大逆転裁判1&2をクリアした感想

 正直この作品をクリアしたときにいの一番に感じた気持ちは、”1のラストから2年近く待たされた人たちは一体どういう気持ちだったのだろう”と”あのラストから2年待ってこれだけ完璧な大団円を見せられた人はなんて幸福なんだろう”という気持ちでした。
 リアルで2年間、続編の保証がないまま待たされる。まあそれは、非常に、考えるだけでもキツイんですが、自分が散々待たされてあのクライマックスをぶつけられたらカプコン本社に向け献杯するくらいはしていたであろうなぁ…と思ったのです。

 大逆転裁判1と2を続けて出せ問題としましては、まあ1だけでも成歩堂龍之介のオリジンとしては成立しているし、ヒーロー映画のラストでよくある”僕は〇〇マンだ”だし、1だけでも面白いし、ソフトガッツリ1本使った1があるからこそ2で完璧な面白さを叩き出したのは事実ですし、ただいかんせん最後の最後で謎をブチまけて終わるので生殺し!という気持ちに。スタッフロール後にチラッとだったら少し変わったのかなぁ…
 
 ただ大逆転裁判が傑作であるという一点については間違いないと言い切れます。

 芯のあるキャラクター…予想通りには行かない裁判…張り巡らされた伏線…最高のクライマックス…すべての要素が素晴らしく、無駄のない、完璧な作品でした。

 裁判長ですら3度も木槌を鳴らし、静粛に!と叫ばなければ静まらない裁判の場をただ一度、弁護台を叩くだけで裁判所がBGMが静まり返る。ただ一個人であるはずの弁護士が場を支配し、傍聴席にいる人々はただ流れに組み込まれただけの存在になる。そして突きつけられた証拠が、真実が、あらゆる流れが自分を味方し最高にカッコいいBGMが流れる。

 断ち切った流れ、訪れる静寂、宇宙一カッコいいBGM、つまり一番カッコいい瞬間が訪れる。特にクライマックスのあの瞬間は冒頭からBGMがラストバトル仕様になっていた流れから遂に主人公のテーマもラストバトル仕様で鳴り響き完全な勝利が約束された瞬間だとプレイヤーに確信させてくれる。黒幕が積み上げた言葉と嘘を、ただ一つの証拠で破壊する。積み上がったものほど付き崩された瞬間のダメージは大きいし、何より強大なものを破壊した瞬間は、強大なものをさらに強大なものですぶっ潰すのは楽しいという人類の根源的な欲求を満たしてくれる。最高の演出でした。

一応ネタバレ注意!



キャラクターへの感想

 成歩堂龍之介

 主人公、真の男 ホームズの弟子みたいなポジションだったから日本で探偵事務所とかやるのかな…って思ったら覚悟を決めて弁護士としての道固めたのでビックリしたけど、法廷に立つ中で、弁護士には弁護士にしかできないことがある。大逆転裁判の世界で窮地に至った人間を守ることは弁護士にしかできないしね!

 何が何でも真実を探し求めるしおそらく依頼人が有罪になってしまうとしても真実を明らかにするんだろうなぁというのが本当に心の通ってカッコいい男でした。

 逆転のテーマソングがめちゃくちゃカッコいい

 御琴羽寿沙都

 真の女 無法な性能をした投げキャラ 発生2f 裁判中のすべての発言記録をまとめているであろうその手帳を読ませてくれ…という気持ちに頻繁になってました。特に終盤迂闊に揺さぶったらあれなんだっけ!ってなって死にかけたりしたので… 時折選択肢をミスっても助けてくれる。その節はありがとうございます。

 逆転のテーマソングがめちゃくちゃカッコいい

 亜双儀一真

 真の男 異常なレンジの居合い切りが特徴 しっかり親父と似てるのスゴイですよね。亜双儀のむちゃくちゃを思い出すたびに慈獄判事の胃にダメージが入っていたのだろうと考えると少しだけ同情してしまう。信頼する父親が取引に応じた理由など、真実であればしっかりと受け入れる度量はさすがというもので覚悟をしているのだなと思わせてくれる。 

 テーマソングがめちゃくちゃカッコいい

 シャーロック・ホームズ

 真の男 無法 科学の破壊者 鋭すぎて逆に駄目なのでは…?と思わせておいて時折みせる真面目な顔の本質が相棒との推理のときに顕になるのがすごくカッコよかった。推理開始とともに出てくる”the game is afoot!"が競技開始のような意味を持つと知って、全部真相まで分かってて敢えて遊ぶにしてもそのうち怒られないか…?と思ったものの、かつての相棒との推理遊びを頭の回りそうな成歩堂とやっていたと考えると良かったね…と言う気持ちになる気がする。
 科学面があまりにも無法すぎて笑ってしまったのですが、シャーロック・ホームズを創作に取り込む上で”推理は遊ぶから第三者の手が必要になる””科学はマジで無法だけど科学捜査は公認されてない、小説の登場人物とか言われるせいで基本証拠としては採用されない”でバランスをとってくるのはシャーロック・ホームズの格を一切下げずに上手くやるな…と思わされました。

 最後の推理BGMがめちゃくちゃカッコいい

 アイリス・ワトソン

 幸せに育ってくれ…本当にそれしか望まないから… それはそれとして無法 シャーロック・ホームズとアイリス・ワトソンがいれば全部解決する。 服装がすごいカワイイ この可愛げがすごい2021

 バロック・バンジークス卿

 真の男 真実の為には自らの勝利すら犠牲にする姿勢は芯が通りあまりにもカッコいいが銃を失くすのは流石にどうなんだ…とは思うが、慈獄判事が未だに留学時代の銃を持っているし、まあかなり管理がガバガバなヤード側にも問題があるんだろうな…という気持ちも少しあるが、これに懲りて銃の管理はしっかりしてほしい。  それはそれとしてワインが好きなのか嫌いなのかはっきりしてくれ。

 テーマソングがめちゃくちゃカッコいい。

 ジーナ・レストレード

 幸せに育ってくれ…本当にそれしか望まないから…その2…ではあるけどよく考えたら17歳なんですよね、寿沙都さんより1歳歳上だし頑張れ…と思っていたけれど彼女の未来は明るいだろうという希望に満ちた終わり方だったのでとても良かった…

 マダム・ローザイク

 急に製作者側の性癖が爆発してビックリした。20代後半以上の女性に魔女のコスプレをさせることが趣味な奴らが製作サイドにいるとしか思えない。モーションも徹底的に妖しげでありながら時折素の表情であろう怒りを見せるシーンなど、製作サイドに妖艶な女性に直接的な怒りをぶつけられたい、何なら蝋人形にしてほしいと常日頃から考えている人がいるとしか思えない。

 ストーリーそしてクライマックス

 大逆転裁判1が丸々、”成歩堂龍之介 ジ・オリジン”だということを認識するとすごい飲み込みやすくなりました。1だけで完結させてたらメグンダルの裁判を経ての挫折とかを描きづらかったであろうし、夏目漱石の裁判とかなかっただろうし、寿沙都さんの弁護士とか見られなかっただろうし結果的に2部構成のおかげで2のクライマックスは異常なほど熱くなったと思えるのです。

 1のラストバトルはあくまで英国司法の闇、その片鱗である真実よりも機密を重視する奴らが潜んでいるのだよ、というpart1のラスボスとしてこれ以上ないほどふさわしい人選でしたが、よりによって交換殺人の電報が漏れ出るという、あのあとヴォルテックス卿がめちゃくちゃブチギレていたであろうことを想像するとすっごく面白いですね。ウケる。

 1のおかげで2は大体ジェットコースターのような展開になっているし、クリフハンガーも毎度しっかり仕掛けてくるので寝不足との戦いでした。4話から最終話を我慢できる人なんているんでしょうか。そして最終話を中断できた人なんているのでしょうか…

 2のクライマックスは至高のクライマックスと言っても過言ではないほどに最高でホームズとその相棒の名推理が紡いだ希望でなんとか持ち直した裁判だが、最後の裁判ではほとんど探偵の出番はない、法廷で戦うことができるのは、弁護士成歩堂龍之介のみであり、法廷は、成歩堂龍之介が覚悟を示す場所だからだ。

 すべてを信頼して最後の仕込みに向かう探偵…覚悟を決めてどのような真実であろうと暴くと決めた弁護士…

 そして暴かれた真実が覆い隠されそうになったとき最後にすべてをぶち壊す探偵の無法。名探偵シャーロック・ホームズの理論も実験もない、ただただオーバーテクノロジーでヴォルテックス卿をぶん殴る。しかし、弁護士の働きがなければこの結末まで行き着くことはできなかったであろう、という一言が弁護士が弁護士として法廷に立つ意味を全力で肯定させてくれていて弁護士やってて良かった〜!って心の底から思わされました。

 初の逆転裁判シリーズでしたが心底楽しむことができるので、今後のシリーズもプレイしていこう!とおもいました。

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