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どうでもいい話①酢サバが嫌い。
酢サバ…しめ鯖ともいう、要は酢漬けの鯖の事である。
子供の頃は時々食卓に上がるので一切れ食べてみるんだけれども、どうしても「変な味」と感じてそれ以上食べることが出来なかった。
女性は生理があり、前と後で食の好みが変わることって時々ある。
現に私もヒジキが嫌いだったけど、今は大好きだ。
そして大人になることで美味しいと感じられるようになる食べ物もあると思う。
私としても嫌いな食べ物は少ないに越したことはないので、治るなら治したい。
ということで2~3年毎に挑戦してみたのだが、結局美味しいと思うことはなかった。
26歳くらいの時に、
「あ、これは駄目だ。私は“酢サバが嫌い”なんだ」
とようやく認めて受け入れて、酢サバに対して努力することを手放した。
こんなことをしてる私を笑うかも知れないが、嫌いなものを好きになる努力をしたということは認めてほしいと思う。
この時くらいから私は自分に嫌いな食べ物があることを許せるようになったし、私には私なりの“嫌いな理由”がちゃんとある事が分かってきた。
母は嫌いな食べ物がほとんど無かったので私もそのようになろうと努力したが、私にはそれは無理だった。
嫌いな食べ物があってもいいんだと思えるようになったころ周りの人を観察してみたら、表立って言ったりはしないけど、他の人もそこそこ嫌いな食べ物がある事が分かった。
特に私より大人の人でも嫌いな食べ物があるということを知って一人安心した。
酢サバはそれで完成品だし、それに落ち度があるとは思えない。
それが嫌いだと言うのなら、私は酢サバが嫌いなのだ。
もちろん味を変えれば鯖は食べられる。
鯖の味噌煮は大好きだ。
お酢もそこまで嫌いではない。料理に使うこともあるし、りんご酢なども飲む時がある。
酢とサバがコラボした時だけ“苦手”になる。
うん、これはもう仕方ない。私はそういうやつなのだ。
人には、時として努力してもどうしようも無いこともある。
だからこそ「私これ嫌い」とカミングアウトした時に「え~!美味しいのに!」と言われると腹が立つ。
特に、私の意見には聞く耳を持たず「これが嫌いなんて頭おかしい」とでも言わんばかりのニュアンスの言い方をされた事があって、普段はあまり怒らない性格だけどあれはかなりイラッとした。
そんな訳だから、友達が嫌いと言った食べ物は無理に食べさせようとは思わない。
どのくらい混ざってるかで食べられたりする事もあるから全てを完全に排除したりはしないけど、「食べたくない」と言ったものを無理に口に突っ込んだりはしない。
どう考えるかは人それぞれだけど、こんな人間も居るんだよということを知って欲しかった。
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