと他のヒロインは橘さんと出会わずとも、また、交際せずとも各々が光るものを持っています。七咲さんなどはむしろ橘さんと出会わない方がその水泳の才能を開花させるほどです。
しかし絢辻さんだけは、確かに文武両道ではあるもののあの人格の不安定さを抱えたまま生きてゆくのは傾いたまま全力疾走しているようなもので、いつかバランスを崩し、立ち直れないほどの破綻を引き起こしかねないのです。(現に図書室イベントでは絢辻さんが「誰かに頼ると1人で歩けなくなる」旨の発言をしています)

結局、アマガミにおいて絢辻さんとは橘さんをかつてのクリスマスの悲恋から”救済”する存在であり、絢辻さんもまた、「本当のわたし」を橘さんに見つけてもらう事で”救済”される存在なのです。


最後までこのような支離滅裂な考察にお付き合い頂けましたことを感謝します。

2020/12/24