見出し画像

創作彼女の恋愛公式 プレイレポート10枚目

 現在2024年6月15日土曜日11:49、恋愛公式やっていきましょう。前回までで逢桜以外の3人の√を読み終えました。前回のエレナ√に関してはちょーっと読書への向き合い方が不誠実だったかなと反省しております。

 さて。この作品には魔法や超科学のような一切の不思議パワーは無く、したがってループものとしての性質も帯びていないことは分かってきました。ゆめみ√と桐葉√とエレナ√でのそれぞれの体験は、列車で逢桜を見送っている時の寿季にはなにも還元されないのでしょう。
 それでも、あの日に戻れば、きっと。あの時言えなかったことや選べなかったこと、伝えられなかった想いが伝えられるようになっているはずです。やっていきましょう創作彼女の恋愛公式。


⇒ 逢桜に駆け寄る


いつもの公園、いつもの時間


膨れっ面 is kawaii

(先に茶化しておきましょう。ああやって別れた後なのに、寿季と再会しうる病院にいるのは普通にリスクが高過ぎるんじゃねーのッ?)
(いうて長いこと掛かっていると通院先なんてそう変えられるもんでもないが。そもそもこれ以上悪くなることもないほどにもう未来が決まっていて、転院すら厳しい状態だって説もあるし)

・さて、さてさて。そんでですよ。一体いつからそうなんだろうな逢桜さんよ。初めて再会したあの高台で私は君から死の気配を直感したが、思えばあれから三年か。伏線めいたものはいくつもあったが、直接的に怪しませにくるような要素は無かったな
→でも、それよりも(”そんなこと”よりも!!!)ずっと気になっていることがある。パッケージイラストの君についてだ。意志だけで自分を生かしているような、高潔な瞳の少女と眼前の君が同一人物だとは到底思えない!
→TBH,共通√の君からはあの一枚ほどの熱と勢いを感じられなかった。今の君は特にそうだ。私と直感くんの思い過ごしだったでFAなのか?創作をやめた瞬間にクリエイターは死ぬ、イッツトゥルー。


ここに臥せるは創作者に非ず
ただの少女であると宣うか

→それで納得できるほどお行儀の良い読者じゃないんでねこちとらァ!!

 たとい錆びに寂れた車庫で眠りに就こうとも、線路にはそれが走ってきた轍がいつまでも刻まれ続けています。墓場によく似たそこにはなにも無くとも、旅路にはそれが進んできた軌跡がいつまでも在り続けています。
 ある時、誰かがこのように仰っていました。「桜の樹の下にはなにが埋まっているか」と。私は知っていますよ?そこにあるのは死体などではなく、桜を見上げた人々の足跡が埋まっています。間違いなく。……そんな感じの、良き終わりを期待しつつ読みに戻りましょう。


・「まだ、あいつの青春は終わってないんだ」
・ゆめみさんまた捗ってる……


→どこかの阿呆が書いた本の15ページ目にこのような記述がある。「人は、自分の死期を決めつけられる生き物だ。『自分はここで死ぬ運命だったんだ』と、命を断つことができる」と。これは余命宣告を受け入れた場合でも該当すると考えられる。

・あの二人。まあ獅堂の二人だろう
・「このままでよいのですか」
→テンテンテン、と三点リーダを1つ入力するフリをしてみる。これは直感だろうか、理論だろうか。獅堂悠真、君にはまだなにか大きなものがあるね
→この物語をここまで読んできて、ハイテンポではあるものの実に”忠実”に書かれた作品であると思っている。その忠実さから考えると、獅堂悠真がいる位置にあるものが「コレだけ」で終わるのはあまりにも不自然だ。虚ろであることを特性としたキャラクターでもないしな

・逢桜は本当は物語を書いていたい。まあそれはそう。それでも自分を殺し、つまりクリエイターを殺し、自分を生かすことを選ばざるを得なかった。カタルシスの味がしてきたな


「君に届くものを書くよ」

・悠真は家族絡みでなにか思うところがあると。なるほど、自分も逢桜と同じなのに!ってとこか?本当はいつまでも物語を書いていたいけれど、家のことがあるしそれに納得している自分もいるから、いっそ早いうちに諦めちまおうと。だのにその決断を否定するかのようなやり方にはたとえ自分に対してではなくとも納得できないって感じになりそう?
→人ひとりが創作を続けるために必要な熱量を求めよ。配点:0点


・「顔の見えない読者に向けての作品より、誰か一人を想った作品の方が心に響くからね」
→私は誰に伝えるために例の話を書こうとしているんだろうか。あれは私のための物語、私が自分の感情にケリをつけるために書く、独りよがりな読書感想文。読者に向けてでも誰かに向けてでもないのであれば、それはなにを伝えたいのか伝わらない駄作になるんじゃないか?伝えることではなく書き終えることをゴールにするのは悪か?
・薬がまけた。大事な薬が無くなるフラグ?

・エレナさんに続いて桐葉さんも玉砕。次はお前だ偽妹with元カノ風後輩

「今滅茶苦茶絵を描きたくなってきた」
ってなってるこの瞳、とても好きよ


・なになに、各√の答え合わせというか明文化めっちゃしてくるじゃん。そういうもん?制作側が作品内で答えをハッキリさせる……忠実なのかなんなのか。なんとも言えませんな
→3人のヒロイン√での「寿季と一緒になったことで叶ったこと」がこの√ではどうあっても叶わなくなることを明示することで、客観的にはよりバッドエンドであることを強調する手法とも言える?


レア差分をコレクションするのが趣味です


・8月、9月。どんどん季節が過ぎ去っていく。元々ハイテンポではあったけれど、これは意図された演出なのかな
・クリエイターは自己満足のために物語を書いている。なるほど、悪かどうか以前に傲慢だったな私は

・シーン1に入るところ。今気付いたんだけどもしかしてこれまでもベッドインの時って軋む音と布団が沈む音入ってた?
・そういやシーン3ってめちゃ×2ヤってる!で統一されてるけど、それ今の逢桜さんにやっちゃって大丈夫なのか?
・シーン2まで終わって容態急変。流れ変わったな


・「だから、オレ達も夢を見たくなったんだ」
→夢、奇跡、愛、勇気、希望。それらは一様に「魔法」と呼ばれうる概念だ。「奇跡なんて、いらない」と厳かに歩みを進めるこの物語には、なんだかんだ言って親近感が湧いていた
→私は否定する。目指す夢が無くとも、奇跡が起きなくとも、愛を向けられる先が無くとも、立ち上がる勇気が湧いてこなくとも、希望が見えてこなくとも、それらをなんにも持ち合わせていなくとも!「魔法なんて、いらない」と、弱さを認めることなく強がって、死ぬ時まで生きる。人は、自分の死期を決めつけられる生き物なんだから



→紙が無くとも、ペンが無くとも、両手両足を縛られようとも。何人たりとも我々の思考を止めることは出来ない。不真面目な話だが、仕事中や勉強中であっても、周囲の監視の目があったとしても、我々は「遊ぶ」ことができる。書き留めておけないのは本当に無念だけれど、我々はいつまでもアタマの中の赤い夢で遊んでいられる
→扉も無ければ内装もなにも無い、ただ白いだけの部屋で余生を過ごすことになったとしても。生物だから飢餓にこそ勝てないが、そんな状況下でも退屈には勝てると私は信仰していたい

・ペンネームか、こういうのは全然ピンとこないのよな。単純だけど二人らしい名前……この作品のペンネームの傾向から考えると『†Mirror Blossom†』とk、、、いや違うんですよ
→真面目な話『鏡 愛桜』みたいな感じだと思ってるんですよね。どういう形であれ、二人の本名から取られた名前がここではセオリーだ
→名字は【鏡・彩・瀬】からで名前が【寿・季・逢・桜】からか。寿季のトシをジュと読んでもいいかもしれんな
→二人の思い出に桜の印象が強いこと、出会いと別れの季節の象徴であること、少なくとも二人の文字が入っていることから……
★【桜 春季】!こちらで提出としましょう!

・シーン3。いや、流石に駄目じゃない?(理性)
・他の三人は夜までだったのに逢桜さん朝までですか。もう女将さんもビックリですよ。体調とか……大丈夫です?(理性&理性)
→でもさ、重病人と日がなヤり続けることには否定的なのに、身体を労ることなく書き続けることには肯定的なの、ダブスタ感あってちょっと好ましくないよな。マイ・リリジョンに反してる気がしてくる

・去る者が残されるものに手紙を遺す。それは(一般的には)逢桜の言うように呪いになるのかもしれない。私は、人々にはそれを祝詞とできるだけの気概を持って生きてほしいと思う
→誰かが生きる理由を失った時、その手紙を目にすればきっと祝福となる。それは輝ける光かもしれないし、ただただドス黒いのかもしれないし、無色透明なのかもしれない。でも、少なくとも生への道標にはなるだろう


イッツリアリティ
病状考えたらもっとヒモだらけでもおかしくないけど






『創作彼女の恋愛公式』 読了




 お疲れさまでした。『創作彼女の恋愛公式』、読了です。
 彩瀬逢桜の足跡は、寿季をはじめとして作中で彼女と関わりを持った人々に刻まれたことでしょう。それはきっと読者たる我々にとっても同様で。
 斯くして物語は終わりを迎えました。彼女が命を投げ捨ててでも欲しかった完成はここに相成り、彼女の遺志を継いだ男は今日も歩み続けます。その足音の隣からは、かつて彼女が鳴らした心音も聴こえてくることでしょう。


 創作行為そのものをテーマとしたこの作品に対して、なにかそれらしい言葉を充てるとすれば「王道を外さないことによる、創作という行為への忠実さの宣誓」でしょうか。
 作文行為には「お約束」と呼ばれるものがたくさんたくさんありますが、この作品はそのお約束のうち、ある特定のグループのみを忠実に守ることで「この作品も創作行為によって生み出されたもの」という概念を付与することに成功した……とか言ってみましょうか。
 良い意味で型にはめつつ、結末で主張をブレさせなかったのもそうです。綺麗なハッピーエンドでなくとも良き終わりは迎えられるのだと静かに叫ぶそれは、換言するならば「泥臭い高潔さ」とも呼べるものかもしれません。


 結。物語が作られる構造・設計面で興味深く読ませていただけました。この作りなら読んだ人の現実を侵食することもそうはないでしょうし、爪を隠した優等生という雰囲気でしょうか(※褒めてます)

 それ以外では……やはり音楽ですね。シーンに劇的にハマる曲は無かったのですが、ネットサーフィンをしている裏でエンドレスでBGMとして再生していたいような曲が数多くあったように思えます。トップクラスに出来の良いフリーゲームで採用されているBGMというか(※※褒めてます)
 クオリティで見るなら『エンディングは突然やってくる』が強かったですね。あとは『夕焼けの分かれ道』とか。上記したBGM的な良さで考えると『共に歩む桜道』とか良さげですね。


 そういう感じで本記録はここまでとします。もしここまでお読みくださった方がおられましたら感謝いたします。ありがとうございました。



桜の樹の下には、彼女の足跡が埋まっている。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?