音の無い世界(5の7)
穴田魔絵は、深剃りジョンソンが操縦している超ハイテクのオフィスビル型飛行船内で、超ハイテクの映写機で空間に映し出されたアリさんの様子を見て言った。
「アリさんは、そういえば何も食べていなくて、お腹が減ってきているはずです。
ちょうどいい感じに、道なりに進むとマク◯ナルドがあります。おそらく入られることでしょう。」
クルー(乗組員)の智子@は、オツムから魂がスッと抜けたかのように、マ◯ドナルドに吸い込まれるように入って行くアリさんを見て言った。
「中流階級以下の、独りぼっちの貧乏人が、『羊』の群れのように集まるのがマクド◯ルドですね。
貧乏人でなければ、ポテトとコーラの中毒症者です。」
穴田さんは、マクドナ◯ドを庇う(かばう)ように言った。
「いえいえ、そんなことありませんよ。
カップルや、お子さま連れの賑やかな御家族もたくさん、お召し上がりに来られています。店内は、お子さまの甲高い奇声と、お子さまが縦横無尽(じゅうおうむじん)に走り回られる活気に溢れています。
ちなみにアリさんは、物書きをするためだけに、マクド◯ルドを利用したりもするのです。
当たり前ですが、ほかの来客のかたや、お店に迷惑が掛からないよう、至って常識的なレベルのマナーは遵守しています。」
アリさんは、レジ前で毎度のように、いちばん安いセットのメニューを選んで、吃り気味(どもりぎみ)に言った。
「ちょっ、ちょちょ、ちょいマックセットで、エグチュバーガーと、ポテトとコカ・コーラゼロでお願いしましゅっ」
ほんの若干、『アトピー肌』っぽい感じの若い女の子のマッククルー(アルバイト店員)は尋ねた。
「お客さま、店内でお召し上がりですか。」
アリさんは吃り気味(どもりぎみ)に答えた。
「てっ、店内でっ召し上がりましゅ」
オフィスビル型飛行船内に居る、智子@は、超ハイテクの映写機で空間に映し出されたアリさんの様子を見て言った。
「アリさんったらもう、、、物書き(ライティング)もいいですが、プレジデント(穴田さん)が定期的に催されている『穴田魔絵の話し方講座』を受講されたほうがいいかもしれませんね。」
同じく、オフィスビル型飛行船内に居る、穴田さんは一蹴して言った。
「アリさんには、物書きだけに専念して頂きます。」
☆穴田さんのAhoo!知恵袋☆
《マッククルーは、最近はかなり『高齢者』のかたを一人か二人採用されている店舗が比較的多くなっているが、どこの店舗も、身体の体積が大きい人、いわゆる『肥満体(ひまんたい)※』(表現としては、ほかに表現のしようがない)の人は、ほぼ見かけることはない。
おそらく、厨房の中の狭い通路を忙しく(せわしく)、ネズミのように動き回らなければいけないからだろう。
※地球の空間の何分の一かの空間を無駄に占拠している『肥満体(ひまんたい)』の人は、厨房の狭い通路を塞き(せき)止めてしまい、ほかのマッククルーが身動き取れなくなり、営業が出来なくなる恐れがあります。》
アリさんがカウンター席のいちばん端っこで、長い右足を左足の上に組んで、ちょこんっと座って待っていると、『おぢさん』というか、『おぢいさん』のマッククルーが、注文したセットを持って来て言った。
「お待たせ致しました。ごゆっくり、お召し上がり下さい。」
アリさんとよく似たヒョロヒョロの体型の『おぢいさん』で、空間を浮遊してやって来たのではないかと思うほどに重力感を感じさせない『おぢいさん』である。
アリさんは、非常に気を遣って、深々と会釈した。
アリさんは、地球に優しい、トイレットペーパーの巻き芯のような『紙ストロー』で、コカ・コーラゼロを、ぬるぅぬるぅぬるぅと吸いつつ、ポテトをつまみながら、スマホで物書きを始めた。
(※ちなみにアリさんは、物書きのためにわざわざ、清水の舞台から飛び降りる思いで、タブレットPC(パソコン)を購入しているのである。
タブレットPCの大きな画面で快適に物書きが出来ると思いきや、圧倒的にスマホでの物書きのほうが楽なのでありました。
寝そべりながらとか、マクドナル◯とかでも使えるようにと、タブレットタイプを選んだのであるのだけど、
ただ単に、物書きをするだけであれば、スマホと携帯式の予備バッテリーとワイヤレス・イヤホンさえあれば、もう何も要らないと思い知らされたのです。)
アリさんは用を足したくなって、トイレに向かった。
男性トイレ付近には『足もとにご注意下さい』という黄色い立て看板が置かれていた。
トイレに入ると、先ほどの『おぢいさん』のマッククルーが洗面台の水道蛇口をスポンジで磨き倒していた。
アリさんは、落ち着かない気分で『おぢいさん』を横目に用を足した。
アリさんは身繕い(みづくろい)を終え、手を洗おうと洗面台に向かうと、『おぢいさん』はピカピカになった水道蛇口を指差して「どうぞ、お使い下さい。」と言って、洗面台のそばに佇んだ(たたずんだ)。
アリさんは、非常に気を遣って、深々と会釈した。
☆穴田さんのAhoo!知恵袋☆
《・マク◯ナルドでは、日本社会の礎(いしずえ)を築いてきた人生の大先輩の『お年寄り』マッククルーには敬意を持って、最大限に、気を遣わなければいけないことを勉強させられるのです。
・マクドナ◯ドは、『ファーストフード店』と、はっきりと銘打って(めいうって)あるように、がっつりお召し上がる、いわゆるお食事処(おしょくじどころ)として営業しているわけではありません。
・マ◯ドナルドは、老若男女問わない、差別も偏見もない、憩い(いこい)の場としての空間を提供する、優良なユダヤ系企業なのです。》
※重要:このシリーズの記事は、ほぼ全ての記事が現在進行形の【書きかけの状態の記事】であり、大幅な書き足しや文章の削除修正は大いにあります。
(幾つもの記事を並行して書いています。公開してありますが、ほとんど、メモ状態の記事さえもあり得ます。)
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