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57.味のしないたこ焼き

 裁判所に行くのには電車を乗り継いで、1時間半に1本しかこない電車に乗って向かうのでした。だいたい最後の乗り換え駅での乗り継ぎが悪くて、いつも改札の近くにあるフードコートで電車が来るまでの時間を潰していました。 

 子どもたちと離れ離れになってから、それまで美味しいものを食べることが大好きだった私の舌が、美味さを感じることが出来なくなりました。自然と食への興味がなくなり、日々体重も減少し、見た目もやつれてゆくのを心配した親に「何か食べなさい」と半ば無理やりその駅のフードコートでたこ焼きを食べさせられました。焼き立てのはずのそのたこ焼きは、熱いとも感じないし、味も感じなく、ただただ口の中で丸いなぁという感覚だけが・・・。

 何年かぶりに、たまたまこの駅を通りそんなことを思い出しました。

 8年も経つと当時のこともどんどん忘れてしまいそうになるけれど、今現在も似たような状況、状況は違えど苦しみ悲しむ会えない親子がいる限り、忘れてはいけないしこのようなことが起きないためにはどうしたらよいのかという自問自答の日々は終わりません。

 いつも素晴らしい記事を発信し続けて下さっている上條まゆみさんが書いて下さいました。私はまゆみさんの文章がとても好きで、いつも読ませて頂いていたのでとても嬉しかったです。ぜひ多くの方に読んで頂きたく、久しぶりにnote更新しました。



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