わたしだって 上瀬谷を追うよ!(山中市長がGREENxEXPOの跡地につくる「広域防災拠点」って?①)
「広報よこはま」2024年9月号の1面コラム「市長だより」で山中市長は「GREENEXPO 2027が開催される上瀬谷地区では 開催後の会場跡地に 本市で初めての広域防災拠点を整備します」「大規模地震などが起きた場合に 全国から集まる広域支援部隊(消防 警察 自衛隊等)の活動や市内各避難所に救援物資をいち早く送り届けるための活動を支える拠点となります」と述べています
これに対し X(旧Twitter)上では
「2021年の市長選挙時に上瀬谷にレスキュー拠点を建設すると言っていたのは 田中康夫候補」「山中候補は 『地震・風水害等の災害対策強化』を重点施策として推進します」としているのみ 今になって「広域防災拠点整備」を出して来るのは
田中氏の「12の取り組み」のパクリ という意見と
上瀬谷を防災拠点にする案は 2020年3月 横浜市が発表した「旧上瀬谷通信施設土地利用計画」に既に記されているのでパクりではない
山中市長はそれを進めただけ
イチャモンつけるな!
という二つの意見が 微対立していました(微苦笑)
そこで今回の「わたしだって 上瀬谷を追うよ!」は
旧上瀬谷通信施設の土地利用計画の推移について説明しながら 二つの意見について考えていきます
旧上瀬谷通信施設を「防災のために使う」計画はいつからあったのか?
2005(平成17)年10月 日米合同委員会において 横浜市内の米軍施設6ヶ所(上瀬谷・深谷・富岡倉庫・根岸住宅・旧小柴貯油施設)の返還が合意され
2006年(平成18)年6月に 当時の市長 中田宏氏が 『米軍施設返還跡地利用指針ー「横浜から始める首都圏の環境再生」ー』を発表しました
この中で 旧上瀬谷通信施設は「農・緑・防災の大規模な野外活動施設」とのテーマが設定されていました
跡地利用の概念図には はっきりと「広域の防災活動拠点」という見出しが見て取れます
つまり 今から18年前(2006)には 旧上瀬谷通信施設は防災のために使われる基本計画が既にあったのです
補足にはなりますが 上の図内には しっかり「(海軍道路の)桜並木の保全」と「(相沢川・大門川の)水辺環境の保全」が記されていることに注目してください
「跡地の防災利用の方針」は決まっていた
それでは2021年市長選挙の
「旧上瀬谷通信施設をレスキュー拠点に」という田中康夫候補の案が焼き直しなのか?
もう一度 旧上瀬谷通信施設の跡地利用概念図を見てください
「広域の防災利用拠点」の次に「広域機能の立地」という見出しがあります
「広域からの利用」というオレンジ色の矢印は
瀬谷区内の住宅地
・境川を超えた大和市内
・工業系市街地の相模原 町田市方面
・旭区の若葉台団地方面に伸びています
大きい「広域交通の利用」という赤い矢印は
東名(横浜)町田IC・保土ヶ谷バイパス上川井ICを指しています
それを補う黒い矢印(幹線道路整備と連結道路整備)を見ても分かるように
この地区の交通の流れは 「北側に向かっている」
つまり242ヘクタール 東京ドーム52個分の広大な 旧上瀬谷通信施設の「広域交通面のポテンシャル」は北側にあるのです
ところが 2020年3月発表の「旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画」では
「広域的な機能の要」であるはずの旧上瀬谷通信施設の北側には「物流ゾーン」と
「観光・賑わいゾーン」が置かれ 「消防・警察・自衛隊などの受け入れ拠点」になるはずの機能は(灰色の点線の地内道路が整備されるとは言え)一番奥まった不便な場所に追いやられています
⬆️の図にピンク色で示されている
「観光・賑わいゾーン」は
三菱地所が事業予定者に決定したものの
「未だテーマの決まらない」2031年開業予定の
「KAMISEYA PARK(仮称)」です
2006(平成18)年に市民の希望も入れて定められていたはずの
「農・緑・防災の大規模な野外活動空間」案は いつの間にか
「ディズニーリゾートクラスのテーマパーク(テーマ未定 年間1200万人入場予定)」と
「未来の物流施設(詳細不明)」にとって変わられてしまいました
そして ⬆️の図が
「広報よこはま」9月号で山中竹春市長が示した
最新の「本市初の広域防災拠点」と新たなICの場所の計画です
オレンジ色の点線「地内道路」があるとはいえ
この立地…
新たなICは何のためにあるのか 一目瞭然でしょう
横浜市はかつて 上瀬谷地区「自然」「農業」「立地」の3つのポテンシャルを高め価値を最大化「持続可能な都市モデル」を創出する としていましたが
まず土地利用計画の段階で「立地(交通)」面でのポテンシャルを自らぶち壊してしまいました…
今回は 旧上瀬谷通信施設の利用指針が計画当初と大幅にずれ
「広域防災拠点」の場所が とんでもなく不便なゾーンになっている点について述べました
次回は 横浜市の定義する「広域防災拠点」が何なのか?
「避難所」と「広域防災拠点」の違いは何か?など もう少し細かく説明したいと思います
最後に 2021年横浜市長選挙 の田中康夫候補の街頭での発言を置いておきます
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