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『旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画デザインノート(案)』に意見を送りました…っていうか デザインノートってナニ??

↓↓↓こういうモノらしいです

つまり 旧上瀬谷通信施設地区全部を これから
開発するにあたって 「開発したーい!」と手を上げた事業者に向けての「横浜市は←\_(・ω・`)ココ重要!こんなふうに開発したいんだ」というメッセージ これが「デザインノート」
それの「案」を今回まとめたから 「市民からの意見を募集するよ」って事らしいです
要するに 例によって「横浜市の意見だけじゃなくて 市民の意見も聞きましたよ」ってポーズのための意見募集ですね
ただ 資料を読むと 「今」(令和4年12月~令和5年1月)横浜市が旧上瀬谷通信施設地区について
どう考えてるか?がよく分かるので
意見募集用の資料と わたしの意見を併せて書き留めておきます

17ページある「デザインノート本編」が読みたい方は「上瀬谷 デザインノート」で検索するか
各区の区役所 広報相談係 市民情報センターで見てください(  . .)"


現在の旧上瀬谷通信施設地区のポテンシャルについて

デザインノートでは 上瀬谷の持つ3つのポテンシャル「立地」「農業」「自然」を継承また新たに造る価値と併せて「持続可能の都市モデル」を創出する としている

《わたしの意見》
【立地】JR・私鉄の駅 高速道路やバイパス
幹線道路との地理的な連結が良いのは事実ですが
今現在 旧上瀬谷通信施設地区の周辺道路は 渋滞が常態化しています
周辺道路や駅の周りの混雑を考慮しない 現在の道路計画では 「立地の良さ」というプラスのポテンシャルより「渋滞の中に渋滞を放り込む」というマイナスのポテンシャルを生む事になるでしょう

【農業】地権者が今回の再開発を機に 旧上瀬谷通信施設地区内にある肥えた黒土を園芸用に売り 廃材の混じった残土で 田圃や畑を埋めている事実を認識してください
赤土が客土された場所は植生自体が変わってしまい もう一度農地にする為には大規模な土壌改良が必要である と聞きました
農地=「ただの器としての土地」ではないという認識が開発する側に無いのは致命的です
再開発の後は 「農業のポテンシャル」は大幅に下がってしまうでしょう

【自然】同じように 旧上瀬谷通信施設地区内に
幅広い舗装道路を造ることで 確実に「自然のポテンシャル」も下がる事を認識してください
一例として 「豊かな水」(デザインノート本編参照)とありますが 川の流れを変えて3面コンクリート化し 土地を舗装してしまえば 湧水の量も質も変わるでしょう
これは 旧上瀬谷通信施設地区内だけの問題でなく 下流の防災井戸や ひいては横浜港 相模湾に流れ込む河川の水量や水質にも関連してくるはずです



旧上瀬谷通信施設地区のデザインの考え方

この「デザイン」がまちづくりにどう反映されると(横浜市が)考え どう期待しているか

《わたしの意見》
前項で述べたように 今回の再開発自体が
どうしようもなく旧上瀬谷通信施設地区の
ポテンシャルを下げるものである事を
まず認識するべきです
「継承する価値」として挙げられた
「自然」「農業」「立地」の各々のポテンシャルは
旧上瀬谷通信施設地区を
「242haの大きなただの器」としてしか考えない
今のままの計画で再開発してしまえば
確実に変質 もしくは消滅するでしょう


4つのデザインテーマ
1.グリーンインフラと脱炭素

わざわざ今あるグリーンインフラを壊して
新たに脱炭素社会のモデルを造る意味って?

《わたしの意見》
「公園地区を中心に まとまりのある樹林や 谷戸地形 水系 生息する生物といった環境要素をできる限り活用し」 とありますが (デザインノート本編参照)土地区画整理事業の説明会では 「地区内の地形は全面改変する」との事でした
2027年国際園芸博覧会協会が発表した
園芸博覧会基本計画を見ると 博覧会予定地には いくらか現在の谷戸地形の名残があるようですが
相沢川はまるでパッチワークのように
水面が見える部分と水辺の植物が人工的に
植えられた部分に作り替えられています
また 道路計画素案の説明会では「(改変するかどうか)まだ分からない」との解答しかありませんでしたが 地区内に道路を新設するためには
新たに盛土切土をする必要もあるでしょう
公園内移動に電気自動車等を使用するとすれば どう考えても起伏は少ない方がよいでしょうし
広大な駐車場用地も平坦にして舗装の必要があるはずです
土地の改変工事や道路の新設工事も脱炭素工法で行われるのでしょうか?
そうは思えません

この再開発は
「グリーンインフラを形成するために
今あるグリーンインフラを破壊し
脱炭素社会を目指すために
カーボンエネルギーをフル活用して行われる」
矛盾に満ちた物です
更に 全開発の完成後は年間1500万人を地区に呼び込むとの事
これが「脱炭素モデル」と言えるでしょうか?
そう言い切るのだとしたら ガソリン車は一切立ち入り禁止くらいはするべきではありませんか?

「幸せを創る明日の風景」と名付けられた2027年国際園芸博覧会会場の基本計画 相沢川は上流が暗渠化され会場内はツギハギの流れに変えられている 旧上瀬谷通信施設地区内には「グリーンインフラを潰して」26mの舗装道路が造られる


2.居心地がよく歩きたくなる環境と 様々な交通のネットワーク

「居心地がよく歩きたくなる」って言うけれど
瀬谷駅から旧上瀬谷通信施設までは約3.6km
よほど元気な人でないとかなりシンドいのだ


《わたしの意見》
予定されていた新交通システムが不可能になったので 歩行者・自転車ネットワークという案を出して来たのでしょうか?
確かに旧上瀬谷通信施設地区周辺は 横浜市内にしては比較的起伏が少なく自転車で行き来しやすい土地です
然しながら周辺道路は車の往来が激しく
特に拡幅予定とはいえ 海軍道路は
北側の卸売センターへの大型トラックや
八王子街道に抜けるトレーラーなどが通ります 自転車走行の安全は確保できるのでしょうか?

他の移動手段として自動運転車両や電動車椅子なども挙がっていますが
何れも地区周辺の道路だけが拡幅・新設される予定の現在の道路計画を考えると安全には強い疑問が残ります

また 駅から旧上瀬谷通信施設までの約3.6kmを
お年寄りや小さな子どものいる家族連れが歩くのは 想像以上に大変ですが 計画者は実際に歩いて御覧になったのでしょうか?
拡幅予定の海軍道路には 今現在は桜並木があり
夏場は日陰をつくってくれています
けれども計画によると 令和5年春にも
全伐採・撤去が始まるそうです
新しい苗を植えて桜並木を「再生」したとしても 当分の間は 日陰を作れる程葉が繁る事は無いでしょう
何度も歩いた者として言わせてもらえれば
初夏から真夏・秋にかけて 桜並木のつくる日陰の無い道を 瀬谷駅から旧上瀬谷通信施設ゲートまで歩くのは自殺行為
熱中症必至です

この計画は
「市が予定している新たな交通」=採算の見込みが無い交通  と併せて机上の空論としか言いようがありません
当初目論んでいた「上瀬谷LINE」が頓挫して 血相を変えて怒っていた市議さんがおられましたが
第三セクターが採算の取れる見込みの無い計画に参入しないのは むしろ誠実な姿勢です

移動手段イメージには「自動運転車両も
とても小さいサイズみたいだけどもしも実用化されたら
どのくらいの頻度で行き来するのだろう?


3.公民連携による境界のデザイン

道路空間と一体となった景観及び歩行者空間を形成
と題された図

《わたしの意見》
「道路空間と一体となった景観及び歩行者空間を形成 」
これが 海軍道路桜並木にあたると思われます

海軍道路の桜並木については
市民や周辺自治体の住民のみならず
日本中のソメイヨシノ 桜並木を愛する人々の伐採しないで欲しいという願いを込めた35000筆を超える署名を 「上瀬谷の未来を考えよう会が」山中竹春市長に提出しました
このニュースは日本国内のTVニュース・新聞 ・ニュースサイトで報じられた他
BS TBS「噂の東京マガジン 」やシンガポールの「The Strait Taimes」にも取り上げられました
然しながら 横浜市は頑なに「全撤去(移植できる株は移植)して新しくする」という姿勢を崩していません
デザインノート本編の資料を見ると
歩道から民有地にある商業施設に直接出入りする事を想定しており 「現在の桜並木を活かして 仙台定禅寺通りのような 両側に車道 真ん中に歩道」をという提案も 「候補として話題にさえ上っていない」(道路素案説明会)のはそのせいなんだな と腑に落ちました

@sk2zさんのツイートより 現在の車道と桜並木の外側に新たに車道を通す案 これなら計画と同じ31m幅で
海軍道路の拡幅ができるのだが…


旧上瀬谷通信施設地区は AIPHが提唱する
「緑地を都市に融合させ 自然と人工環境を統合する事により よりよい生活と経済活動を可能とする都市像(グリーンシティ)」を目指すそうですが
新しい都市を造るために 今ある桜並木を全撤去し 新しい桜を植えるのはこのグリーンシティの精神に果たしてマッチする行為でしょうか?

今現在海軍道路の桜並木は 「健全なもの」「弱ってきているもの」「伐採 が必要なもの」「切り株」
「切り株から生えたひこばえ」の状態です
「古くなったから全とっかえすればいい」ではなく
撤去した場所に順番に新しい苗を植えることで
「木の一生」それぞれの状態を愛でる事が出来る
「新しい形の桜並木」にすれば「まちへの誇りや愛着の醸成」になるのではないでしょうか?
それこそが「グリーンシティ」だと思います

また再三言っている事ですが
大きく育ったソメイヨシノの移植は容易な事ではないそうです
そして ソメイヨシノ以外の桜を植えたとしても
桜は枝落ちする性質がありますし
秋になれば葉も落ちます
世話の要らない街路樹など無いのです

花盛りの海軍道路 この桜並木は全撤去されてしまう

4.災害対応力の強化(市域・周辺地域)

大規模災害時に立地のポテンシャルを活かして
広域防災拠点機能を発揮する…と言うが

《わたしの意見》
旧上瀬谷通信施設地区環境影響審査会でも指摘されていましたが
旧上瀬谷通信施設の公園地区のように
自然保護の目的がある公園と 広域防災拠点は
並び立つものではありません
重機が集結する必要がある広域防災拠点に足回りの悪い草地は向かないし 希少な動植物を踏んで絶滅させてしまう恐れがある という指摘を受けての改善措置は無かったのでしょうか?

また 公園防災地区より幹線道路にアクセスが良いのは(当然ですが)北側の物流地区です
広域防災拠点は物流地区に造るべきです

5.エリアマネジメント

他の項目も曖昧だが 殊にエリアマネジメントについては
ほぼ意味がわからない 新しく各地区に参入して来た業者が
相互に また既に活動していた団体と協力するべき
という事か?

《わたしの意見》
この項は あまりにも曖昧なイメージしか
書かれておらず 意見をする事は不可能です
観光・賑わい地区 農業振興地区 物流地区 公園防災地区 それぞれの事業を独立して行うだけでなく 全体としてのエリアマネジメントを行うことが重要だ というのは尤もです
然しながら リーダーシップを取ってそれぞれの地区の事業デザインをまとめられる人材が横浜市の中枢に存在するでしょうか?

少なくとも 山中竹春現市長でない事だけは確かです

旧上瀬谷通信施設地区の再開発をトータルに見渡し
調和を保ちながらまとめていく力が
山中竹春市長にはあるのか?




各地区に求めるデザインのイメージ
1.観光 ・賑わい地区

「グリーンインフラ」「脱炭素」と言ってきたのに
テーマパークが現れる不思議

《わたしの意見》
上瀬谷問題の目玉です
まず 「立地」「農業」「自然」がこの地区のポテンシャルであり継承する価値であると言っているにも関わらず 何故「観光・賑わい地区」で「テーマパーク」なのか?
横浜市はこの自己矛盾を自覚するべきです
自然豊かなこの土地に 地権者が希望したからといって何故 テーマパークをつくらなければならないのですか?

また 東京都練馬区のとしまえん跡地に
2023年春オープンする
「ワーナー ブラザーズ スタジオツアー東京 メイキング オブ ハリーポッター」 が 大阪のUSJの入場者数増に大きく貢献した 人気コンテンツにも関わらず 年間入場者数の「目標」は約200万人超
上瀬谷の交通手段も定かでなくテーマも決まっていないテーマパークに 何故年間1500万人が訪れると言い切れるのでしょう?
横浜市の正気を疑います

コロナによる行動制限が緩和されるかもしれないからと言って 日本人の生活様式がコロナ前に戻るとは限りません
むしろ TDLやUSJのように
「みんなが行く所に押しかけて行列をつくる事を楽しむ」より
愛・地球博公園のジブリパークのように
「みんなが行きたいけれど 入場制限のある所に
手間をかけて行って ゆとりのある環境とコンテンツの魅力を楽しむ」事の方がこれからは選ばれるのではないでしょうか?

旧上瀬谷通信施設にどうしてもレジャー施設を造るのならば 時間や人数制限をして自然観察や 農作業の体験ができる 上瀬谷グリーンツーリズムやエコツアーにするべきでしょう

1日5000人程度 との入場人数制限を設けたジブリパーク


2.農業振興地区

横浜市の都市農業を 小中学校の給食と結びつけ
互いに豊かなものにはできないのか?

《わたしの意見》
長年米軍に接収されていたため出来なかった
農業のためのインフラ整備については賛成です
ただし 環境影響評価委員会で指摘された「いつでも宅地に転用できるような擁壁」を造る事には疑問があります
擁壁で囲まれた無機質な農地でなく 昔ながらののどかな畑の風景を作る事こそ「農業価値の継承」になると考えます

「いつでも宅地に転用できる」と指摘された
「疑惑の擁壁」


また 同じく指摘された 「大門川の暗渠化」にも反対です
環境影響評価委員会での市の解答は
「水質汚染が進んでいるから暗渠化する」という事でしたが だからこそ水質浄化を試み 自然工法による川のよみがえりを目指すべきでしょう

また 横浜市の長年の課題である中学校給食に
地産地消の野菜を供給できるような仕組みを是非
作って欲しいです
瀬谷ウドや 地元の若者が生産に取り組んでいる瀬谷ハチミツ 旭区西谷で作られている 西谷ネギや大根のような伝統野菜の栽培を身近で見られて収穫を体験し それを市内の学校給食として提供できれば 最高の食育になるでしょう

3.物流地区

東名高速道路や 保土ヶ谷バイパスとの近接性を活かすべきなのはむしろ「広域防災拠点」では?

《わたしの意見》
2022年12月に行われた 道路素案の説明会では
物流地区について 参入企業が決まっていないため 具体案はまだ明らかにできない との事でした
観光・賑わい地区のテーマパークの件もそうですが 参入する企業や 施設のコンセプトが決まらないうちに 地区や道路の計画を発表するのはあまりにも乱暴でいい加減です

物流地区については 災害対応力強化の項でも述べましたが 八王子街道や 保土ヶ谷バイパス上川井インター と一番アクセスが良い点
また 荷物を積み下ろしする舗装スペースが広く必要になるであろう点を活かして 災害用重機が出入りする広域防災拠点はこちらに造るべきだと思います

4.公園・防災地区

公園・防災地区の「防災」で 広域防災拠点と地域の避難場所の概念がごちゃ混ぜになっているのが大問題
そして 何故か「公園」と「防災」は切り離され
「(仮称)旧上瀬谷施設公園計画(案)」という「別の事業」になっている

《わたしの意見》
今までに述べて来たように
本当に豊かな自然を「継承する価値のあるもの」と認めているのであれば
公園・防災地区については「どう開発するか」ではなく「いかに開発しないか」を主眼に考えるべきでしょう
川の流れを変え パッチワークにして
谷戸田を赤土で埋め 芝生を敷いて海外由来の植物を植えてしまったら 旧上瀬谷通信施設地区の生態系は完全に崩れてしまいます
オオアカバナやタコノアシなどの固有種植物
最近横浜市内で確認率が減ってしまったというアマガエル 玉巣が見つかったカヤネズミ などの小動物は絶滅し 小動物を餌にしている市民の森の猛禽類(オオタカやノスリ)も棲めなくなります
水辺が減ればカルガモなどの渡り鳥も立ち寄れなくなるでしょう
瀬谷区のシンボルであるコノハズクのせやまるも
瀬谷区から姿を消してしまいます
旧上瀬谷通信施設地区の生態系が壊れれば
横浜市・神奈川県のありとあらゆる生態系にも影響が出るでしょう

2027年に国際園芸博覧会を開くとしても この地区の開発は最小限に留めて 「今ある自然」を残すべきです

また 非常に気になるのは 公園「防災」地区 という地区名であるが為に 広域防災拠点と地域の避難場所の概念がごっちゃになっている点です
自衛隊が指揮して重機が出入りする広域防災拠点と地域の避難場所は もちろん並び立つはずがありません
国際園芸博覧会協会の説明会でも質問されていましたが もしも土地区画整理事業の工事中  国際園芸博覧会の会期中に災害が起こったら
またその後 自衛隊等による広域防災拠点が設置されたら 地域の避難場所はどうなるのでしょうか? 明確な回答はありませんでした


まとめ

「首都圏最後の貴重な空白」をぎゅうぎゅう詰めの
「ただの郊外」に変えてよいのか?


《わたしの意見》
242ha 東京ドーム52個分の広大な土地とはいえ
今回の開発は あまりにも あれもこれもと欲張りすぎです
全くコンセプトの違う地区をパズルの様に組み合わせても 上手く噛み合うはずが無いのです
どうぞ各地区をバラバラに開発するのでなく
全体を見渡す責任者を置いてください
農業インフラなどの必要な施設や道路は整備する
後は「どれだけ開発せず残せるか」を考えてください

「首都圏最後の空白」はただ「空っぽ」なのではありません 価値ある空白を 現代人の貧乏性で
埋め尽くすのは止めてください

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