心のどこか、比較的中心に近いところ④(最後)

これで最後です。

長々と女々しくなるので、ささっと書ききります。

(女性AをA、女性HをHとします。)

受験も終わり、入学に向けて、新居を探していた時だ。

Aは別の県に住んでいたが(結構遠い…)、こちらに行きたいところがあるので少し会いませんかという話になった。

非常に短い付き合いではあるが、Aのおかげで受験を後悔なく終えることができたので、直接会って色々話をしたかった。

会う当日、朝からめちゃくちゃ緊張していた。

服装の特徴を伝え、待ち合わせ場所に行くとAがいた。

実際に会ったAは、僕の緊張など気にしない程に、明るく、可愛らしい人だった。

その日は一緒に観光をした。

それから色々あり、約2年半お付き合いすることとなった。最終的に僕が振られて終わりですが…。

遠距離であったため、毎日の電話とLINEが主で、会った時間を合計しても1ヶ月もない。(僕が会いに行くことは本当に少なかった…。)

しかし、この約2年半、会っていた約1ヶ月は僕にとって、とても大切な日々である。

付き合う時は、好きという感情はそこまでなかった。告白してもらい、こんな人間でいいならどうぞ、という感じであった。(良くないですね…。)

でも時間が経つにつれ、本当に好きになった。

別れ話の時は、嫌だ、今後も付き合って欲しいと、わがままを言いまくった。

Aの結論は変わらず、別れた。

思い出がたくさん、溢れた。

その時も、今も、なんでもっと会いに行かなかったんだろうな…ばかだなぁ…と思う。

そこから2年くらいは、誕生日にのみ連絡する間柄、その後3年は、ほんと連絡を取ることはなかった。

そんなAの結婚を、ふと先日知った。

結婚してしまったのか…より疎遠になるな…という寂しさ。(もともと疎遠です。)

僕が幸せにしたかったなぁ…というよく分からない感情。

幸せになって下さい!というお祝いの、嬉しさ。

ごちゃごちゃでした。

そんなごちゃごちゃしてたら、久しぶり、少し電話できない?とLINEしてました。

結婚したから出来ない。LINEもこれで最後にしよう。と返信が来る。

それでも、最後だから電話させてと、伝え、10分程電話した。

めちゃくちゃ久々に近況報告をした。

懐かしい声。懐かしい話し方。声だけで表情読み取れた。全てが心地よかった。

少しだけ思い出話をし、時間もないため、付き合ってる時、別れる時には言えなかった、浪人時代に救ってくれてありがとう。色々幸せな時間をありがとう。ずっと幸せでいて欲しい。思いを伝えた。

ありがとう。あららぎもね。

そろそろ切らないと。

そっか。最後か。寂しいけど、ずっと幸せにね。

またいつか、どこかで会えるかな。

そしたらまた話せるね。笑


またね。幸せにね。

またね。そっちも、幸せにね。


そして電話が切れた。

昔はお互い電話を切れなかったが、最後は結構あっけなかった。

幸せになって欲しい。

僕も幸せになる。

でもやっぱり、時間が戻るならもう一回あの時に戻りたいな思ってしまう。

この気持ちはまだしばらく消えないだろう。

Aと共に心のどこか、比較的中心にちかいところにずっと残っているだろう。


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