歯車から脱せさせるために

「サピエンス全史」を大体読み終わったが、すごく面白い。この感想は今度書こうかと思う。現在の世界は余剰資産を投資に回すべきだという「資本主義」と、高い付加価値の商品を消費すればするほど好ましいという「消費主義」が同時に存在しているという。消費主義は資本主義の拡大再生産による要請から産まれたが、すぐに2者に矛盾があることがわかる。つまり、資本主義をもとに考えると、余剰な資本は本来不必要な消費に費やすべきではなく、投資に費やすべきだからだ。しかしながらなぜこの両者が同時に成り立っているかというと、案外単純で、粒たる労働者は消費主義に生き、資本家が資本主義に生きているだけであることだ。しかしながら両者は不思議なくらい両立しており、著者は資本主義を有史以来最も成功した宗教であると呼ぶ。思うにフローとしての高額所得者は良き「消費主義者」であり、ストックとしての富裕層は良き「資本主義者」である。我が粒は消費主義者としての自分に嫌気がさしていたわけであるが(これがすなわち資本主義者を礼賛するものではない)、案外消費主義者を資本主義者へ脱せさせることは簡単ではないかと思う。どうするかというと、チェーン店でいうとフランチャイズ化させればよい。例えばある美容室に雇用されている美容師がいたとしよう。美容師は美容室から労働時間や成績に応じて金銭が支払われる。その金銭で家賃を払ったり洋服を買ったりして満足して入れば消費主義者といえるだろう。しかし、美容師を独立させ、小さな店を持ったとしよう。同じ美容室の一席の使用権を購入したとしてもよい。そうすると、美容師は、もし儲かってきた場合は席を増やしたり、広告を打ったり、バイトを雇ったりするかもしれない。こうなったら余剰資産を投資に回す資本主義者といえるだろう。資本家ではないかもしれないが、よき資本主義者だ。これは美容室で雇用されている段階ではこのようなことは難しい。賃金は雇用者たる美容室が決定しているからだ。このように、最初はやることは変わらないかもしれないが、フリーランスのように独立させることによって簡単に資本主義者としてのマインドが備わる気がする。これが良いことかはわからないが、少なくとも消費主義に飲み込まれそうだが抗いたい人にとっては有効ではありそうだ。 ROLANDさんが独立していろいろと経営をされているのも、そもそも最初に始めたホストというキャリアが非常にフリーランスっぽい形態であったからであるのも一つの要因ではないかと思う。彼らは自分自身で宣伝をし、自腹のプレゼントで客に投資し、整形をして資産価値を高めることでさらなる売り上げを達成する。こうした資本主義的な環境に身を置けたのは幸運であると思う。

今日の反省点:一度早く起きたのに二度寝してしまった

今日の気持ち:新しい本にたくさん出合えてうれしい

明日の目標:家を整理


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