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第一章〜子どもたちに会えなくなる日まで〜

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ある日突然子どもたちが私の前からいなくなってしまいました。 会うことも、声を聞くことも叶わず、生きる希望も失いかけていた長い長い1年間のことをまとめていきたいと思っています。
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#共同親権

第一章の目次 子どもに会えなくなる日まで。

連れ去りまでの経緯から子どもに会えなくなった日までのお話。 1.はじめまして。 2.子どもが誘拐されました。 3.家族のはじまり。家族のほころび。 4.るんるんとのんのんの不倫。 5.ストレスダイエット。 6.不倫は許せる?許せない? 7.男親でも親権がとれる!裏技マニュアル! 8.砂漠のオアシスは蜃気楼。 9.目には目を。歯には歯を。 10.有利な離婚。 11.探偵事務所。 12.不倫相手がブスな確率80%超 13.洗っていないお皿からきのこが生え

1.はじめまして。

ありぃ・なり と申します。 私には2人の息子がいます。 あまり思い出したくないのですが、彼らと会えなかった時期があります。 ある日突然、子どもたちが私の前からいなくなってしまい、1年間離れて暮らしていました。 とてもとても会いたくて、でも叶わなくて。 会えないのならせめて声をだけでも聞きたくて。でもそれも叶わなくて。それならせめてお誕生日にお手紙とプレゼントを届けたい・・・ そう願いましたが、それすら叶いませんでした。 会いたくても会えない親子がたくさんいること、ご存

7.男親でも親権がとれる!裏技マニュアル!

 よくあるやつです。 「35年間モテなかった私が100人の女と寝れた!超モテマニュアル!」 とか 「100キロ越えの私がモデルに転職!痩せるためのスーパーマニュアル!」 とか 「貯金ゼロのOLが億万長者になった!誰でも今すぐ大金持ちに!」  とかそういう類いのやつだと思います。ペラペラのホチキスとかで留めてありそうな情報商材。PDFでも買えるやつ。  日本では離婚後の親権をどちらか一方が親権者と定める「単独親権」と言う形をとっています。父母のうちどちらか1人しか

8.砂漠のオアシスは蜃気楼。

 私は夫に「離婚したい」と言いました。夫も承諾してくれました。  ところが・・・!数日後、夫が突然「離婚したくない」と言い出したのです。おそらく不倫相手の女の子に振られてしまったのでしょう。本当のことはわからないのですが、なんとなくそうだと思いました。  あれですよね。砂漠のオアシスは蜃気楼だったんですね。  それからというもの手のひらを返したように優しくなりました。 「たくさん苦労かけちゃったから、今日から家事は全部僕がやるからね。」 「子どもたちは僕がみてるから

16.私だって連れ去り・引き離し親になっていたかもしれない。

 お葬式の後、私はすぐにでも夫と別居をして、はやく離婚したいとそればかり考えていました。1秒でもはやく義実家と縁を切りたかったし、夫と暮らす未来なんてもう一切見えなくなってしまっていました。  話し合いをして、ひとまず私と子どもたちは今の家に住み、夫が家を出ていくということですんなりまとまりました。  はやく、はやくと焦って、常に私の頭の中では「離婚」の2文字がぐるぐると回っていました。その時に悩みを相談していたほとんどの友人知人には「はやく離婚して縁を切った方がいい」と

17.フライングたくあん

 いよいよ別居の日。ちょっとしたことがきっかけで口論になりました。私もかなりヒートアップしていました。(ちなみにこの時の様子も全部録音されていたようです・・・)私は思わずテーブルに置いてあったタクアンを夫に向かって投げつけてしまいました。すると、夫は携帯を取り出して119番通報をしました。私は「えっ!?タクアンごときで119番通報!?」と不思議でたまらず、夫の携帯を奪い取って電話口に向かって「ただの夫婦げんかなので大丈夫です。ごめんなさい!」と平謝りしました。  すると夫は

18.ついにXデイ

 子どもたちが連れていかれてしまった日です。今までの人生の中で一番、ショックで悲しい1日でした。 子どもが誘拐されました。犯人は夫でした。  私の両親を呼びつけて、リビングのソファにズンと座り「ナリさんに子育ては無理だから私たちが連れて行きます。」と大声でまくし立てて怒鳴っていました。  義母が言うには、私は統合失調症という病気で、家事も育児も出来ないし、子どもたちを殺そうとしたこともあるし、とても危険である。不倫しまくりで家にも帰ってこないし、もう夫婦関係も破綻してい

19.母親失格!私は人間以下!

 子どもたちが連れていかれてしまった日、すごく印象に残っていることがあります。ずっと義父が震えていたのです。小さくなって肩を震わせて、ずっとうつむいていたんです。そんな義父が最後の最後、聞いたこともないような大きな声でこんなことを言ったのです。「犬でも母親は子犬に慕われるのに、お前は子どもたちに全く慕われていない!」 「お前は母親失格だ!人間以下だ!」と。義父はふだんとても物静かな人だったので、大きな声を出したことにもびっくりしたし、そんなことを言われるとは思ってもみなかっ

20.連れ去り計画の全容。

連れ去り計画の全容はこうです。 1.当日までの準備 ①母親が母親として相応しくないという証拠をなるべくたくさん集める。 (捏造でも可) ②母親を精神的に追い詰めじわじわ再起不能な状態にする。心療内科に通っているなら、なるべく薬を強くして、量も増やしてもらうように仕向ける。 2.当日 ①何でもいいのでとにかく子どもを連れ出す為のそれらしい理由をつける。 ②連れ出す時は、なるべく警察官や消防隊などの一般的になんとなく社会的信用性の高そうな第三者に目撃してもらう。 3.その後

21.3日後の話。

(※「21、3日後」じゃなくて「3日後の話。」です。)  「3日後に子どもたちを連れて帰る」と言われ、子どもたちが連れて行かれてしまったあと、一切の連絡がつかなくなりました。何度も電話したり、LINEしたりしましたが何の返事も、折り返しもありませんでした。3日後に子どもたちは帰ってきませんでした。次の日も、その次の日もずっと連絡がつかないままでした。  5日後に100回くらい夫の電話に着信を入れてみたら、101回目くらいに夫が電話に出ました。 「3日後に帰ってくるって言

23.民事不介入につきどうすることもできません。

 子どもたちがいなくなってしまった喪失感と、先の見えない不安に駆られながらも、私はちゃんとした手続きを踏めばすぐに子どもたちは帰ってくるだろう!とそう思っていました。連れ去りの現場に立ち会ってくれた警察からは「まさか帰って来ないなんて思わなかった。」「民事不介入って聞いたことありますよね?」「どうすることもできないのであとは民事でやってくれ。」と言われ、ちょっと面倒なことになってしまったのかなぁとは思ったけど、この時はまさか自分がここまで大変な状況にいるということに、まだ気が