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オタクがフラスタを出してみた話

先日11月17日開かれた富士葵活動6周年記念ライブ「Aria」。そこにファン企画としてフラワースタンドを出しました。
その顛末を備忘録も兼ねて記載しますので、次に企画する方の参考になれば幸いです。


💙はじまり ~そういえば今回動いていないな~

筆者のもとに1件のDMが来たのは10月6日。曰く「フラスタ企画やらない?」というもの。ライブまで2ヶ月を切っているもとでの連絡だった。
そこで初めて、

  • 以前まで毎回企画してくださっていた方が音信不通なこと

  • 現時点で企画が立ち上がっておらず、このままだとファンからのフラスタが会場に送れないということ

  • 花屋に聞いてみたが、やるなら時間がギリギリであること

この3点を認識した。
とりあえず可能な範囲で情報を集め、その日のうちにオンラインで連絡をとって相談した。
この時点ではとにかく情報がなかった。
どこに許可を取ればいいのか、予算感はどんなものか
「最悪僕らが費用被ってもいいけど…30万とか言われたらなんとかなるかもしれんが100万とか言われたら内臓売るしかない…」なんてことを話していた。
前任の方がどのようにしているのかがあまり分からなかったが、幸い以前の企画ページにたどり着くことができた。

過去の企画情報、収支報告。はなしごとに依頼していると判断。


💙依頼と許可とりを進めるよ

なんとなくの予算感と、はなしごとさんに依頼していたことは分かったのではなしごとさんに打診を行った。曰く

  • 現時点で「Aria」へのフラスタ提供の依頼が来ていないこと

  • 1か月前(10月17日)までに一度打ち合わせが必要で、そのときまでにざっくりとしたイメージの提出(配色や花材、装飾資材、組み込みたい要素などなど)が必要ということ

  • 10日前(11月7日)にデータの納品が必要ということ

  • 会場への確認が必要ということ

ということだった。

会場(O-EAST様)に連絡したところスグにOKをいただいたが条件として「ライブの運営にも確認してほしい」ということを言われた。
当初富士葵運営に連絡して許可取りをする必要があると思っていたが、ライブに当たっての「ライブ運営会社」というのがあるという。これは知らなかった。会場(O-EAST様)からライブ運営会社が「ディスクガレージ」様であることも教えていただき、連絡した。返信がなかなか来なかった。どうも関係者であるか確認をとっていたようだ。フラスタ提供に当たって設置時間、サイズなど条件のご連絡と共にOKをいただいた。
ライブ運営会社さんから、今後は「法人/関係者orファン」を明記した上でメール連絡してほしいという指摘があった。
代理店のようなものだと思うが、そういう会社が存在していることを知らなかったので次回以降企画してくださる方は気をつけてほしい。

イラストレーターの方への依頼も行った。
大き目の企画に参加されていない方とも思ったが、初動が遅かったゆえ「1週間でイメージを共有してもらい、1ヶ月で完成させろ」「謝礼は特にない」というあまりにも過酷な注文だ。特に製作期間が短く、通常は2カ月程度のイラスト製作時間が必要ともお聞きするので、ここは経験値の高いmucha様にお願いすることにした。寛大な心でお引き受けいただいたのは何よりも行幸だった。
なお、依頼の文章も失礼のないよう事前にDiscordサーバーで共有し、複数人で目を通した。

💙なかまを集める

なんとか目途が立ったので企画を進めることにした。今回の企画で、筆者と声をかけてくださった2人だけでなく、チームを組んで作成していこうと決めていた。
それによって今後ノウハウの共有もできるだろうし、たとえばデザインにしてもいろいろな意見を取り込むことができる。決定権は1人にゆだねるべきだが、それまでの過程の議論は反対意見であっても貴重だ。
何人かにお願いしたいことを決めて声をかけ、参加してくださった方でDiscordサーバーを作成し、早速ミーティングを開いた。
「独立もしたことだし等身大のフラスタというのを出してみたい」「単体でもいいけど、一緒に写真撮りたくなるデザインがいいね!」「せっかくパネルのイラストを描いてもらうので、記念アクリルスタンドにして描いてくださった方と葵ちゃんに送りたい(この時はパネルを輸送する想定をしてなかった。大きいし!)」といった意見が出され、企画をより充実させることができた。

統括、SNSの運用、はなしごとさんとの打ち合わせ・調整、入金や参加状況の管理、グッズの手配、呼びかけ、過去イラスト参加していたノウハウからの顧問、外部監査…など担当を決め分担して行った。

💙いざ発表!でも…

許可も取れたので作ったことのないPassMarketでチケットを作成、twiploで参加表明ページを作成し、早速公開を行ったが、すぐにクレームがきた。
「リンクが切れてる」「登録締切日が入ってない」などなど…。突貫工事でつくるのでなく十分にチェックをしなければならなかったと反省した。
上に挙げたのはすぐに修正できたが、公開後に気づいた致命的な問題もあった。
「締切をお花屋さんへの振込+データ提出の日に設定していたが、それだと締切には完成データを入稿しなければならないのに参加者一覧パネル製作の時間を考慮していなかったのでパネルが間に合わない」ことと「PassMarketで入金してくれた人のハンドルネームがわからない」ことだ

前者はとりあえずこのまま進め、パネルの納品についてお花屋さんに相談させてもらうこととなった。
ハンドルネームがわからない問題に関しては、チケット設定の深いところに「参加者へのアンケート」を設置できることを知った。しかし、既に数名が入金した後だったので、捜索活動に奔走することになった。
メールの一斉送信、Xでのポスト、Twiploで参加につけてくださった方へのDMなどでなんとか辿り着けたが、ギリギリまでヒヤヒヤした。
気をつけてほしい。

また、後から分かった問題もあった。
チケットのシステムが海外からの参加希望の方へ対応していなかった。今回は個別の現金振込で対応させていただいた。
PassMarketの実際のお金の振込みはイベント開催日から10日ということだった。筆者は入金の締切を10日前、イベント開催日をライブ当日にしていたが、しばらくのあいだ結構な額の立替が発生した。

SNS運用に関しては、富士葵さんやキクノジョーさんはブロックを行ったが、バレないよりも周知することを優先した。沢山の人に周知できるようSNSを定期的に稼働させ、何かイベントがあればそれに対応したpostを行ったりと拡散の工夫もおこなった。
ありがたいことに想定を超えて沢山の人に賛同をいただき内臓を売ることは避けられることができた。
我々も全力で周知したがやはり後日に知らない方、参加したかったなどのお声をいただいた。SNSだけでは気づかない方も多いことは今後の課題とも思う。

💙お花屋さんとの打ち合わせ

はなしごとさんと打合せを行い、担当の花屋さんを割り当てされる。担当の花屋さんは、価格が高くなるより時間が必要になるのでパネルはご自身で発注された方が良いとのおすすめをいただく。担当花屋さん毎にやり方が違うようなのでよく相談してみてほしい。

イラストレーターさんからラフをいただき、デザインを決めていく。
富士葵さんは周りの人が小さいので大きく見られがちですけど157㎝と小柄なんすよね。それを会場に来てくれた方に感じてもらったり一緒に写真撮ってもらえたらなぁと考えています。原寸250dpi 完成イラストは結合psd仕様。ガーベラや薔薇をメインに「Ariaと言えばG線上のアリア」のイメージ。このオーダーから上がってきたラフ案。

ラフ三案

チーム一同スタンディングオベーションであった。素晴らしく魅力的なラフ案が上がってきた。特に背中を見せる絵はあまり見たことがなく新鮮だった。等身大がわかりやすく独立を意識させる左案となった。
このラフを元にお花屋さんと話し合いを行った。もちろんお花屋さんも絶賛でとんとん拍子に話が進んでいたが、私たちは等身大の大きさを舐めていた。

想定ラフの寸法を測ってみるとライブ運営さんのレギュレーションに合わない。左右のサイズがかなり大きくなる。それでも楽観視していた。過去にも大きいサイズはあったし、花屋さんも会場には十分なスペースがあるから大丈夫だともお聞きしていた。交渉すればいけるだろう。

ライブ運営会社「ダメ、レギュレーションの大きな変更は会場に設置許可を出せない可能があり、来場者の目にとまらない裏に回すことになります」取り付く島もない。厳格。断られる。

急いで、修正案を考案しなければならなくなった。サイズを算定し、等身大は維持するため170cmx90cm内に収める形に修正をお願いした。

返ってきたラフも完璧だった。キクノジョーはサイズ的に入れるのが難しく独立して、支援者パネルの方に入れることになった。キクノジョーはよそ行きな感じで蝶ネクタイでシルクハットにしてもらった。

他にもアイデアとしてラフイラストにあるバルーンを本物にできないか、電飾など付けようか、花の配色などを話し合いながら進んだ。
花屋担当にパネルに本物の花を持たせる事が可能か?という無理難題を聞いてみると可能との返事があり、パネルに穴を開けてブーケサイズの花を裏から通す手法を提案される。素敵やん?即採用させていただいた。

花屋さんは会場の広さであれば大丈夫なんですけどねぇ?と慰めていただいたので「本体の花、等身大パネル、イーゼルに置いた支援者パネルを独立させて、縦に並べればギリレギュレーション内、現場で余裕がありそうであれば、左右に展開して豪華にすることができますか?」とお願いをしてみる。花屋さんは笑いながらOKをいただいた。

横に展開する案

教訓としてはダメ元でも花屋さんにはなんでも相談してみて欲しい。

花の形など最終ラフ案もいただき、選ぶのが勿体ない。

イラストに白フチをつけ、無事印刷屋に送ることができた。
ここで重要なのは花屋さんはデータ作成はしてくれないこと。パネルの白フチや支援者パネルなど文字入れた状態は自分たちで作成する必要がある。様々なソフトがあるので自作(クリスタやsai、illustratorなど)、または印刷所にお願いする場合は相応の値段と製作時間が掛かることはご留意ください。
今回は、時間もなかったのでパネルデザインはmuchaさんにイラストを貰い自分たちで作成した。

今回の支援者パネル

今回利用した印刷会社:大判出力のプリオ
等身大パネル:等身大パネル(屋内向け)発泡パネル 変形(1698mm×847mm) マット紙+自立スタンド 有り+2つ折り
支援者パネル:等身大パネル(屋内向け)発泡パネル A3(297mm×420mm) マット紙

完成!当日

当日は大成功。バルーンや電飾など、求めていたことが形になって大変感激した。歌劇団のみなさんもたくさん写真を撮ってくださり、Xにポストしていただいていた。ライブ参加者入場後にはライブ参加者ではない方も多く撮影をされ楽しんでいたのも印象深い。

生放送では富士葵さんが一緒に撮ってくださった写真も出してくださった。
最初のうちは「一緒に撮る」方はあまりいらっしゃらなかったように見えたが、筆者がそのようなことを意図したデザインであると話したのもあり、帰り際は一緒に撮影された方もちらほらいらした。

これは筆者

💙最後に

今回の企画、本当にたくさんの方にご協力いただいた。みなさんのご協力なしでは成り立たなかった。
厳しいスケジュールの中、たくさんの案を出してくださり、また度重なる修正に応じてくださり、素敵なイラストを完成させてくださったmuchaさん、さまざまな「これがしたい」「あれがしたい」という要求を形にしてくださったはなしごと様、ディスクガレージ様、会場のO-EAST様。
本当にありがとうございました。

またフラワースタンドは、パネルを付けても10万円程度で、そもそもイラストパネルも必須ではない。慣例的にみんなでひとつ大きいものを出しているが、他のVなどのように小規模なものも含め会場にファンからのフラスタが複数あってもいいのではとも思う。
これを読んで興味がある方、ぜひ花を贈ってみてはいかがだろうか。
情報はお伝えするので…!

今回ご依頼したお花屋さん以外にも業者さんは多くあり、ところによってはクラウドファンディングと連携しているとこともあると聞く。
さまざまなサービスも活用していきたい。

まとめ(忙しい人はここだけ読めばOK)

💙基本的なスケジュール

  1. 会場・運営会社の確認、許可の打診

  2. お花屋(はなしごと)さんへの依頼

  3. 絵師さんの選定・ご依頼

  4. 担当花屋さんとの打ち合わせ(電話・メールなど)

  5. 印刷会社さんなどにパネル作成の依頼・締切の確認

  6. 参加者管理・入金のシステム作成(今回はPassMarket)
    【ここまで2か月前目処】

  7. 企画の案内ページ・SNSなどの作成

  8. 公開・宣伝

  9. おおまかなデザインのイメージを作成

  10. お花屋さんとうちあわせ【1か月前】

  11. 絵師さんにイラストデータをいただく【10日前】(12日前推奨)

  12. 募集締切【10日前】(12日前推奨)

  13. イラストデータ(パネル白フチ、支援者の名前などのパネル)を作成・印刷【10日前】(印刷・輸送で都内でも最短3日程度はかかる)

  14. イラストをpixivファクトリーでアクリルスタンド発注(納品まで14日前後かかる)

  15. パネルを担当花屋に納品【7日前】

  16. 代金の支払い【7日前】

  17. ライブハウスに施工、当日回収(重要:ライブ後に回収に対応してくれる花屋であることを確認する)

  18. かかった費用の確認、収支のチェック【公演後】

  19. 富士葵さんにパネルを送付【公演後】

  20. アクリルスタンド送付(’pixivファクトリーは備考欄は無く直接送ると配送元はpixivファクトリーとなってしまうことはご留意ください)

  21. 残額スパチャ【公演後】

💙今回引っかかったところ

  • 確認が必要なのは会場とライブ運営会社(結構厳格)

  • はなしごとの場合はパネルは別途印刷会社にパネル作成の依頼をする必要がある(担当の花屋さんによる)

  • パネル発注にはデータを作成しなければならないので、締切後にデータ作成時間をしっかり設ける(3日間推奨)。ハンドルネーム間違いなども発生する可能性があるため確認も大事

  • 集金のサイトのシステム(ハンドルネーム・振込スケジュールなど)はよく確認する

  • 集金サイトによっては海外ブランドのカードが使えない場合もあるため、海外歌劇団への対応

  • サイズなど会場とライブ運営会社の条件もよく確認する

  • 富士葵さんからパネルを送って欲しいと生放送で言われた。これまでのも集めているらしい…。今後も送ると喜んでもらえるはず。(夜遅めの配信中、花屋さんにDMを送ったら即確認します→OKの返事が来たので花屋さんも富士葵さんの感想配信見ていたのかもしれない。笑)

終わり

※この記事は担当者ごとに分担して記載しました

この記事は富士葵ちゃんと振り返る Advent Calendar 2023に寄稿したものです


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