アイコン男2

西堀 晋(工業デザイナー)

学生だった頃、職員室は決して居心地の良い場所とはいえなかった。お世辞にも優等生だったとは言えない私にとっては当たり前のことと認識していた。京都を離れアメリカに移住し随分と時が経った頃、友達が古い校舎でカフェを始めたから、、、と立ち寄ったのが立誠小学校の職員室。かつてカフェなどの店舗設計を手がけていた私にとっては何も手をつけないそのままの空間で珈琲を飲むひと時がこんなに居心地がよく素敵なのかと衝撃を受けた。それがあの職員室だからなおさらだ。空間とはそこにいる人の心が表現されて居心地の良いものになるのだと思う。新しい場所がみんなの心によってまた受け継がれていく姿が楽しみである。

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