タカハシ(京都の演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫 www.intvw.net)
元・立誠小学校は遺跡であった。この建物の中に付けられた傷や汚れの一つ一つに何かの過去が宿っている。そういう痕跡の全てがこの世から姿を消す事についてどう感じれば良いのだろう。例えば、清々しい気分になればいいのか。または単純に惜寂か。この施設で上演された様々な催しの中で、私にとって最も面白かったのはイッパイアンテナという劇団が上演した「ドリリズム」という作品だった。閉校である小学校の職員室で繰り広げられる、単なるばか騒ぎだった。あの下らない騒ぎは、まだ収集も付かずにここの空間に響いている。汚れも音も、消えるようで消えないのだ。見送りの後は、ただ単純に覚えていればそれで良いのだ。