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ひかり
テレビを買いに行った日のこと。
待合室の窓からの午前のひかりがとてもきれいで、
持っていった本は読まずにずっと眺めていました。
病院のあと、テレビを買いに電器店に運ばれました。
画面に顔を寄せて、輪郭のぶれやピクセルのにじみを
分析していていると店員に
「そんな風に観るものじゃない」と言われました。
変なの。
と思ったけれど「そうですね」とだけ言っておきました。
説明しても彼には理解できない。
できないから、取り合えずわたしを馬鹿にしておくでしょう。
同じ病気の友人たちのあいだだけで、
その話はわたしたちの間だけでします。
みんな家族や担当医には言わない。
別のお客が割り込んできたので、この店員にはそちらに行ってもらい、
家族が別の店員を呼んでくれて無事テレビを購入しました。
テレビの画面はひかりのプロセスで満ち溢れていて、うつくしい。