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ドラマ 『無理な恋愛』還暦を迎えた音楽プロデューサーが、年下の無名女優に恋をした

堺正章さん、夏川結衣さん主演の
2008年に放送されたドラマ。

作品の存在は知っていたけれど、
視聴するのは今回が初めて。

全11話、Huluにて観終わったので感想を。


【ざっくりあらすじ】

立木 正午〈堺正章〉は若い頃にバンドのボーカルとして人気を博し、
還暦を迎えた今は役員待遇の音楽プロデューサーとして働いている。

ある日ひどい風邪を引くも常備薬が切れており
バツ一独身の為 看病してくれる家族が側にいないので、必死の思いで一人薬を買いに行くことに。

その道すがら、犬の散歩をしていた無名女優の長野 かえで〈夏川結衣〉に助けてもらったことをきっかけに、
久しく忘れていた恋心を抱く___ 


団塊世代の還暦を迎えたばかりのバツ1独身男性と
30代半ばの独身女性、
寂しさを抱えた二人の恋愛模様…

タイトルに無理な恋愛とあるけれど
ちょっと私自身の感覚がバグっているのか
還暦男性が基本ジェントルマンだったからか、
言うほど年齢差という意味で無理ではないように感じた。

未成年じゃなく互いに独身で
無理強いなどしなければ恋愛は自由だと思ってるし、
人を好きになる気持ちは最高で素敵だから。

ただ無名女優のダメダメな元彼が話に絡んできて
結局ダラっと同棲する流れが最初に描かれているので、
そういう意味で
「あれ?これやっぱ無理なのかなー」と思う瞬間は度々あった。

一体無名女優がどちらとどうなっていくのか
最後の最後まで分からないところや、
コミカルで温かいキャラクターやセリフがとても好みのど真ん中な作品だった。

脚本家が岡田惠和さんと知り、納得した。


【キャラクター・キャスト】

立木 正午(60) / 堺正章
自分の年齢をわきまえながらも、
久々の恋に浮かれる姿にクスッときた。
露骨に下心は感じず、
かえで〈夏川結衣〉の気持ちに配慮しながら
ここぞという時に自分の気持ちを伝える姿が真っ直ぐでよかった。
部下を大切にしてるところも◎

長野 かえで(35) / 夏川結衣
再現女優の仕事も恋愛も微妙だけどやさぐれたりせずに、
基本的に楽観的で笑顔が素敵な女性だった。

それなりに愚痴るところ、女優を目指すひたむきさ、年下元彼にコミカルにお説教する姿、弱って泣く姿…全部いい。

改めて夏川さんの目と両笑窪の吸引力エグいと思ったし、
最終回の深いブルードレス&メイクアップした姿がキレイすぎて眼福だった。


東海林 龍彦(33) / チュートリアル 徳井義実
かえで〈夏川結衣〉の元彼、小説家志望の男性。
ちょっと可哀想な顔すれば保護してもらえると分かってるあざとさ、
そんなあざとさに負けてきた かえで は適度な距離を取りながらそれなりに仲良く生活している。

かえでを巡って立木〈堺正章〉とゆるい恋のライバルになるけれど、
ギスギス感が一切ないのが新鮮でよかった。


久保 律子 / 鈴木砂羽
かえで〈夏川結衣〉と仲良しで共に再現女優をしている女性。
実は再現ドラマ監督〈チュートリアル 福田充徳〉と内緒で付き合っている。
かえでと二人で色んなコスプレしながらガールズトークする掛け合いが楽しかった。

特にかえでが誕生日の時のセリフよかったなぁ。


小川 光代(56) / 夏木マリ
立木〈堺正章〉の元妻。
バンドマン時代の立木のおっかけファンをしていて、いわゆる推し婚して一児をもうけるも、その後 離婚。

離婚後もあっけらかんと立木に会いに行ってはお喋りしまくる、楽しく気持ちのいい性格の女性。

2話のカフェシーン、元夫の前で明るく
現夫〈尾美としのり〉と昼も夜も仲良しだし
(生理)卒業して避妊しなくていいしね〜って
ナチュラルにぶっちゃけ話を元夫にかましてて思わず笑ったし、
一緒になってニコニコしながら「ね〜」って同調する現夫と
卒業したことを察して「ご苦労さまです…」って弱々しく呟く元夫に笑った。

夏木さんが言うと一気にSATC感溢れてた。
和製サマンサ。

ほんと夏木さんマジキレイでカッコよすぎたし、
コミカルな役最高だった。


小川 圭介 / 尾美としのり
光代〈夏木マリ〉の現夫。
とにかく年上妻LOVEで、血の繋がりのない娘も溺愛していて良い夫&ステップファザーすぎた。

ほとんどほんわ〜かした雰囲気を醸し出してたけど、
大事な娘〈小嶋陽菜〉と矢代〈田中圭〉が付き合ってることを目の前で知った時の表情と態度の変わりようがすごかったし、
あのシーンの現父 圭介、実父 立木、矢代の3人の構図はおもしろかった。

ワンシーンだけ病院のエレベーターで
かえでと乗り合わせて、唯一顔合わせる場面あったけど、
『結婚できない男』でも医師同士で数シーン共演あったし、
『つまらない住宅地のすべての家』で
尾美さんと夏川さんの掛け合いを好きになったから、
昔から度々共演されてたんだなぁってなんかちょっと気分上がった。

小川 朝子 / 小嶋陽菜
立木〈堺正章〉の実の娘。
自分の生い立ちを知っていて、達観している女子大学生。 

歌うことが好きで、
実父が昔歌手だったことに妙に惹かれ、
立木のレコード会社のオーディションを受けたり。

そうこうして実父と会うようになり二人きりで話すシーン、
進路に迷っている時に立木さんが娘に語ったセリフがやさしく力強くて結構刺さったなぁ。


矢代 文平(26) / 田中圭
立木〈堺正章〉の部下、朝子〈小嶋陽菜〉の彼氏。
好きな音楽の仕事も一所懸命、恋にも積極的な若者だった。

おっさんずラブ辺りから田中さんを意識的によく観るようになったから、
初々しくて明るく、線の細めな若い頃の姿が新鮮だった。


他にムッシュかまやつさん、青木さやかさん、坂口憲二さん、スザンヌさん、光石研さんなど
バラエティー豊かなキャスティングだったんだなと思った。


また一つ、愉快で素敵な作品に出会えて幸せ…♡


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