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だって女の子だもん

出勤する意味ないのではないだろうか…はっきり言って暇すぎて死にそうである。
毎日毎日電話番やってコピーとって他部署に届け物をしてハンコもらって備品発注して…ってその繰り返し。
「そんなんでお金もらえるんならいいじゃん!」という意見も当然あるだろうが、全然良くない。
仕事というのはたまにある祝日を除けば週5日。月20日。年240日。
つまりは自分が生きている時間のほとんどを過ごす時間だ。
前職や前々職が信じられないほど忙しくて、終電帰りになることも珍しくなかった。
20代後半から30代前半という女性にとってとても大切な時期を、「仕事だけ」して過ごすことに嫌気が差した。
だから、時間から時間でぴったり終わる派遣で事務職を探した。
派遣期間から直接雇用に切り替わって、しかし期限は3年と切られていて、終わりがはっきりと見えている道を進んでいくことに意味はあるのか、とか。でも誰に頼まれたわけじゃない、自分で選んだ道だ、とか。でもこんなことしてて何になるの、とか。私には何もないなあ、とか。
20歳で社会に出てから、一所に留まることが出来ず、職を転々としてきた。
30代半ばとなれば10年前まではだいたい似通っていた同級生たちの歩む道も、はっきりとした濃淡をもって分かれている。
自分の人生は他の誰のものでもない自分だけのものであって、だからこそ人生の選択は適当に行き当たりばったりでするようなものではなく、ちゃんと未来を見据えて、キャリアステップを見据えて、ライフステージの変化を見据えて、女としての賞味期限を見据えて、人生を生きるべきなのだ。
行き当たりばったり選択してきた人生のツケも当然、自分で払う以外に他ない。
女という生物に生まれて良かったと思うときと、男に生まれたかったと思うときがある。日々思うことはその瞬間瞬間で変化する。
何が正解で何が間違っているのか、世間は常識という便利すぎる言葉を武器にまるでそれを自分の正義かのように偽って押し付けてくるが、最終的に判断するのは結局いつも、自分自身だ。友達に酒の席で悩みを打ち明けるようなシーンでも、本当に悩んでることは誰も口にしない。付き合ってる男の愚痴とか、旦那の愚痴とか、会社の愚痴とか、出会いがないとか、最近太ったとか、シワができたシミができた白髪が生えたなんて「もうババアだよね」と自虐気味に話しても、心の底では自分のことをババアだなんて思っていない。
思っていないからこそ、そんな風に軽口が叩けるのだ。
これから40、50、60、70代と、年を取っていけば、わざわざ口にしなくとも立派に「おばさん」なので、そんな軽口を叩けるのもあと4~5年だろう。
こんな風にとりとめもない自分の現状を、マイナス思考全開でモヤモヤと考えてはイライラする時期というのが私には、いや、女には毎月必ず来る。
このときばかりは、世界中が敵に思えるし、普段は気にならないような些末なこともいちいち気に障って何もかもぶち壊したくなるしだけどそんなこと現実にはできるはずもないから行き場のないフラストレーションは溜まっていく一方で気がつくと顎に大人ニキビと美容雑誌などで可愛らしく呼称されている吹出物という醜い悪魔が顔を出す。
毎月毎月、飽きもせず両足の間から流れる異臭を放つ赤黒い血液は、見慣れている光景ではあるけれどいつ見てもかなりグロい。
5日間くらいはずっと両足の間が不快だし、お腹は痛いし眠気はすごいし肌は荒れるしイライラするしいいことなんてこの先の人生で絶対に起きないみんな死ね、という気分になるからして一言でいえば最悪だ。
そこに希望を見出すのは、地獄のような5日間(主に2日目と3日目)が終わった先に待つ、通称キラキラ期の存在だ。
この天国のような1週間は、1か月のうちのほんとに貴重な4分の1で、わけもないのにテンションは上がるし、世界中みんな幸せになってくれたらいいとか思うし、ってか私って健康だし友達もいるし仕事もあるし恋だってしてるしそこそこ可愛いし欲しいもの買えるし一人の自由な時間もあるし食べたいもの食べれるし行きたいとこ行けるし超~幸せ!っていう無敵状態へと突入する。
男からしたらこんな感覚、とんだメンヘラ女の躁鬱状態と思うかもしれないがそんなことはない。
程度の差はあれど、女というのはこういった自分ではどうしようもない女性特有の生理現象を抱えて、日々を懸命に生きている。
多少ワガママでも、多少自己中でも、多少意味不明でも、かなり理不尽でも、女は男にはない現象を抱えて生き続けているという真実を男に知ってほしい。
「お前ワガママすぎ。付き合ってらんない」とポイするのは簡単だ。
筆者もそうやって数々の男性にポイされてきたから今も一人で逞しく生きている。
これでは日本の少子高齢化問題はいつまでたっても解決しない。
私は多夫多妻制にすればオール解決と心底思っているのだが、一夫一妻制にせよ、私の望みが叶うにせよどうか男性諸君には自分の彼女の、もしくは妻の理不尽さにグッと堪えて、忍耐強くお付き合いいただきたい。
それが結果的には日本の明るい未来、ひいては自身の明るい未来に繋がると思う。

PN「母さん、娘は何も掴むことができないまま、もうすぐ35歳になります」よりこの世に生きる全ての男性に愛を込めて。


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