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ミリシタの新メンヘラ楽曲『スペードのQ』のヤバさを知ってほしい😭
先日Twitterで告白したように自分はメンヘラが好きなのですが(ココを押すとメンヘラ𝑳𝑶𝑽𝑬告白ツイに飛べます)アイマスが最近メンヘラに力を入れてくれていて…嬉しい!そう、『スペードのQ』のお話です。『絶対特権主張しますっ!』の自覚がない元気なメンヘラの歌詞も良いですが、やはりメンヘラといえば自信の無さから生じる歪み、病んだ愛情表現に尽きるでしょう。
「青褪めて乾いた目に 紅潮してるアタシ」
歌い出しのこの僅かなフレーズだけで脳裏にありありと描き出される情景、児玉雨子先生の類稀な才覚を感じさせます。「(アタシの全てをあげるんだから)間違えないで?」と優しく、不気味に迫る歌声にもゾクゾクしますね。
しかもこの歌い出しを担当アイドルが歌ってるんだから、狂っちゃうよ?
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他にも色々とメンヘラ歌詞について所感を述べたい所ですが、この『スペードのQ』の素晴らしさ、いや凄まじさはそんな表層的な所だけでは語り尽くせません。実はこの楽曲、かの有名な歌劇『スペードの女王』を元にしているのを知ると一見よく分からない、その時々で浮かんだメンヘラチックな言葉をただ並べているだけのようにすら見えるこの歌詞が、確かな意味を持っているように見えてくるのです。
歌劇『スペードの女王』は19世紀のロシアのお話。
賭博場に朝から夜まで入り浸りながらも賭けには参加せず、ただゲームを眺め酒を飲むだけの無気力な男・ゲルマンは「もしもこの恋が叶わぬのならば死ぬしかない」と思い詰めるほどに熱く思いを寄せる女性・リーザと出会う。
しかし、リーザと自分とでは身分が違いすぎる上に、彼女には既に婚約者・エレツキー公爵が居た。
ゲルマンはその事実に深く絶望する中で、一筋の光明が差す。リーザの祖母である伯爵夫人が「ファロ(当時主流だったカード賭博)の必勝法に関わる3枚のカード」の秘密を握っている事を知る。
その必勝法さえ知れば夫人のような大金持ちになりこの身分違いの恋も成就する事だろうとゲルマンは考えたのだ。
一方、リーザもゲルマンに心を惹かれていた。
公爵と婚約し、幸せが確約された中でも「彼(ゲルマン)の情熱的な瞳が忘れられない」と夜空にひとり告白すると、何とゲルマンが彼女の部屋に忍び込む。
その流れでゲルマンは「あなたなしには生きていけない」「死ぬ覚悟だ」とリーザを情熱的に口説きだす。あまりにイカれているので最初は流石のリーザも「帰れお前」と言い続けるが、段々とその熱い告白に心を動かされていく。
そして、自分の恋が実らなければ死ぬと言い続けるメンがヘラった男に対し、遂に「やめて、死なないで 私は永遠に貴方のものです」とその想いに応えたのだった。
そして「この合鍵を渡すから、お祖母さま(伯爵夫人)の部屋を通り私の部屋に来て」とリーザはゲルマンと約束する。ゲルマンは喜びに打ち震える中、脳裏に悪魔の声が囁く。
『これで伯爵夫人に、3枚のカードの秘密を
聞き出せるじゃないか』
その夜、ゲルマンは伯爵夫人の部屋に忍び込み夫人を待ち伏せた。そして夫人に銃を向け、『カードの秘密を話せ』と脅しを掛けた所、夫人はショックでそのまま非業の死を遂げる。
その現場を目撃したリーザは「私に近寄ったのは3枚のカードの秘密が目的だったのね」とゲルマンを強く責め、出て行かせたのだった。
その事件から半年後、ゲルマンはリーザから『運河のほとりで待っている』という手紙を受け取るが、既に精神を本格的に病み始めていたゲルマンは伯爵夫人の亡霊の幻覚を見る。
「リーザを救いなさい」
「彼女と結婚しなさい」
「3枚のカードを順番に張れば勝ちます。
その数は『3・7・エース』」
「3・7・エース…………」
その数字を聞いた時には、彼はもう狂っていた。
運河のそばで待っていたリーザに対しても、カード賭博の事で頭が埋め尽くされている為に錯乱して「お前は誰だ?知らない女め」と言い捨て賭博場に走り出してしまう。「恋を成就させる為」「カード賭博に勝つ」という目的と手段は完全に入れ替わり、見失ってしまっていた。
そんな壊れて破滅した彼の姿を目の当たりにした
リーザは、運河に身を投げてしまうのだった。
一方、ゲルマンは賭博場でボロ勝ちしていた。亡霊の言う通り3・7と賭け全勝していた所に「私が勝負しよう」と一人の男が申し出る。その男はリーザのかつての婚約者・エレツキー公爵だった。
「彼には貸しがあるのでね」
「次の相手はアンタか、面白い」
エースに賭ければ、相手が誰であろうと勝てる。
そのはずだった。
「ハハハハハ!エースだ!!俺の勝ちだ!!!」
しかし、エレツキー公爵は困惑しつつ
彼に指摘する。
「君が持っているカードはエースじゃない、
『スペードのQ』だ」
何故。なぜ。
なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜ。
俺は確かにエースに賭けたはずだ。
間違えるはずがない。
ああ、そうか。このスペードのQueenは伯爵夫人。
あの悪魔は、俺の命が欲しかったって事か。
そうか、そうか。
そんなに欲しいのなら、くれてやるよ。
完全に精神が錯乱していたゲルマンは、
そのまま自分の胸を短剣で貫き、自害した。
これが名作歌劇『スペードの女王』の大まかなストーリーとなる。誰も救われない、救いようのない話なのだが、もしかしたらもう気付いた方もいるかもしれない。
そう、『スペードのQ』の歌詞は『スペードの女王』のゲルマンとリーザの来世のお話だ。
・「顔認証 運命だもん 前世から合鍵」
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「貴方が私を忘れていても、私には分かる」という前世からの記憶を示唆するもの。
・「嘘だらけ ちぎって燃やしたクローバー」
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前世で結ばれることもなく、恋人である自分の事すらも忘れてしまったゲルマンへの愛憎を示す歌詞。
・「何故心刺したの ねぇ、教えて?」
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・「繧「繧ソ繧キ縺ョ縺吶∋縺ヲ繧偵≠縺偵k繧薙□縺九i(アタシのすべてをあげるんだから)間違えないで?」
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ざっと考えただけでもこれほどの意味が込められている。偶然にも自分が『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』という作品にハマり、世界中の歌劇について調べまくっていたから気付けたが、もしかしたらまだ気付けてないだけで、この楽曲には他にも何か意味が隠されているのかもしれない。
カルト的人気を誇りすぎて全国各地で再上映が繰り返された結果、文化庁メディア芸術祭に目を付けられて国の税金によりタダで上映されるまでに至った『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』が
何と今ならアマプラで無料で観れてしまいます!
暇な時に観よう❗️❗️❗️
いやはや、まさかこんなにも奥深いメンヘラ楽曲がアイマスから出て来ようとは。この素晴らしき楽曲に出会わせてくれたミリシタに、最近は本編よりも歌劇そのものばっか見てる気がする『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』に、このメンヘラ楽曲を永吉昴を歌わせようとした天才に、そしてこの楽曲に携わった全ての方に、感謝─────────🙏