Heartownrockfest Taiwan 2015

6年前の今頃、台湾の台中で開催されるロックフェス、Heartownrockfest Taiwan (山海屯搖滾祭)2015へ出演する為に、HER NAME IN BLOODと一緒に台湾へ行っていました。

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このフェス、台湾のフェス史上最悪の惨事とも言われてるようでして、巨大な台風が直撃し、3日間のうち2日が中止、最終日に大幅に内容を変更し、なんとか1日だけ開催した、ものすごいフェスだったのです。

主催のJimmyさんという人がいまして、その人がFacebookに6年前の今日のことを投稿しててコメントやり取りしてたのと、奇しくもまた台風が来ていたという偶然もあり、改めて当時のことを振り返って書き残したいと思いました。

Heartownrockfest Taiwan (山海屯搖滾祭)2015とは

このフェスは2015年8月7日(金)、8日(土)、9日(日)に台中で開催される予定で、HNIBは8日に出演予定でした。前日7日に台中に前乗りしていたのですが、その時点で既に1日目が近付いていた台風により中止、進路によっては2日目、3日目も危うい…という状況でした。

このフェスには日本からもたくさん仲間のバンドが出演の予定でした。

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初日にTHE GAME SHOP、2日目にcoldrain、MEANING、3日目にFear, and Loathing in Las Vegas、CRYSTAL LAKEという、HNIBからしたら全て仲の良いバンドで、とても楽しみにしてました。Mary's Bloodもいたけど、当時はまだHNIBは共演したことがありませんでした。

初日 8月7日(金) 前乗り〜会場視察

まず8月7日に台中に到着してからCRYSTAL LAKEと一緒に晩御飯へ。

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ご飯の後で、現地を視察したいというcoldrainのクルーの皆さんに便乗し、僕も会場へ。本来初日が開催されていたはずの会場で見たのは、まだ組まれていないステージ…

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一緒に行った全員が「これは無理だな…」とため息をついてホテルに帰ったのを覚えてます。そして段々と風も強くなってきて、不安なままその日は就寝。

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風で倒されていた看板


2日目 8月8日(土) 台風直撃、ホテル待機

翌日8月8日。本来この日に出演予定でしたが、台風が直撃。ホテル周辺も暴風で危険なため外にも出れず、ホテルに缶詰状態。テレビで現地のニュースを見ていると、原付が強風で浮き上がってる映像もあり、かなり強い台風だと改めて認識。

この時点で、会場の機材が壊れたから開催は難しいとか、翌日天候が回復したら開催するとか、色んな情報がどんどん入れ替わり、どうなるか全く分からない状態。前日の下見の感じからいくと絶望的だろうと思ってました。

ただ、幸いHNIBチームは翌日8月9日もライブを見て、8月10日に帰国するスケジュールだったので、もし翌日開催されるのなら出演しますと伝え、あとは奇跡を待つのみでした。

その日はホテルから出れないため、みんな自然とロビーに集合し、そこで酒盛り笑

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これがウチ1バンドだけだったら、テンションだだ下がりで沈んでただろうから、他のバンドやクルーと一緒で救われたなと思います。この日はcoldrain、MEANINGと一緒に夕食へ。

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ただ、台風はひどくなる一方で、周辺の道路は木が倒れたり、ホテル入り口も浸水対策し始めたりと、諦めムードも漂っていました。

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ホテル周辺も強風で危険。ホテルも厳戒態勢でどこにも外出できず…


3日目 8月9日(日) 会場入りするも…

翌日8月9日。奇跡的に天候は回復!なんと急ピッチで、ステージを準備し、前日前々日に出演するはずだった海外バンドも含めてタイムテーブルを組み直し、開催する方向だとの一報が!とにかく会場へ行ってみることに。

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まだスピーカーも設置されていない状態のセカンドステージ

いざ到着してみると、ステージ設営の真っ最中…これは絶対無理だろうと再度諦めムードが漂うなか会場にて情報収集開始。

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こちらも設営中のメインステージ

ここからが超大変で、HNIBマネージャーの私、当時CRYSTAL LAKEの海外窓口を担当してたT氏、coldrainマネージャーのK氏、MEANINGマネージャーのI氏、この4人で日本人バンド側の情報共有しながら、主催側のアップデートを随時確認してました。ラスベガスは8月7日に韓国のフェスに出演後に台湾に来る予定でしたが、たしか飛行機が飛ばずで、もうキャンセルが発表されていました。

ヘッドライナーlimp bizkitの無茶な要求

2番目に大きい海ステージ(HNIBは当初ここに出演予定)はもう準備が間に合わず使わない方向になり、メインステージと3番目の屯ステージの準備を優先する方向になったようです。そんな中、ヘッドライナーのlimp bizkitが、メインステージには自分たち以外出演させるなと言い出す!The Usedは直接limp bizkitサイドに交渉し、山ステージに出演することになったそうですが、それ以外のバンドはこのメインステージに出演ができないことに…こういった事情など複雑に絡み合い、coldrainはキャンセルになりました…

coldrainはキャンセルとなりましたが、マネージャーのKさんがそれぞれの日本アーティスト勢の要望をとりまとめて主催側に交渉してくれたりと、かなり助けて引っ張ってもらいました。そのおかげで、その他日本バンド勢はなんとかライブできる目処がたちました。

いよいよライブへ向けて準備

やっと少し落ち着き、台湾のバンドたちのライブを見たり、MAKOTOとDAIKIはタトゥーを入れたりしながら、待機。

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この後どんどん仲良くなった地元台中のFLESH JUICER

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タトゥー中の2人

僕は出演する屯ステージの機材をチェックしたり、やっと決まった出演予定時間をSNSで告知したりと準備を進めてましたが、本当に直前まで、どういう動きになるか気が抜けませんでした。ようやくHNIBのライブの時間も近付き、メンバーもやっとライブができると集中力を高める。

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そして、やっと無事にライブできました!こんな状況の中でも集まってきたお客さんなので、当然盛り上がりもすごかった!


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ここまでくるのにかなり大変だったので、こんなたくさんの人の前で無事ライブができ、感動でした。

態度最悪のlimp bizkitのライブ

CRYSTAL LAKE、MEANINGもライブを終えて、メインステージではThe Usedも終わり、いよいよ残りは問題のlimp bizkitのみだか、なかなかライブが始まらない。これはここまできて出てこないという最悪のパターンもあり得るのか…?と思っていたが、たしか1時間以上待ってやっとライブがスタート。しかしギターは僕の大好きなウェス・ボーランドじゃない!これでだいぶテンション下がったのですが、フレッド始め他のメンバーもかなり態度が悪い…後でこの時のlimp bizkitのライブについての記事も見つけましたが、モニタースピーカーや、カメラマンの機材にワザと水を掛けて壊したり、主催者たちを「アマチュア」と罵ったり、かなりひどい態度でした。英語ですがその記事がこちら。

この映像にもマイクスタンドをぶん投げたりする様子が映ってます。

そして、大幅に時間が押していたので、当初のフェス終了予定時刻にも間に合わず、騒音に対しての苦情も凄かったようで、最終的にlimp bizkitのライブは、通報で駆け付けた警察がステージを囲む中で、異様な雰囲気のまま終わりました…

大損害に負けなかったHeartown Festival

これも後で知ったのですが、このlimp bizkitのゴタゴタで、出演予定だった台湾の国民的バンドCHTHONICは、演奏時間がかなり短くなるなどの理由でこちらもキャンセル…現地の記事によればフェス終了後に、主催者はステージから泣きながら観客に謝罪していたそうです。そして主催側には中止となった2日の経費や払い戻しのチケット代、壊れた機材、さらには騒音苦情に対しての高額な罰金という、大きな損失が残ったそうです…

ただ、その後もHeartown Festivalは継続しました。それ以降はなかなか行く機会がなく、昨年は久しぶりにHNIBも出演する予定でしたが、コロナのため中止となりました。この2015年の惨事に負けなかったフェスなので、コロナにも打ち勝ち、また来年以降も続いてくれるでしょう。また行ける日を楽しみにしています!



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