見出し画像

環境影響評価方法書説明会の問題点

① 事業の全体像が徹底的に見えにくい

旧上瀬谷通信施設は まず「横浜市 都市整備局上瀬谷整備推進部上瀬谷整備推進課」による
「土地区画整理事業」で 「地ならし」つまり造成工事と基盤整備を行って

①土地区画整理事業
②公園整備事業

次に南側の「公園・防災ゾーン」が「横浜市 環境創造局 公園緑地整備課 上瀬谷担当」により
園路・広場・植栽等の整備が行われ

③国際園芸博覧会事業

公園・防災ゾーンを含む「博覧会ゾーン」が
「2027年 国際園芸博覧会協会」により 博覧会用地として整備されます

つまり
横浜市→横浜市→2027年国際園芸博覧会協会
に移って行くのです

まず これがわかりにくい…
横浜市のホームページに

横浜市HPより

と あるのですが 説明会に参加した市民は
そんな事知ってる人はほとんどいない
それなのにまず その事を説明しないわけです

 2027 国際園芸博覧会協会 役員

更にこの 国際園芸博覧会協会の役員24名には 
経団連の十倉雅和会長の他 神奈川県の黒岩祐治知事 横浜市の山中竹春市長 横浜商工会議所の上野孝会頭が名を連ねており 
更に約70名の事務方には 神奈川県・横浜市からの出向組もいる組織であるにも関わらず
「一般社団法人」である事を強調
横浜市から事業を引き継ぎ 国際園芸博覧会終了後は
博覧会ゾーンは横浜市の公園になる という横浜市とは切っても切れない関係性であると同時に
「国際園芸博覧会」はあくまでも独立した事業であるとする二面性を充分に説明しないまま
説明会が始まるのです…これでは聞いてる方は戸惑わないはずがありません

② そもそも「環境影響評価」ってなに?
「方法書」って何のこと?

環境影響評価=環境アセスメント
でも環境アセスメントって?

説明会では環境影響評価=環境アセスメントである事とその仕組み

環境影響評価で作られる四つの図書の説明

環境影響評価の手順に沿って作られる四つの図書と
今回は2つ目の方法書の説明会である事

今後の環境影響評価の流れ

今後の手順等が
立て板に水の勢いで「読み上げられました」

・制度、用語の噛み砕いた説明無し
・ポインターや動画を使った説明や画面をシンクロさせた説明無し

動画をご覧になった方はお分かりになると思いますがこれを一度聞いたで「環境影響評価が何で 旧上瀬谷通信施設で何が行われるか」を理解できる人は少ないでしょう

③ 各評価項目について

評価項目についてはこちらのファイルの
3 調査・予測及び評価について 
で確認してください

① で「横浜市と国際園芸博覧会協会は別組織である」と嫌という程強調したにも関わらず
環境影響評価方法書の評価項目は 「地ならし」の
土地区画整理事業で使われた物がそのまま使われます

四日間の質疑応答で何度も繰り返して指摘されましたが 新交通システムの計画頓挫のため
大駐車場の整備された事をはじめ 土地区画整理事業で環境影響評価を行った時と国際園芸博覧会を行うこれからでは明らかに事情が変わっています

新たに計画されているバスターミナルと
2ヶ所の駐車場

上瀬谷lineの頓挫で新たに計画されたバスターミナルと大駐車場

旧上瀬谷通信施設内には 環状4号線(海軍道路)の他に
新たに南北に1本、東西に三本の区域内道路が
土地区画整理事業により整備される予定ですが
海軍道路の南側から来る自家用車が 
より広い駐車場のある会場西側を目指して相沢地区を斜めにショートカットする可能性 
また 南北の区域内道路を通って保土ヶ谷バイパスに抜けようとする車が 渋滞する八王子街道との合流を避け 養護学校のある東野地区から野境道路に迂回する可能性は考慮されていません
にも関わらず説明会で国際園芸博覧会協会は
「住宅街に入場者の車が流入する事の無いよう 事前にルートを提示したり 誘導員を立てたりする」と答えました
『ドライブ必須!抜け道ガイド』のような抜け道アプリがたくさんあるのをご存知無いのでしょうか?

瀬谷地内線として4本の道路が整備されるが
交通混雑、歩行者の安全について調査されるのは大きな交差点のみ


 更に半径10km圏内にパークアンドライドを設置するとの計画がありますが
このパークアンドライドの周辺から上瀬谷までの交通混雑や環境の変化については全く調査されません
半径10km圏内といえば 横浜市だけでなく 大和市
町田市 相模原市など周辺の自治体になる可能性もあります
例えば中屋敷の交差点5や竹村町に抜ける交差点11の先は県道瀬谷柏尾線 更にその先は大和市への抜け道に繋がるはずですが調査の予定はありません

説明会ではパークアンドライドの場所はまだ選定中であり 決定してから相手の自治体と調整するとの事でしたが 杜撰な調査で場所を決定するのは
相手方に不誠実であるばかりでなく 
予想外の事故や渋滞を招く事になるでしょう

また 同時に何度も指摘されたのが土壌汚染の問題です

旧上瀬谷通信施設の土壌汚染調査は
上瀬谷の未来を考えよう会提出の陳情書や質問書でも指摘されている通りとても充分とは言えません

例えば 沖縄の米軍基地周辺の水質や土壌汚染で問題となっている 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)は2021年に水質管理目標設定されたばかりですが
旧上瀬谷通信施設地内で検出されたフッ素は どのような形態で存在しているかさえ確認されていませんし そもそも 防衛省の調査では旧上瀬谷通信施設全体の調査結果は明らかにされていないため 他の部分の
土地が安全かどうかは分からないのです

有機フッ素化合物の水質管理目標設定は2121.3


また 上瀬谷の未来を考えよう会の質問書や
6/5 瀬谷区民文化センターで@__Menberさんが指摘されたように 旧日本軍が旧上瀬谷通信施設地内で保管されていた毒ガスが適切に処分されたという確認はとれていません

@__Menberさんの資料

にも関わらず 国際園芸博覧会協会は
「毒ガス弾については承知していない」
「土地の大きな改変は行わない(土地区画整理事業で終了しているため)」が
工事中に何かが見つかった場合は
「法令に従って対処する」と答えています

④ 有料入場者数1000万人は可能!と言うけれど…

そして四日間を通じて最も多く問いかけられたのが
「有料入場者数1000万人は無謀では?」でした
これに対し国際園芸博覧会協会は
「首都圏の後背人口は4000万人を超える
有料入場者数1000万人の実現は可能」とこれも繰り返し答えました

しかし この答えを繰り返す事で
国際園芸博覧会協会は
「主要な交通手段や充分な駐車場スペース、周辺の交通安全や渋滞対策を確保できないまま 有料入場者数1000万人を目指す」という大いなる自己矛盾に陥ってしまったのです
進むも地獄・戻るも地獄 ブレーキの壊れた列車に乗ってしまった と言えるでしょう

オランダ最大の日刊紙「De Telegraaf」に6/24
こんなショッキングな記事が掲載されました

オランダ アルメーレでのフロリアード不振を伝えるDe Telegraaf
(6/24)

コロナやロシアのウクライナ侵攻などの問題はあるとは言え後背人口はほぼヨーロッパ全域と言える
「園芸大国オランダ」で10年に1度の「花のオリンピック=フロリアード」が破産状態にあるのです

地の利が悪い横浜の上瀬谷に 2027年 1000万人の有料入場者を集めることが本当に出来るでしょうか?
「首都圏最後の貴重な空白」旧上瀬谷通信施設を 杜撰な計画で「ただの廃墟」にしてしまって良いのでしょうか?
今ならまだ修正できるはずです
本当に護るべきものは?本当のSDGsは?
お仕着せの国際園芸博覧会でなく 市民が参加して
旧上瀬谷通信施設の自然を護りながら 地域の発展も目指す、そんな方法を探るべきです

ここまでお読みいただき ありがとうございました

明日の消印有効の意見書作成の参考にしていただければ幸いです
(ネットで提出する場合は上のURLからお願いいたします)
(ㅅ´ ˘ `)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?