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飯綱町「レストランルック」レトロで新しい店のやたらカツ

レストランルック
場所 長野県上水内郡飯綱町古町428-1
電話 026-253-3102
ジャンル 洋食店
バリアフリー ◯
駐車場 あり

一番古い記憶

といえばあれかな、これかなといろいろ思い出してみようと努力はするが、
『産湯の盥に跳ね上がった水しぶきの光がまぶしかった』
という大天才 三島由紀夫の文章に出くわしたりすると、なんだか平凡すぎる自らの記憶力に嫌気がさしてしまい、そこでやめてしまう。

そこまで

無理に遡らずとも、はっきりと連続した記憶として持っているのはいつ頃からだろうか。私の場合は昭和48年くらいだ。学齢に達し、小学校に通い始めた時期だから当たり前だ。すべてがすべて記憶しているわけではないが、小学校最初の担任であったA先生の風貌や、突然いなくなったGくん(幼稚園からの友だち、たぶん夜逃げ)のことははっきりクッキリと覚えている。

そのほか

ゴキブリホイホイが発売されたり、桜田淳子や山口百恵がデビューしたり、オセロゲームが日本初登場したり、日本赤軍がドバイでハイジャックしたり、ブルース・リーが死んだり、金大中事件があったり、 オイルショックがおきたり、読売巨人軍がV9を達成したり、「ノストラダムスの大予言」が大ベストセラーになったり、キング・クリムゾン「太陽と戦慄」がリリースされあれはすごかったとマニアな友人たちと語り合ったものだ、という事であればパーフェクトなのだがそんなことあるわけもなく、そもそもWikipediaからなんとなく覚えている出来事を拾っただけだからあまり気にしないでもらいたい。

かように

いろいろあった年、…いつでもいろいろな出来事があって当たり前だが、少なくとも私にとって印象的な年にできたレストランがこちらだ。

「レストラン ルック」


国道18号線飯綱町、牟礼より少し北上したあたりの道沿いにある、三角の屋根が印象的な洋食店だ。以前から、ずいぶん辺鄙な場所にあるなと気にはなっていた。これはオーナーご自身も認められているようで、オープンされた50年前は18号線の待避所で草だらけの荒地でしかなかったが、あまりの眺望のよさに惹きつけられこの地に決定したと掲示されていた。ヨーロッパにある『ユートピア ルック』というホテルと同様に理想の眺望が得られるという事からこの名をつけた、とも記載されていた。

本来であれば初訪はそこの必殺技を注文するのが流儀なのだ。したがってこちらでは焼きカレーであったり、カキフライ、グラタンあるいはランチメニューにある舌平目のフィレなどという品をオーダーすべきだが、今回はあえてこれとした。


「やたらのカツ CUT」1265円


飯綱やたら祭りのメニューだ。いつもの、あのやたらを豚薄切り肉で巻き込んだものにパン粉つけて揚げたものだ。白出汁と薄口醤油でビシッときめたソースがとてつもなくよい。


そしてやたら

なすとミョウガと大葉とキュウリとを細かく刻み混ぜこんだだけの北信家庭料理の、美味とその汎用性の高さは素晴らしすぎる。


レトロ

と取り沙汰されることが多いようだ。たしかに昔の洋食店といった風情ではある。昭和48年によくあった風な店舗だが、懐かしさよりむしろ新しさを感ずるのだが。いかがなもよであろうか。

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