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ワタワ猫さんのむかしからいま

Q子どもの頃

乗り物やドラえもんが好きな子どもで、働く車が載った図鑑やミニカーがお気に入りでした。
保育園では引っ込み思案で友だちの輪に入れず、ひとりで粘土あそびや、お絵かきをして遊んでいました。先生と一緒にいることが多かったように思います。
小学生に上がると漫画クラブというひたすら漫画を模写するクラブに所属し、休み時間も教室では漫画ばかり描いていました。
オリジナルの漫画を描いてホチキスで留めてクラスメイトに読んでもらったりもしましたが、当時のクラスメイトの反応が全く思い出せないので、イマイチだったのかもしれませんね。

Q影響を受けた人

藤子・F・不二雄、藤子不二雄A

幼いときに出会って以来F先生では「ドラえもん」「21エモン」「パーマン」など少年を主人公にしたSFの短編漫画。A先生は「笑ゥせぇるすまん」「忍者ハットリくん」を何度も読み返していました。

特に「笑ゥせぇるすまん」にはとても影響を受けていて、
初めて読んだ時はショックでした。
ニヤリと笑うスーツ姿のおじさんが、弱っている人や、寂しい人に近づき、セールスマンとして人助けをするものだと思ったら、そうではなくて結果的に人助けどころか、ちょっとだけ光を見せて困難な状況に陥れるストーリーだった。ショックを受けました。
子どもが読んではいけないものなのでは?という恐怖感と背徳感めいたものを感じ、「ドラえもん」を読むのとは違った現実的な雰囲気に惹かれました。
世の中には、F先生の優しさを含んだユーモアと、A先生の人間の欲望や影の部分を扱ったブラックなユーモアという、対局のユーモアが存在するんだなあ。と子どもながらに知ってしまった様な気がしていました。


けなげ組

新聞紙なのに漫画がくっついてる!
と小学生のぼくを歓喜させた「コボちゃん」の様に
お菓子なのに漫画みたいなものがついてる!
と得をしたような気持ちにさせてくれた親しみやすいタッチの「けなげ組」にも影響を受けたように思います。
ぼくが描いたイラストや漫画をご覧になった人に「けなげ組を思い出す」と言ってくださる方がちらほらいて、影響を受けているんだなと妙に納得していました。
日常生活に欠かせないものなんだけど、いわゆる縁の下の力持ちのような目立たない日用品や食べ物にスポットを当てていて“発見”をする楽しさを教えてもらった。
藤子作品と同様に、悲しみの中にある滑稽さや、ユーモアの中に潜む悲哀を感じさせてくれる部分に影響を受けました。

風見2さん

「コボちゃん」や「となりの山田くん」みたいな日常的な4コマ漫画とは全く違っていて、悪い意味ではなく、荒唐無稽な展開や、起承転結を無視したようなストーリーやギャグにショックを受け、すぐファンになり読み漁っていました。
自分らしい4コマ漫画を作成し、日々ストイックに投稿する姿勢にすごく影響を受けました。
小学生の頃は自分で漫画や絵を描いてはいましたが、中学生になり部活動や放課後に友人と遊ぶようになってから自然と漫画を描く習慣がなくなりました。
それから何年も経ち、ツイッターを使うようになって、風見2さんの漫画に出会いました。
そもそもオンライン上で、無料で漫画が読めることにびっくりしたと同時に、こうやってSNS上で自分の作品を簡単に発信することが出来る世の中になったのだなあ。と感心しました。

Q作風の変化

2013年冬に初めて描いた漫画
「牛乳を飲むぞ」と言い間違えてしまう猫を指摘するだけのストーリーを思いつき、勢いで描いたものです。
小学生の頃、担任の先生が「牛乳は噛んでから飲むのがよい!」と言っていて、「そんなまさか」と思ったことがとても印象に残っていて、描いたと思います。

こちらも同じく2013年の漫画
主人公ワタワ猫は基本的に右側に居て、手は棒人間の手のように一本の棒で描かれています。

2014年6月の漫画
ワタワ猫は左側に移動しています。
この頃からワタワ猫ではないキャラクターを主体にした作品が少しずつ増えていきました。

2016年3月の漫画
今までボールペンだったのをイラスト用の細いマーカーペンに変えて描いています。
この頃、どのペンもしっくりこなくてかなりペンを取っ替え引っ替えしていました。

2017年11月の漫画
一貫してストーリーに関与してこないワタワ猫に4コマ目で嘆きのようなへんてこな一言を言わせることが増えた時期でした。

2018年7月の漫画
ちょっとシニカルで説明がましい雰囲気が強めになっている時期だった。

2019年10月の漫画
もうワタワ猫でのネタをほとんど思いつけず、ワタワ猫ってどうやって描くの?という時期でした。
ドストエフスキーなどの文学のような饒舌というかあえて説明だらけのびっちりとした4コマ漫画だけどじっくり読めるみたいなものが増えたように思います。

Q自分のつくりたい4コマ漫画

型にはまらないオリジナルなスタイルを見つけたい。
動物や野菜、日用品など身近なものをモチーフに、悲しみとユーモアが共存する、きっと自分にしか描けないであろうユーモアと遊び心に溢れた作品を作っていきたいです。


Qこれからの活動

グッズをほとんど制作してこなかったので、これからはTシャツやキーホルダーなどを意欲的に作っていけたらいいなと思っています。

取材・文=sonatine

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