クイーンステークス予想+回顧

まず一番大事な点は、去年は函館10日目、今年は札幌4日目。

去年は内が荒れている状態でレース中も雨が降っており(JRAの発表では良馬場だったが)、前を走る馬には厳しく差しが飛んでくる馬場だった。対して札幌は芝がまだ綺麗なので圧倒的内枠逃げ先行有利。つまり去年とは全く違う展開になるだろう。

次に、牝馬の中距離戦は同距離の実績を重視したい。

1800以上の距離で実績の無い馬は不安。外枠ならなおさら。更に別定戦なので55kgを背負って戦ってきた馬が好ましい。

これらの点を踏まえて全頭診断していきます。

1.テルツェット →1着
前年1着馬。実力はあるが差し馬なので展開の助けが必要。ただ1枠1番ということもあり、この枠なら内ラチ沿いをロス無く走行して最後に脚を使う競馬ができるので馬群を捌ければ馬券内の可能性は十分にあり。とはいえテン乗りはやはり厳しいか。

完璧なイン差し。さすが池添謙一。

2.ローザノワール →3着
前走G1ヴィクトリアマイルで18番人気ながら逃げて4着に残しており、めちゃくちゃ人気してしまっているがこの馬くらいしか逃げ馬が居ない。スロー単騎逃げに持ち込めば前残りを狙えそうだが、逃げるとバレてる上にテンが早くないので他の馬にハナを取られる可能性も十分に考えられる。しかしこの枠なら田中勝春騎手も必死に押して逃げるだろう。 

誰も競りかけてこなかったので楽逃げで残して3着を確保。

3.ホウオウピースフル →5着
2年前のフローラステークス2着以降パッとしない着順だったが、前走1800のオープン戦をハナ差ではあるが4歳牡馬相手に勝っており調子は上向いていると考えられる。テン乗りだが北海道開催の横山武史騎手は上手い。内枠、このメンバーならある程度前に着けれることを考えると期待できる一頭。札幌は新馬で勝っており、北海道のレースが得意という見方もできる。中3週は少し心配。

ラチ沿いを確保し絶好のタイミングで前が開いたが伸びきれず。元々持ち時計はそこまで早くないので中3週も相まって脚が残っていなかったか。

4.サトノセシル →2着
前年3着馬ではあるが最年長の6歳。しかし中距離の実績あり、内枠という点を考えると展開次第ではワンチャンス有。

3角から捲っていき抜群の末脚を発揮。ワンチャンス有とは書いたがここまでとは思わなかった。

5.マジックキャッスル →13着
前年2着馬だがそれ以降調子を落としている点が気がかり。後ろから行く馬の上、牝馬で57kgを背負わされているので今回も厳しいだろう。

ほぼ回ってきただけ。

6.メイショウミモザ →12着
1800の実績が無い上、阪神牝馬Sを勝って56kg背負わされているので厳しい。

番手を確保したが直線で垂れてしまった。距離が長い。

7.ファーストフォリオ →9着
前走函館SSの馬がここにいるのは謎。

前が壁。

8.ラヴユーライヴ →6着
札幌は中距離2戦2勝でどちらも逃げて勝っている。いまいち脚質が安定しないが逃げれば強いのかもしれない。しかし同型がいるレースで乗り替わりの菱田騎手が思い切った逃げにでるかどうかは賭けになるだろう。前走は先行策に出て好位を運んだが直線で失速してしまったのでやはり逃げなければ厳しいか。ローザノワールと同じダート調教、1Fの時計がローザノワールより早い点を考えるとゲートをポンと出たら逃げるかもしれない。

予想とは反して追込を選択。前残りの馬場で何故…?最後方から上がり最速で6着。最後まで伸びているが物理的に届かない位置。

9.フェアリーポルカ →7着
2000を1勝、1800を3勝と距離適性はバッチリだが重馬場の2000を走って中1週というハードローテでダメージが無いわけがないのでここは軽視したい。

内ラチ最後方で勝ち馬の後ろを確保していたが届かない位置だった。ローテを考えると十分頑張ったと思う。

10.ウォーターナビレラ →10着
桜花賞2着、3歳馬、斤量52kg、鞍上武豊となれば圧倒的一番人気になるのも納得だが問題は距離。オークスは待たされた点も考慮して度外視でいいと思うが、1600までしか勝ったことがないので1ハロン伸びてどうかというところ。調教はいかにもスピードタイプという走りだったので馬場はあいそう。

スタートから出していき先行策をとったが直線では伸びきれず進路が狭くなり後退。秋華賞に向けて距離がもつか確かめる狙いもあったと思われるがこの結果では…。

11.スライリー →14着
昨年のフローラS以降凡走が続いている。脚質も安定せずハンデ戦を戦ってきた馬、ずっと騎乗していた石川騎手から乗り変わり、外枠と買える要素は少ない。

スタートで躓きかけて最後方からに。巻き返しを図るも4角で既に手応えが無くなっておりそのまま最下位。

12.ルビーカサブランカ →4着
距離は問題ないが近走は出遅れが目立ち枠も外なので後ろからいくことになるだろう。

出遅れることなくゲートを出て3角からサトノセシルと一緒に上がっていき上がり2位の脚で4着。和生騎手と手が合ったと言える。サトノセシルとは枠の差。

13.フィオリキアリ →8着
前走三勝クラスをギリギリ追い込んで勝っての格上挑戦。ピンク帽の藤岡祐介騎手は後方から追込んで上がり最速で着狙いとかしてきそうで買えない。

後ろから行き特に見せ場なく前が壁。

14.ゴルトベルク →11着
3勝クラスまでは中距離路線で好走していたが、それ以降は調子を落としてしまっている。夏の成績が良いので走ってきそうな可能性も捨てきれないが大外ということもあり厳しいだろう。

4角で後ろから上がってきたサトノセシルとルビーカサブランカに前と横を塞がれ加速が一瞬遅れてしまい、前が開いたものの先に加速したルビーカサブランカと寄れてきたファーストフォリオに進路を阻まれそのまま沈んでしまう。

結論

乗り変わりが多く予想通り走らない可能性があるが、ローザノワールの単騎逃げとなるか、別の馬が競りにくるかが肝。どちらの展開になっても、武豊と横山武史が絶妙なタイミングで仕掛けてくるだろう。実績と妙味を考慮してホウオウピースフルから買いたい。あとは逃げて残りそうな馬、差してきそうな馬を添えて完成。

◎ホウオウピースフル →5着
〇ウォーターナビレラ →10着
▲ラヴユーライヴ →6着
△ローザノワール →3着
△テルツェット →1着
△サトノセシル →2着

回顧

トラックバイアスは前有利、ペースもローザノワールのスロー逃げ。当然先行馬が勝つと予想して馬券を組んだ。しかし結果は差し馬のテルツェットが1着。何故こんなことが起こったのか。

ポイントは「牝馬限定」「中距離」「別定戦」だったということ。

先行したメイショウミモザ、ウォーターナビレラ、ファーストフォリオは1800の実績が無く、ホウオウピースフルは前走1800を勝ったとはいえ着差0.0でギリギリの勝利だった。つまり、今回出走した先行馬達は中距離適性が足りていなかったのだ。そこを差し馬に足を掬われる結果となってしまったといえるだろう。

これが混合戦なら先行した牡馬が勝っていたかもしれない。ハンデ戦なら斤量の軽い先行馬が伸びていたかもしれない。マイルなら当然先行馬が足りていた。

牝馬の中距離戦において実績がある馬を上位に選んだのは間違っていなかったが、先行馬の力を過信してしまったことが敗因だった。中距離を走れる牝馬は限られている。特にGⅢやGⅡに出てくるような牝馬は適性がギリギリであることも多い。牝馬限定の中距離別定戦においてはトラックバイアスに反する結果もあり得るということを覚えておく必要がある。

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