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病院勤務①

病院勤務が始まった。
事務長代理というのは建前で、雑用係だった。
まず覚えなくてはならなかったのは診療点数。カルテを見ながら、診療報酬の点数を記入、クランケ(患者のことをそう呼ぶことから始まった)から診療料金、治療費をもらうことを覚えなくてはならなかった。
次には、その報酬を健康保険組などに請求するためのレセプトの記入、制作。これはとても面倒だった。
いまはPCに診療点数を入れれば自動的に計算されるらしい。
私が勤め始めた病院は、正式というか法的には診療所の分類だったが、そういう事務作業をする従業員が10名くらいいた。その人間が診察時間は受付などもこなした。他に薬剤師2名、入院患者の食事をつくる賄のおばちゃんが数名、管理栄養士が一人いた。それらが事務職の範囲である。
医療のp-トは、医師、看護師(当時は看護婦さん言った)、レントゲン技師(実際は見習いだった)などがいて、それらを院長が束ねた。
院長は外科医で50歳を過ぎたとても働く人。定期的に外部から診察にやってくる内科医が3名、整形外科医が1名。それに院長の親戚という見習い医師が1名、医師の叔父という高齢の整形外科医師が1名常駐していた。
診察は午前と夜間の2部制。救急を受付でいたので、とにかく朝から夜遅くまで、医師も含め走り回っていた。
小さな病院なのに週1,2回、午後にオペをした。執刀は院長で、多くはアッペ(虫垂炎)など比較的小さなオペ。ただ、月1回はマーゲン(胃)などの大オペがあった。その時は麻酔医や大学の大先生が執刀医となった。そういう大きなオペの時は輸血などのスタンバイのほか、術後の食事接待などが事務長や私の仕事となって、オペの終わるまでの長時間、待機をした。

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