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偽りの断罪

やはりどこか浮かれていた
こころ中心のツケが回り

地に足をつけているつもりが
調子に乗って軽くなっていた

うまくいくことが増えてきて
得意になっていた

不安を何度か乗り越えるたびに
安心が過信に変わり

いい気になって
自信過剰に陥っていた

そんな仮初めの自信など
長続きはしない

ふと我に返り
風向きが変わっていることに気づく

大丈夫だと踏み締めていた大地が
足元からぐらつきだす

景色がガラリと暗転して
冷やっとした感覚が全身を貫く

直後にくる猛烈な自己嫌悪の暴風雨に
夜一人身を縮こめて耐える

どこからともなく
自分を見つめるもう一人の自分が立ち現れて

これさえ成長の糧にしようと
メタ認知の無限ループをつくりだす

これから襲いかかるであろう
身を切るような絶望を

思考だけが鈍感にも通過し
その先の楽観を見通し始める

救済を求めて言葉を重ねるほど
謙虚さは舌先でアピールに転じ

誠意は
偽りの断罪と化し

誠実であるためには
沈黙を守るほかないことに気づく

信頼は
言葉だけでなく
継続的な行動によってのみつくられる

それを実行する覚悟が
今の自分に果たしてあるのか

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