#いけぽぐ #いけぽぐ12th 勝ち上がり馬ザックリ血統レビュー Pt.1

本投稿はいけぽんさん主催による「いけぽぐ」の全参加者の新馬戦・未勝利戦を勝ち上がった馬の簡単な血統レビューとなります。
詳しいルールはこちらから

全参加者の指名馬及び現在順位はこちらから

今回は新馬戦がスタートした6月分の新馬・未勝利勝ち馬の血統レビューとなります。
原則血統のみを鑑みた今後の展望がベースとなりますが、新馬・未勝利戦のレース内容を多少含む場合があります。
また、時節柄勝ち上がり後続戦した馬に関しては当分の間に限りレース内容に触れる可能性があります。
よろしければどうぞお付き合いください。


1.シュトラウス(ブルーメンブラットの2021)

父:モーリス 母:ブルーメンブラット
美浦 武井 亮厩舎
安平町 ノーザンファーム生産(1/24生)
6/3 第3回東京競馬1日目 5R メイクデビュー東京 1着
指名者:キングヘイポー氏(1巡目)

Cozzineを輩出したWildwookの牝系で母ブルーメンブラットは2008年GⅠマイルCSの勝ち馬である。

サンデーサイレンスの4×3にSir Gaylordを配する他、アドマイヤベガ内のTom Foolが活きており、トニービンを含むモーリス産駒としては良い素軽さを感じさせる。
またNorthern Dancerを6・5・6×5・4と多く持ち、早い時期の非力さを補えているのも印象的。
6代目にWar Admiralもあり、モーリスの底力感や粘り強さ・持続力といったものを伸ばしつつ素軽さを兼ね揃えた1頭というイメージである。

基本的にはマイルから2000m程度が良さそうで前半溜められるだけ溜めて後半を爆速で駆け抜ける競馬でハマりそうな印象を受ける。(イメージとしては本年の札幌記念を制したプログノーシスが近い)
中山も悪くはないだろうが、府中や新潟・中京・阪神外回り・京都外回り等広くて長い直線のコースで走らせたいのが雑感。

2.テラメリタ(テラノヴァの2021)

父:ブリックスアンドモルタル 母:テラノヴァ
栗東 須貝 尚介厩舎
千歳市 社台ファーム生産(2/14生)
6/3 第3回阪神競馬1日目 5R メイクデビュー阪神 1着
8/20 第2回札幌競馬4日目 8R クローバー賞 OP 4着
指名者:B_Larava氏(2巡目)

1994年GⅠムーランドロンシャン賞を制したスキーパラダイスを3代母に持ち、その仔であるエアトゥーレは2001年GⅡ阪神牝馬Sを制覇し翌2002年にGⅠモーリス・ド・ゲスト賞に2着となっている。
エアトゥーレの仔も活躍馬揃いで2008年皐月賞馬キャプテントゥーレや2009年GⅡセントウルSをはじめ重賞2勝のアルティマトゥーレ、2016年GⅢ小倉記念を制したクランモンタナ、昨年の天皇賞・春で大騒ぎを起こすものの同年のGⅡステイヤーズSや翌年サウジアラビアGⅢレッドシーターフHを制しリベンジとなった本年の天皇賞・春で3着となったシルヴァーソニックがいる。
本馬の母テラノヴァはエアトゥーレの6番仔にあたる。

父ブリックスアンドモルタルの持つStorm Birdの3×3がもたらす早熟性が強力で西の1番星を飾ったが、トニービンの持つHyperion的スタミナや持続力・底力にヴィクトワールピサ内のBustinoとブリックスアンドモルタルの母Beyond the Wavesの持つPrince Johnの4×4等といったスタミナ感を考慮すると本質的には距離が伸びてからが本番、という感がある。
一方でHaloの6×5・6にRobertoやBrushing Groom-Red God、Lyphard-Court Matial- Fair Trialといったスピードも兼ね備えている為マイルへの対応は不可能、ということは無いだろう。
今後の調教によって大きく進路が変わると考えられる。

3.ボンドガール(コーステッドの2021)

父:ダイワメジャー 母:コーステッド
美浦 手塚 貴久厩舎
安平町 ノーザンファーム生産(1/19生)
6/4 第3回東京競馬2日目 5R メイクデビュー東京 1着
指名者:キール氏(1巡目)

母コーステッドは2016年GⅠBCジュベナイルフィリーズターフ2着馬。
半兄に2022年GⅢ共同通信杯を制し、同年のGⅠ天皇賞・秋で3着、本年のGⅠドバイターフで2着となったダノンベルーガがいる。

5代アウトブリードで一見大きな血統的な仕掛けは無さそうに映るが、母コーステッドがSeattle Slewを5×4で持ち、更にTizway内にLyphardとDanzigを持っており、これがダイワメジャーの特徴とも言えるノーザンテーストのHyperion的持続力を間接的に増幅している形になっている。
またNiniski-NijinskyにSurumuを持つLomitasやGreen Dancer・Rainbow Questを持つことでスピードやスタミナ的要素も強化されている。

2000m程度までなら距離は伸びても悪くは無さそうだが府中のマイルが一番マッチしそうという感じはある。
阪神マイル戦も問題なくクリアできそうで桜花賞まではこの馬が主役の内の1頭となりうるだろう。

4.バスターコール(デグラーティアの2021)

父:ルーラーシップ 母:デグラーティア
美浦 田村 康仁厩舎
安平町 ノーザンファーム生産(2/12生)
6/4 第3回東京競馬2日目 6R メイクデビュー東京 1着
7/15 第2回函館競馬5日目 11R 函館2歳S GⅢ 6着
9/9 第4回中山競馬1日目 9R アスター賞 1勝クラス2着
指名者:はな氏(1巡目)

母デグラーティアは2008年GⅢ小倉2歳Sの勝ち馬。

こちらも5代アウトブリードではあるが母デグラーティアが「フジキセキ×Deputy Minister」というダートでの活躍馬を多数輩出しているニックス配合を持ち合わせている。
これをもってルーラーシップの早期の弱点である非力さや緩さというところを中和した配合系になっている。
万能性に優れるキングカメハメハにHyperionのスタミナ・底力豊富なエアグルーヴを配したルーラーシップにパワーや早熟性を持ったデグラーティア、といったところで割と万能性が高そうである。

流石にスプリント戦を走らせるにはもう少しベースとなる追走力が欲しいと感じるが、逆にどの条件にも慣れてくればどんなところでも走りそうでコンスタントに使えることが出来れば芝ダート・短距離中距離問わずに走って安定して賞金を加算しそうである。

5.ゴンバデカーブース(アッフィラートの2021)

父:ブリックスアンドモルタル 母:アッフィラート
美浦 堀 宣行厩舎
白老町 社台コーポレーション白老ファーム生産(2/24生)
6/10 第3回東京競馬3日目 5R メイクデビュー東京 1着
指名者:トリスタン氏(2巡目)

母母レディオブヴェニスは2007年米GⅡキャッシュコールマイルSの他GⅢウィジャボードディスタフH等重賞3勝、GⅠでも2着1回3着2回等多くの好走実績を持つ。
アッフィラートはディープインパクトを配した4番仔で本馬はその2番仔となる。

数多くの活躍馬を輩出した「ディープインパクト×Storm Cat」配合についつい目が行ってしまうが、それ以上に注目したいのが5代血統表内で発生しているRobertの5×5とLyphardの5×5。
RobertoはHaloと同じ父Hail to Reasonであるが比較的スタミナとパワーに優れたタイプであり、Lyphardは軽さを有するものの持続力や粘着力といったところに長けた箇所がある血統である。
単純なイメージとしてはシルバーステート産駒に似たものがあると言ってもいいかもしれない。

上記の2つのクロスはどちらも小回りコースで加速しながらコーナリングをする上で機動力の面でプラスに働く血統であり、特に中山で猛威を振るう可能性がある。
今後の成長次第ではあるがPOG期間中は個人的には中山に出てくる様であれば簡単にマークを外したくない血統構成である。

6.ヒヒーン(イイナヅケの2021)

父:ジャスタウェイ 母:イイナヅケ
栗東 須貝 尚介厩舎
安平町 ノーザンファーム生産(2/27生)
6/10 第3回阪神競馬3日目 5R メイクデビュー阪神 1着
8/27 第3回新潟競馬6日目 11R 新潟2歳S GⅢ 8着
指名者:妻鹿(メガ)氏(2巡目)

3代母ブロードアピールは豪快な末脚を魅せた2000年GⅢ根岸Sが有名な1頭で2018年ダービー馬ワグネリアンを輩出している。

サンデーサイレンスの3×4による爆発的な末脚にトニービンの4×5によるスタミナ・持続力とワークフォースの持つSpecialの5×4で底力を付け加えようという配合系。
トニービンは血統バランス上緩さがかなり出やすいが北米ダート血脈元来のパワー・Kingmambo-Miesqeのマイルのスピードに求められるパワー、そしてNearco由来のパワーを持つNorthern Dancerによってその緩さに対する対策が施されている。

ジャスタウェイ産駒は全体的にゆったりと追走したうえで最後に脚を使う、という傾向が強い為やはり直線の長いコースで、位置取りよりリズムを重視できる条件で真価を発揮できそうな感触である。
また、対策がされているとはいえトニービン由来の緩さは0ではない為中間で踏ん張りを利かせる必要性が出てくる小回りコースや短距離は余り向くとは言えず広いコースで長い距離を今のところは求めたい所存。

7.ロータスワンド(ルシュクルの2021)

父:ロードカナロア 母:ルシュクル
栗東 中竹 和也厩舎
新冠町 ノースヒルズ生産(2/26生)
6/11 第1回函館競馬2日目 5R メイクデビュー函館 1着
7/15 第2回函館競馬5日目 11R 函館2歳S GⅢ 15着
指名者:キール氏(2巡目)

母母アジアンミーティアは名種牡馬Unbridled's Songの全妹にあたる超良血馬。
兄弟も活躍馬揃いで2年連続仏GⅠフォレ賞3着となったエントシャイデンがいるが、特筆すべきは共にGⅢ函館2歳Sを制した他北海道でスプリント重賞を制したブランボヌールにビアンフェがいるいわば「北のスプリント血統」。

ロードカナロアにサクラバクシンオー肌と来るとゴテゴテのスプリンター血統に映るがロードカナロア自身はSecretariat=Syrian Seaの5×4クロスによって柔軟性に富み、サクラバクシンオーも幾何かのPrincely Giftの影響で「生まれた時からスピードとパワー満点の純然スプリンター」という風には意外とならず、ファストフォースの様に調教・レース数に経験を重ねるに連れて力を付けていくというケースが多い。
本馬は更に柔軟性のあるUnbridled's Songの全妹であるアジアンミーティアを配している為よりスプリンターという感じがしない。

だからといってスピードが足りないということでは無く、マイラーより1段階レーススピードが上がる1400m戦等スプリント戦とマイル戦の間となるところがスイートスポットとなりそうだ。
後はどの様な調教をどれだけ積めるかによって適性は振れるだろう。

8.ダノンエアズロック(モシーンの2021)

父:モーリス 母:モシーン
美浦 堀 宣行厩舎
安平町 ノーザンファーム生産(2/26生)
6/11 第3回東京競馬4日目 5R メイクデビュー東京 1着
指名者:sino氏(1巡目)

豪GⅠ4勝の名牝モシーンの7番仔で2018年GⅢフェアリーS等重賞3勝を挙げたプリモシーンの半弟にあたる。
また、3代母Miss Priorityからは2003年香港マイルを制したLucky Ownersが出ている。

Nureyev≒Sadler's wellsクロスやデインヒル・Nijinskyの注入によってモーリスの持つ持続力・底力を増幅する一方でモシーンの持つSir Tristramの5×4・Brushing Groom-Red God、ロイヤルアカデミーⅡに内包されるCrimson Saint-Crimson Satan-Spy Songによってモーリス産駒の早期の弱点である素軽さ・瞬発力も補っているのが大きな特徴。

素軽さ・瞬発力を補っているとはいえベースがRobertoにSadler's Wells、LyphardのモーリスにNureyevとSadler's Wellsの3/4同血クロスを発生させている他、デインヒル-Danzigが入ることでパワー的な機動力が増強されている手前新馬戦を府中で勝利したものの真価を発揮するのは中山でこそ、というのは拭えない印象である。

尚、余談ではあるがモーリスはオーストラリアへのシャトル種牡馬としても供用されており、その中からGⅠ3勝を挙げたHitotsuを輩出している。
こうした点で考えると父モーリスに対してオーストラリア産の肌馬というのは存外相性が良いのかもしれない。

9.ミルテンベルク(ベルレンケッテの2021)

父:モーリス 母:ミルテンベルク
栗東 武 英智厩舎
安平町 ノーザンファーム生産(4/14生)
6/11 第3回阪神競馬4日目 5R メイクデビュー阪神 1着
9/3 第3回小倉競馬8日目 11R 小倉2歳S GⅢ 2着
指名者:waiwai氏(2巡目)

母母プンティラは2000年の独オークスGⅡディアーナ賞(現在はGⅠ)の勝ち馬。

モーリスにディープインパクトを配するとサンデーサイレンスのクロス及びLyphardをクロスさせつつAlzaoを注入することが出来る為、ニックスと呼べる程ではないが1つ相性の良い配合である。
Acatenangoこそ多少軽さはあるものの母ベルレンケッテは牝系がドイツの重厚なスタミナを感じさせる牝系でそこにTT型のディープインパクト配している為持続的な脚にスタミナで持って磨きがかかっているという風に見て取れる。

正直なところ血統背景を考えると母ベルレンケッテ含めてなんで短いところを使っているんだろう、というのが正直な感想ではあるがこのスタミナが短距離に於けるバテない脚が求められるというところにマッチしたのかもしれない。
小倉2歳Sが行われた小倉競馬場も向正面から直線までひたすら下り続けるコースレイアウトの為距離以上にスタミナが求められる為納得はいく。
ただまぁ本場開催に戻ってからは距離を伸ばして、といったところだろう。

10.アマンテビアンコ(ユキチャンの2021)

父:ヘニーヒューズ 母:ユキチャン
美浦 宮田 敬介厩舎
安平町 ノーザンファーム生産(1/25生)
6/17 第3回東京競馬5日目 6R メイクデビュー東京 1着
指名者:daisuke氏(3巡目)

ブチコ・ソダシ・メイケイエールでおなじみシラユキヒメの牝系の出の1頭。

5代血統表内の種牡馬を牝系から辿っていくとStar de NaskraからTopsider、
サンデーサイレンス、クロフネ、そしてヘニーヒューズとアメリカ調教馬なのではと勘違いしてしまいそうな程とにかく米国色の強い血統構成をしている。
北米ダートのスピードとパワー一辺倒に映るがHold Your PeaceをクロスすることでSpeak John-Prince John-Princequilloといった柔軟性やスタミナ的側面を呼び戻しており単なる短距離ダート馬と思っていると痛い目に遭う可能性はある。

成長や経験値の増加によって最終的にはダートの短い距離に落ち着くだろうが、タイミング次第では芝のマイル戦に挑戦というのは割と面白そうだ。

11.ベルパッション(メイショウトモシビの2021)

父:ダノンレジェンド 母:メイショウトモシビ
栗東 西園 正都厩舎
浦河町 三嶋牧場生産(2/8生)
6/18 第1回函館競馬4日目 5R メイクデビュー函館 1着
7/15 第2回函館競馬5日目 11R 函館2歳S GⅢ 8着
指名者:水野朔氏(7巡目)

母メイショウトモシビは未勝利ではあるがビッグアーサー産駒の半兄イコサンは2戦目で勝ち上がり、その後勝ち星は付いていないもののクローバー賞2着・福島2歳S3着・さざんか賞3着をはじめコツコツと経験を重ねている。

母メイショウトモシビの持つHaloの4×5クロスをダノンレジェンドの父父母Sharon Brownが持つMahmoudの3×4でもってサンデーサイレンスごと昇華させつつBrushing Groom-Red GodとStorm Catで更に増幅しようとした一方で北米ダートのスピードとパワーを注入することで母母メイショウヤワラ以下の持つ潜在的なスピードを掘り起こそうという配合系。

残念ながら函館2歳S後骨折により引退となってしまったがMahmoudの血を一定量持つ為今後サンデーサイレンスを内包する種牡馬との組み合わせで活躍馬が出てくればと思う次第である。

12.ボルケーノ(スピードリッパーの2021)

父:ルーラーシップ 母:スピードリッパー
美浦 堀 宣行厩舎
安平町 ノーザンファーム生産
6/18 第3回東京競馬6日目 5R メイクデビュー東京 1着

母スピードリッパーは重賞未勝利ではあるが、2011年GⅢフェアリーS2着、GⅡフィリーズR2着、2013年GⅢクイーンS2着の他オークス5着と重賞での入着実績が多い。
また、牝系からの活躍馬も多く母母ポップスからはGⅡ目黒記念を連覇したポップロックや4代母Icy Popからは1995年青葉賞(当時はGⅢ)で3着の他1996年GⅢダイヤモンドS・GⅡ目黒記念で連続2着、同年当時は冬のGⅡであった鳴尾記念でも3着と好走したオースミベストがいる。
特に近年では昨年のGⅢ福島牝馬Sを制したアナザーリリックの3/4同血ビターグラッセでこの牝系に目を通された方は少なくはないだろう。

名牝エアグルーヴが持つトニービン・ノーザンテーストによるHyperionの影響を多大に持ち、早期に於いて緩さが目立つルーラーシップをかなり筋肉量が多く出るファルブラヴでもって補完し、母母ポップスの持つサンデーサイレンスとSecretariatを中心にスピードを注入している配合系。

NureyevとFairy Kingの3/4同血クロスが6×3というアンバランス加減がやや気にはなるが成長に伴い緩さが解消されてくるとマイルでもパフォーマンスを上げてくるないし距離延長へと踏み切ってくるだろう。
特に古馬になってから気付いたら2400m前後を走って中山重賞で大穴を開けた、なんてことがあったりしそうだなというのが雑感。

13.アスコリピチェーノ(アスコルティの2021)

父:ダイワメジャー 母:アスコルティ
美浦 黒岩 陽一厩舎
安平町 ノーザンファーム生産(2/24生)
6/24 第3回東京競馬7日目 6R メイクデビュー東京 1着
8/27 第3回新潟競馬6日目 11R 新潟2歳S GⅢ 1着
指名者:にゃーす氏(6巡目)

Henrythenavigator、Dolphin Street、Saffron Waldenらを輩出したLuv Lubln'の牝系で母母リッスンは愛GⅠフィリーズマイル勝ち馬。
母母リッスンからも重賞活躍馬が出ており、タッチングスピーチは2015年GⅡローズSを制覇しその後エリザベス女王杯で3着、前弟サトノルークスは重賞勝ちこそ無いものの2019年菊花賞で2着と好走している。
本馬の母アスコルティはリッスンの2番仔にあたり、ドゥラメンテ産駒の半兄アスコルターレはPOG期間中もみじS・マーガレットSとOP・リステッドを2勝している。

デインヒルにSadler's WellsでもってダイワメジャーのHyperion的スタミナ・持続力・底力を全面に底上げする一方でDanehill Dancer内のSharpen Up、Caro、Irish River-Rivermanといったところで中距離的な柔軟さ・瞬発力も補われている。
一部Northern Dancerが遠くないところにいるのもポイントの一つでこれによりサンデーサイレンスの根幹であるSun Princess≒Mahmoudクロスに繋がってくるAlmahmoud-Mahmoudがより近い代で収まる様になる。

まだまだこれからという時期かつ47.7-46.1の後傾1.6秒の流れではあるが好位から上がり3Fトップに0.2差の3位の末脚を繰り出したのは今は素直に褒めるべきだろう。
然るべき場所でボンドガールらとの対戦を楽しみにしたい。

14.フェンダー(プリンセスロックの2021)

父:モーリス 母:フェンダー
栗東 斉藤 崇史厩舎
安平町 ノーザンファーム生産(1/23生)
6/10 第3回阪神競馬3日目 5R メイクデビュー阪神 10着
6/24 第3回阪神競馬7日目 1R 2歳未勝利 1着
9/9 第4回中山競馬1日目 9R アスター賞 1勝クラス 4着
指名者:sino氏(3巡目)

母プリンセスロックはJRAで3勝、半姉に昨年のGⅢ函館2歳Sを制しGⅢファンタジーS2着から阪神JF・桜花賞へと駒を進めたビッグアーサー産駒ブトンドールがいる。

Nasrullahの4×5のスピードにNijinskyの3×4のスタミナという下地を持つノーストバードに2011年ドバイWCを制したヴィクトワールピサの全兄スウィフトカレントを配したプリンセスロック。
そこからスクリーンヒーローを介したサンデーサイレンスのクロス及びHaloの多重クロスを発生させつつRoberto、Sadler's Wells、Lyphardと中長距離質的な血を投入することでより中距離質的な血統構成となっている。

現状マイル戦を使われているが脚をある程度溜められた方が良さそうな感があり、距離延長してよりゆったりと走らせてみて欲しいと思うところがある。
イメージとしてはノッキングポイントが近いか。

15.ギャンブルルーム(シャンデリアハウスの2021)

父:キズナ 母:シャンデリアハウス
栗東 大久保 龍厩舎
安平町 ノーザンファーム生産(2/8生)
6/25 第3回阪神競馬8日目 5R メイクデビュー阪神 1着
9/2 第2回札幌競馬7日目 11R 札幌2歳S GⅢ 3着
指名者:おむしん/00-ARETHA(6巡目)

名牝ダイナカール一族の出で叔父に2006年GⅠ高松宮記念を制したオレハマッテルゼがいる。

サンデーサイレンスをクロスするものの、母シャンデリアハウスの持つノーザンテーストクロスにエルコンドルパサー、ジャッジアンジェルーチ、そして父キズナ内のStorm CatとDamascusでもってパワーに振り切ったダート馬…と思いきやスカーレットインク-Crimson Satan-Spy Songによって「ディープインパクト×Storm Cat」の持つ瞬発力を再度呼び起こしている配合となっている。

新馬戦は後方から脚を溜めに溜めた結果爆発的な末脚を披露した一方、札幌2歳Sでは離されはしたものの末脚をある程度犠牲にするも好位で追走しそれなりに脚を使って馬券圏内を確保と基本的には末脚を活かすタイプながらも柔軟性・操縦性の高さが見て取れる。
前述の通りダートで求められるパワーもありそうで某ドゥラエレーデの様なレース選択が可能かもしれない。

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