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第一章〜子どもたちに会えなくなる日まで〜

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ある日突然子どもたちが私の前からいなくなってしまいました。 会うことも、声を聞くことも叶わず、生きる希望も失いかけていた長い長い1年間のことをまとめていきたいと思っています。
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#連れ去り

第一章の目次 子どもに会えなくなる日まで。

連れ去りまでの経緯から子どもに会えなくなった日までのお話。 1.はじめまして。 2.子どもが誘拐されました。 3.家族のはじまり。家族のほころび。 4.るんるんとのんのんの不倫。 5.ストレスダイエット。 6.不倫は許せる?許せない? 7.男親でも親権がとれる!裏技マニュアル! 8.砂漠のオアシスは蜃気楼。 9.目には目を。歯には歯を。 10.有利な離婚。 11.探偵事務所。 12.不倫相手がブスな確率80%超 13.洗っていないお皿からきのこが生え

2.子どもが誘拐されました。

 犯人は元夫でした。(当時はまだ結婚していたので夫でした。)  ある日突然、私の目の前で子どもたちが連れ去られました。義理の家族が総出でやってきて、子どもたちは無理矢理車の中に押し込められてしまいました。私は両手を広げて車の前に立ちはだかりましたが、義母に突き飛ばされ、よろけた隙に発車してしまいました。 すぐに110番通報をし、約30分後に警察が到着しましたが、既に子どもたちは義弟夫婦の運転する車で連れ去られてしまった後でした。 家に残った夫と義母は「3日後に必ず連れて

9.目には目を。歯には歯を。

「どうしたら許してくれる?」そう聞かれてから答えを出さないまま半年くらいが経ちました。  子どもたちの前や、他の人がいるときには何事もなかったように振る舞いましたが、夫と2人きりの時は私は泣くか、蒸し返して怒るか、無視するか。そんな生活を続けていました。  夫は「ナリちゃんも一度不倫してもいいから、僕のことを許して欲しい。」とおかしな提案をしてきました。  そんなことを言う夫の気持ちがまったく理解出来なかったし、とてつもなく嫌な気持ちになったけれど、そろそろ自分の気持ち

17.フライングたくあん

 いよいよ別居の日。ちょっとしたことがきっかけで口論になりました。私もかなりヒートアップしていました。(ちなみにこの時の様子も全部録音されていたようです・・・)私は思わずテーブルに置いてあったタクアンを夫に向かって投げつけてしまいました。すると、夫は携帯を取り出して119番通報をしました。私は「えっ!?タクアンごときで119番通報!?」と不思議でたまらず、夫の携帯を奪い取って電話口に向かって「ただの夫婦げんかなので大丈夫です。ごめんなさい!」と平謝りしました。  すると夫は

18.ついにXデイ

 子どもたちが連れていかれてしまった日です。今までの人生の中で一番、ショックで悲しい1日でした。 子どもが誘拐されました。犯人は夫でした。  私の両親を呼びつけて、リビングのソファにズンと座り「ナリさんに子育ては無理だから私たちが連れて行きます。」と大声でまくし立てて怒鳴っていました。  義母が言うには、私は統合失調症という病気で、家事も育児も出来ないし、子どもたちを殺そうとしたこともあるし、とても危険である。不倫しまくりで家にも帰ってこないし、もう夫婦関係も破綻してい

19.母親失格!私は人間以下!

 子どもたちが連れていかれてしまった日、すごく印象に残っていることがあります。ずっと義父が震えていたのです。小さくなって肩を震わせて、ずっとうつむいていたんです。そんな義父が最後の最後、聞いたこともないような大きな声でこんなことを言ったのです。「犬でも母親は子犬に慕われるのに、お前は子どもたちに全く慕われていない!」 「お前は母親失格だ!人間以下だ!」と。義父はふだんとても物静かな人だったので、大きな声を出したことにもびっくりしたし、そんなことを言われるとは思ってもみなかっ

20.連れ去り計画の全容。

連れ去り計画の全容はこうです。 1.当日までの準備 ①母親が母親として相応しくないという証拠をなるべくたくさん集める。 (捏造でも可) ②母親を精神的に追い詰めじわじわ再起不能な状態にする。心療内科に通っているなら、なるべく薬を強くして、量も増やしてもらうように仕向ける。 2.当日 ①何でもいいのでとにかく子どもを連れ出す為のそれらしい理由をつける。 ②連れ出す時は、なるべく警察官や消防隊などの一般的になんとなく社会的信用性の高そうな第三者に目撃してもらう。 3.その後

21.3日後の話。

(※「21、3日後」じゃなくて「3日後の話。」です。)  「3日後に子どもたちを連れて帰る」と言われ、子どもたちが連れて行かれてしまったあと、一切の連絡がつかなくなりました。何度も電話したり、LINEしたりしましたが何の返事も、折り返しもありませんでした。3日後に子どもたちは帰ってきませんでした。次の日も、その次の日もずっと連絡がつかないままでした。  5日後に100回くらい夫の電話に着信を入れてみたら、101回目くらいに夫が電話に出ました。 「3日後に帰ってくるって言

22.犬は突然環境を変えると良くないからね

 うちには犬がいます。子どもたちが連れ去られてしまった日、義母がこう言っていました。「犬は突然環境を変えると良くないからね。置いていくわよ。」と。  連れ去られた翌日に子どもたちの住民票は移動されてしまっており、もともと通っていた幼稚園は区立の幼稚園だったので、区内に住民票がないということで強制退園となってしまいました。息子は連れ去られた翌日には、もう義実家の家の近くの幼稚園に通いはじめていました。  今まで通っていた幼稚園では先生方のご好意で、席やお道具箱などはそのまま

23.民事不介入につきどうすることもできません。

 子どもたちがいなくなってしまった喪失感と、先の見えない不安に駆られながらも、私はちゃんとした手続きを踏めばすぐに子どもたちは帰ってくるだろう!とそう思っていました。連れ去りの現場に立ち会ってくれた警察からは「まさか帰って来ないなんて思わなかった。」「民事不介入って聞いたことありますよね?」「どうすることもできないのであとは民事でやってくれ。」と言われ、ちょっと面倒なことになってしまったのかなぁとは思ったけど、この時はまさか自分がここまで大変な状況にいるということに、まだ気が