#いけぽぐ13th なんとか頑張って思い出しながらあの時リスティングしていた馬を紹介したいエントリー Pt.1

このエントリーではいけぽんさん主催の「いけぽぐ 13th」に於いて''リスティング50頭の内、抽選・ウェーバー等によって惜しくも選出とならなかった馬達''をリストに入れた理由をどうにかして思い出しながら解説しつつ、小分けして何回かに渡って紹介出来たらというものになります。
いけぽぐのルールについては下記リンクからご確認ください。

また、本指名8頭及び推し新種牡馬枠については過去のエントリーからどうぞ。

昨年度のいけぽぐ12thでは「勝手に勝ち上がり馬血統レビュー」なるものをやっていたものの、夏コミ原稿やら仕事やらで手一杯になってしまい更新が困難になった結果頓挫に。
代わりにと言っては何ですが、いけぽぐ13thを盛り上げていく企画の1つとしてこんな形でお届けしていけたらなと思います。
とにかくSDGsを大切にしていきたい所存。これなら更新が止まっても再開がしやすいはず( )


1.ホームカミングクイーンの2022(デアマトローナ)

リスト3番手
父:キズナ 母父:Holy Roman Emperor
4/4生 安平町 ノーザンファーム生産
美浦 国枝栄厩舎 馬主:サンデーレーシング
6/22 メイクデビュー東京 東京芝1400m(稍重) 2位同着

母ホームカミングクイーンは2012年英1000ギニー勝ち馬で兄弟姉妹にはGalileo産駒Shaleや本年のファルコンSを制したダノンマッキンリーがいる。
また、母母LargrionからはDylan Thomasを筆頭にQueen's LogicやSerpentine等と言ったGⅠ・ステークスホルダーを多数輩出している。

全体的にNorthern Dancerで固めることで馬力型に寄せ、そこにSharpen Upを混ぜ込むことで底力がありつつ瞬発力をもたらそうという配合系。
馬力型に寄せているのも牝馬という観点ではかなりマイル指向に映り好感度が持てる。
また、ただパワーに振っただけではなくデインヒル-Danzigを通じてFair Trialを増強し、Secretariatをクロスすることで器用かつ剛柔のバランスを取ろうとしているのも尚狙った配合であることを感じさせる。

ただ気持ちNorthern Dancer優位なのかデビューは芝1400m、悪い競馬をした訳ではない(というか勝ち馬サトノカルナバルが現状の力をしっかりと出し過ぎ)が最後にニシノコイブミに詰め寄られて同着という結果に。
牝馬特有の柔らかさで芝で走れているのかもしれないが、本質的にはダートか半兄ダノンマッキンリー同様短い所向きなのかもしれない。

余談だが懇意にさせて頂いているNackyさんがこの馬を1位指名。
ダチョウ俱楽部的に本POGに誘った所順番を変えてくるのではないかというのと自分が1・2番手を最初から決めてかかっていたのでこの順位でスイープ出来ないかと画策したものの、無事1番手指名でドナドナ。1周回って一安心した模様。

これが発端のポスヨ。改めてコイツクソ野郎だな(他人事)
そんなNackyさんのPOGに関するエントリーはこちらからどうぞ。

2.ライジングクロスの2022(クロワデュノール)

リスト4番手
父:キタサンブラック 母父:Cape Cross
3/21生 安平町 ノーザンファーム生産
栗東 斉藤崇史厩舎 馬主:サンデーレーシング
6/9 メイクデビュー東京 東京芝1800m(良) 1着

母ライジングクロスは重賞1勝、2006年英・愛オークス2着を誇るCape Cross産駒。
半姉アースライズは2015年フラワーC2着の他古馬になってからも愛知杯やマーメイドS3着等息長く活躍を続けた。

父キタサンブラックのストロングポイントであるLyphardクロスを活かすべくCape Cross-Green Desert-Danzigを注入これによってFair Trialを増幅。
また、Bustedをクロスすることでスタミナ源を刺激しつつより一層Fair Trial的要素を昇華した配合系となっている。
それでいながら母ライジングクロスはNothern DancerをDanzig経由で1本持つ形で所謂「血の緊張と緩和」を実現。
しかもそれに留まらずSir Ivorをクロスすることで最後に小脚的に瞬発力を効かせられる様にしつつAhonooraで基礎スピードを高めようとしておりとにかく血統的な総合点が高い。

Bustedをクロスするということは奥底に眠るWild Riskを叩き起こす様なものでもあり、育て方次第では気性的にコントロールが難しい馬になりかねない反面Fair Trialの濃さからスタミナと機動力を武器にひたすらに自ら展開を作っては押し切り続けるという暴力的な競馬をし続ける凶器みたいな馬に成長してもと思わなくもない。正解はどっちだ。

流石にこんな良配合馬を誰もが放っておく訳も無く無事1巡目のドラフトで出荷。
因みに「JRA-VANのPOGに登録かけようかなー」と思ったものの気付いたら時計の針がテッペンを回った為おむしん選手、登録が出来ず。ちゃんとしよう。

3.ヤンキーローズの2022(マディソンガール)

リスト5番手
父:キズナ 母父:All American
2/4生 安平町 ノーザンファーム生産
栗東 中内田充厩舎 馬主:サンデーレーシング

母ヤンキーローズは短距離王国の1つオーストラリアで芝1400mのGⅠで2勝を挙げている。
1つ上の半姉リバティアイランドが牝馬の世代限定戦を完全制覇しジャパンカップでイクイノックスの2着となったのは昨年の出来事故に記憶に新しいと思う。

3代目にザールを有しており、初年度から大物こそ出ないながらもコンスタントに活躍馬を出してきた「キズナ×Gone West」配合、そこにSir Ivorでキズナ-ディープインパクトの瞬発力源を刺激しスピードに薪を焼べた格好と言える。
ことヤンキーローズに於いてはEl Gran Seniorを有する為、マルターズディオサやグランベルナデットに含まれるGrand Slamをより瞬発力・スピード増強型にしていると捉えられる。
またAll AmericanがRoberto父系でHail to Reasonをクロスする形でサンデーサイレンスの溜めて爆発する末脚を増幅させつつパワーを盛り込み、ウインドインハーヘア及びPacific Princess-Fijiのスタミナを高めている。
Damascusの4×5というのも魅力的でBuckpasserやDr.Fagerをちぎり捨てる様なスピードがもたらされれるのではという期待を持たせてくれる。

中々2年連続で母の仔から活躍馬が出るというのはそんなにある話では無いが、牝馬クラシック戦線に於いて重要なマイル適性が見込めるだけでなく距離が伸びても良い下地があるだけにリバティアイランドに負けず劣らずの活躍を期待したくなる所。

因みにこの文章、Landさん主催のランドPOGに関するエントリーをそのまま転用しました←
しょーがねーだろー、上の通りに思ってランドPOG獲れなかったのをそのまんんまひっぱってきただからよー。

4.チェッキーノの2022(アルレッキーノ)

リスト7番手
父:ブリックスアンドモルタル 母父:キングカメハメハ
2/8生 安平町 ノーザンファーム生産
美浦 国枝栄厩舎 馬主:サンデーレーシング
6/9 メイクデビュー東京 東京芝1800m(良) 2着

3代母ハッピートレイルズに遡る名牝系の出自で母チェッキーノは2016年オークス2着となっている。
また叔父・叔母及びその仔らもコディーノを筆頭に活躍馬は多く、チェッキーノは今非常に活気がありホットである繁殖牝馬と言えるだろう。

初仔のモーリス産駒ノッキングポイントが早期スタートを魅せ、POG期間中伸び悩む面がありながらも毎日杯2着からダービーへと駒を進めた他、ハービンジャー産駒チェルヴィニアも早期デビューから中間頓挫がありつつも今年のオークスを制し同世代牝馬の頂点に立った様に非常に早仕上がりなことで知られる一族。
そんな母チェッキーノに対して早熟性に富むStorm Birdを3×3で有するブリックスアンドモルタルを配したことでとにかく早期から活躍し、Prince John並びに母チェッキーノのポテンシャルで長く活躍させようというのを感じさせる所謂速攻系タイプ。

守備範囲としては2000m前後と思っていたが思いの外Kingmambo×Robertoが強いのか、ややマイル向きな気配がある。
もっともブリックスアンドモルタル自体Storm Catの父系にRahyを持つ為Red God≒Haloを持つとはいえBrushing GroomからのHyperionにイメンス-Robertoで劇的にキレる脚を使えるタイプではない為ワンペースで走らせた方が良い節があるのは確か。
あとはそのスイートスポットがどこまであるか、といったところだろう。

所謂即効系としてチョイスし、ホームランが出た後でマークが薄くなるんじゃないかと思ってここにねじ込んだが、そうは問屋が許してくれなかった。
流石に初年度からノッキングポイントを出したチェッキーノブランドである。

5.キトゥンズクイーンの2022(マンオブノーブル)

リスト8番手
父:キズナ 母父:Kitten's Joy
5/14生 新冠町 ノースヒルズ生産
厩舎不明 馬主:不明(ノースヒルズor個人名義)

母キトゥンズクイーンは米GⅠダイアナS3着があり、全兄CsabaはGⅢで3勝を挙げている。
本馬はJRAで4勝を挙げているディープインパクト産駒トゥデイイズザデイの3/4同血の弟にあたる。

母父Kitten's JoyはSadler's Wellsの父系ながらも北米で成功を収めた様にSir IvorとTom Foolを内包した日本指向な素軽いタイプであるEl Pradoの産駒。
そこにLear Fan経由でRobertoを内包するもBuckpasser経由でTom FoolをクロスすることでEl Pradoの良さをそのまま継続させている。
その一方で母母High Chantから軽いタイプながらもRobertoを有するKris S.にDanzig・Silver Deputyと掛け合わせることである種馬力型に振っている。
そこにディープインパクトからキズナに変わってStorm CatとDamascusが含まれる分よりパワー型の機動力タイプへと出ている印象を受ける。

府中の2400は能力1つでこなしてしまえるかもしれないが、向き不向きで言うと小回り向きの方が良いイメージである。
また、Sadler's WellsにRobertoクロスを持つとはいえ上記の通り軽めのスピードに優れる馬力型である点からハイペースになった時にどうかという懸念があるのは否めない。

6.ノームコアの2022(シルバーレイン)

リスト12番手
父:エピファネイア 母父:ハービンジャー
2/1生 安平町 ノーザンファーム生産
美浦 萩原清厩舎 馬主:池谷誠一氏
6/15 メイクデビュー東京 東京芝1600m(良) 3着

4代母ラスティックベルに遡る名牝系で母ノームコアは2019年ヴィクトリアMと2020年香港CのGⅠ2勝を挙げた名牝の1頭。
母の妹には春秋グランプリ制覇並びに宝塚記念連覇を含むGⅠ4勝を挙げたクロノジェネシスがいる他、フサイチエアデールもこの牝系の出自である。

長距離向き種牡馬でありながらもRoberto由来のパワーでなまじ早い段階から力任せに競馬を出来てしまうエピファネイア産駒。
そこにサンデーサイレンスをクロスさせると「緩く出るのに無理矢理動けてしまい、肝心な時にお釣りが無くなる」ということがしばしば見受けられるのだが、ミオスタチン遺伝子が推定TT型のハービンジャーを間に挟むことによって緩いなりにもNorthern Dancer由来のパワーで多少カバー出来そうな所に評価点を感じるところ。

クラブ所有のエピファネイア産駒の場合出資者への顔向けがある分無理強いした使い方をせざるを得ない部分が出てくるが、その点個人の所有ということもありチョイス。
ただ、オーナーさんが「ちょっとよく動く馬」と評してnetkeibaへ書き込んだのが新馬戦の様子から分からなくもない感覚がある。
恐らくTT型で晩成気味かと思われ、今はポテンシャルのみで走っている状態で良くなってくるのは早くて来春辺りになるのではないだろうか。

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