人が好きであることとおっぱいアイスのような弱さ

最近はヘトヘトになるまでみんな働きづめだ。
見ているとハラハラして、無理しないでといいたいけれど、無理をしないではいられない状況なのはよくわかるので、何も言えずオロオロしている。
だれも爆発して大泣きしたりしないのが、不思議だ。
わたしはこの前のアトピー大爆発から、おっぱいアイスみたいにぱんぱんに張り詰めていた我慢の袋が破けてしまって、少しの不快感も耐えられない身体になってしまった。
21時まで平気で残業できていたのが嘘みたいだ。いやで嫌で仕方ないし、前よりも星が飛ぶ(貧血が頻発する)ようになった。弱さの入り込む隙を与えてしまった。

誰かが辛いのも見ていられないし、誰かが我慢の袋をいっぱい持って、でも気付かぬふりを一生懸命続けてやり過ごしているのを知って、わたしはまた傷つくようになってしまった。
どうかどうか、彼女彼らが心地よく過ごせますようにといつも強く祈りながら、不快を感じながらも除去することのできない自分の体を引きずっている。

今日は帰りがけ、評価でヘトヘトになっている上司に思わず、あの、チョコ食べますか?と聞いてしまった。他にかける言葉が何もなかった。
食べる!と聞いた時は嬉しかった、チョコ美味しい〜と笑う姿を見てもっともっと嬉しかった。
わたしはこの人が好きだなぁと思って、この人のためにも頑張りたいなと思った反面、わたしはこの人が怖いだけなのではないかとも思った。
本屋のバイトの時も、いつも圧迫されて怖くて苦手だった人が、ちょっと笑ってくれるだけで立ち所に嬉しくて、わたしは人が好きだと思っていた。

でも、ある日のニュース、冤罪事件のニュースで、
冤罪を被った女の人がこんなことを言っていた。
自分はやっていなかったが、毎日強い口調で責め立ててくる人が、わたしが罪を認めた途端に優しくなって嬉しかった。人に媚びへつらう自分の精神が、このような冤罪事件の結果を生んでしまったことを悲しく思う。
確かこんなふうに言っていたと記憶している。

わたしは恐ろしくなった。自分が同じ状況だったら、きっと同じ行動をしただろうと思う。
目の前の人に対すると突然、自分の思想や価値観が見えなくなって、たった前の人だけに尽くしたくなってしまうような。

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