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散文詩

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徒然散文詩を集めます。
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#夜

夜の帳

空気が重い
そろそろ嵐がやってくる

夜の帳

穏やかな眠りを
妨げる暑さは季節を感じる

夜の帳
眠りの加護はいつもある

明星
眠りを覚ます
光たれ

臥待月
6年前
1

星は永い一瞬を生きている
人間は短い一生を生きている

全く違う
でも同じ時間のなか

今日も刹那の瞬きを
私たちは見つめて生きている

臥待月
6年前
1

月明かり
陰も陽も
惑う世界

なにもかも
微睡む
夜のゆりかご
ゆらゆら揺れて
静かな眠りにつく

臥待月
6年前
2

行き交う列車
窓が合う
知らぬ人の
横顔に
哀愁を感じる

臥待月
6年前

虫の音が聞こえる
熱帯夜
ふと蚊帳から
夜空を見上げた

大きな雲が月を呑み込んだ

虫たちが静寂になり
空気がひやりと熱を奪う

空は夜の色を失い
禍々しい色になる

あぁ、一夜の終焉だ

臥待月
6年前
1