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散文詩

175
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2018年6月の記事一覧

自分の料理が嫌いだと
笑った君は
きっと
自分が嫌いなのだろう

おいしいよ
伝える言葉は
すきだよ
と伝わっているだろうか

臥待月
6年前
1

酒を飲む
蟲毒を呑む

体内にいれるのは
清濁合わせて呑み込むもの

清は内にためて
濁は落とし浄める

酒は神酒になりうるもの
清にも濁にもなりうるもの

臥待月
6年前

大きな月が目の前に鎮座する

一目みて
眼を奪われ
見つめて
大きな月に呑まれるかと思う

大きな月が静かに笑う
眼を奪われて
心が月で満たされる

美しく妖しく
優しい月

臥待月
6年前

とろけて蕩けて
溜飲が下がる
それは一時の幻で
いつも近くにあるものだ

臥待月
6年前

喉に詰まった
言葉が
渦巻いて
ドロリと溶け合い
蛇になる

臥待月
6年前
1

言い知れぬ
不安感
言い知れぬ
恐怖感
言い知れぬ
孤独感

自分の心に
水を与えて
自分の心に
栄養を与えて
身体も心も
休息をしてみませんか

臥待月
6年前

行き交う列車 窓が合う 知らぬ人の 横顔に 哀愁を感じる

埃っぽい
空気が白んで
喉を、肺を、目を、
壊しに来る

言葉の応酬
細かな摩擦で
埃が舞散る

臥待月
6年前

重い空気に押し潰される
静かな耳鳴りは
自分だけ

重い感情に押し潰される
他人からも自分からも
感情で圧死する

重いものは姿をかえ
誰かを襲う

静かな化け物

臥待月
6年前
1

虫の音が聞こえる
熱帯夜
ふと蚊帳から
夜空を見上げた

大きな雲が月を呑み込んだ

虫たちが静寂になり
空気がひやりと熱を奪う

空は夜の色を失い
禍々しい色になる

あぁ、一夜の終焉だ

臥待月
6年前
1

日差しに照らされて
キラキラと色の変わる
美しい翅

あなたの元へと向かう翅

臥待月
6年前

夢をみる
 温かな夢
怖い夢
  心軋む夢
   かわいい夢

夢をみる
 世界は龍の夢だという
  地を揺らす
   龍の目覚め
今暫くと
  祈る心
静かな夢のなかにある

臥待月
6年前
3

願いを込めて
 一粒の石を
  あなたに渡す

黄緑色の美しい石
 太陽の石

あなたを護ってください
 静かな願いを込めました

臥待月
6年前
1

人の言葉に 動きを捕られ 人の言葉に 思考を停止する 自分の意思を 持ちたいと 自分の意思で 動きたいと 叫ぶ君は まだ逃げている