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たのしい一口馬主ライフ

はじめに

―― 91戦8勝

何の数字かおわかりでしょうか。

地方馬の戦績かな?と思いますよね。新路もそう思います。

いました、ダイバクフ
https://db.netkeiba.com/horse/2005103400/

2007年、今はなき旭川競馬場でデビュー。
翌年に華月賞(H3)を制し、中央遠征でも500万条件をハナ差で勝利。
その後、中央に移籍し、最終的には1600万条件馬となりました。
2013年からは再び道営所属に戻り、2018年5月16日のレースを最後に、
2019年10月1日に地方競馬登録抹消を迎えました。

今回は登録抹消までの16ヵ月の間にダイバクフに何があったのか
迫りたかったのですが、情報が少なすぎたので諦めました。

代わりにダイバクフが10年以上かけて積み上げた成績を、
5年で成し遂げた新路の一口馬主ライフを振り返りたいと思います。

◆新路の一口馬主通算成績(2019/12/11現在)
 8-9-15-7-7-45/91

一口馬主とは

そもそも一口馬主とは、およそ40~500口程度に分割された競走馬を
クラブ会員で共同出資するような仕組みです。

『馬主』とはついてるものの、会員自体に馬主資格はないので、
「俺は馬主様だぞ」みたいな感じで馬主席に単身乗り込もうとすると
ガタイのいい係の人につまみ出されます。

現在、国内には約20のクラブが存在しています。
それぞれの特徴は、下記のサイトがわかりやすいかと思います。

 ■一口馬主DB:一口クラブの分類・特徴紹介
  https://www.umadb.com/cont/ctype/

よく「儲かるのか」と聞かれますが、全く儲かりません。
競馬でお金を稼ぎたいなら、馬券を当てればいいのです。
一口馬主は、競馬のドラマ的な部分をより身近に感じることができ、
出資馬への感情移入量が尋常じゃなくなります。
とても一言では言い表せませんので、各々が沼にハマればよいと思います。

キャロットクラブ

Twitterをご覧の皆様はもうご存じのことだと思いますが、
新路はキャロットクラブ(以下、キャロ)の会員です。

 ■キャロットクラブ
  https://carrotclub.net/

その前にお前は一体誰なんだよ、という方もいるかもしれないので、
このタイミングで新路のTwitterも貼っておきます。

さて、各クラブの比較ができれば一番よかったのですが、
残念ながら、キャロ以外に入会したことがないので、
簡単にキャロのよいところ、悪いところを挙げてみたいと思います。
※宣伝に近い内容なので読み飛ばしていただいて全く問題ございません。

 ①募集馬のラインナップ
  お手軽にノーザンファーム生産馬に出資できることが、
  キャロの一番の強みだと思います。

  今や競馬界を席巻するノーザンファーム生産馬が中心ですから、
  クラブ所属馬の勝ち上がり率は近3年平均で50%超え。
  現3歳世代においては、なんと60%超えです。
  単純計算だと、2頭出資したら片方は勝ち上がるわけですね。

  ただし、自家生産系クラブのため、クラブお抱え繁殖牝馬も多く、
  さらに種牡馬は基本的に社台SSの繋養馬となるため、
  毎年似たような募集馬ラインナップとなってしまうのは玉にキズ。

 ②出資抽選制度
  キャロでは主に以下の抽選制度を採用しています。
   ・母馬優先枠
   ・最優先枠
   ・一般枠

  過去に自分が出資していた牝馬の仔に優先で出資できるのが、
  「母馬優先」です。ブラッドスポーツである競馬の特徴を
  うまく取り入れたシステムだと思います。

  「最優先」(第一希望)は各個人に年1票割り当てられます。
  例えば400口の馬に対して500口の応募があったとします。

   ・400口が最優先票で、100口が一般票だった場合
    →最優先を使った人は出資確定、一般の人は全員落選

   ・350口が最優先票で、150口が一般票だった場合
    →最優先を使った人は出資確定、
     残りの50口を一般の150口で抽選(倍率3倍)

   ・401口が最優先票で、99口が一般票だった場合
    →最優先を使った人の中で抽選(1口だけ落とされる)、
     一般の人は全員落選

  というように、基本的に全員同じ土俵で戦えます。
  ただし、公平性が高い代わりに、競争相手は多いです…。

  一方で、同価格帯のノーザン系クラブの某絹レーシングは、
  実績制(近3年の出資額が高い人ほど優遇)を採用しており、
  札束の殴り合いを制する必要があります…。
  ※それぞれにメリデメがあるので、批判ではありません。

新路の出資馬たち

新路がキャロに入会したのが2015年2月。
競馬場で知り合って仲良くさせてもらっていたお姉さんに
「絶対ハマると思うからやってみ」と言われたのがきっかけで、
実際、こうして沼に落ちました。

ここまでの出資馬はデビュー前含めて延べ16頭います。
全頭は公開しませんが、特に思い入れの強い子を何頭か紹介します。
(成績はクラブ所属時限定で、2019/12/12現在のものです)

デューズワイルズ(牡・21戦1勝)
https://db.netkeiba.com/horse/2013105931/
新路にとって、初の出資馬であり、何より初勝利をくれた子です。
今でこそ10月頭に全頭満口となるキャロですが、当時は売れ残り馬がそこそこいて、年明けでも入会・出資できました。
12戦目、しかもその年最後のスーパー未勝利という後がない中であげた初勝利なので、その時の喜びはもう本当にすごかったんです(語彙力)。
500万条件ではクラスの壁に歯が立たずでしたが、1勝することの難しさを教えてくれた思い出の1頭です。
引退後はオークションに出され、今も園田で現役です。
※なお、東京・中山での出走がないので一度も生で見れず…。

アトラクティヴアイ(牡・6戦0勝)
https://db.netkeiba.com/horse/2014106022/
募集時はムキムキマッチョだったんですが、一言で表すと、デブの調教番長ですね(愛情表現)。
募集時が494kgで、その1ヵ月後には522kg。その後、本格的なトレーニング開始と胃腸を痛めた影響で480kgまで落ちたものの、結局546kgでデビューを迎えることとなりました。
帰厩時のコメントで「また大きくなりましたね…」なんて書かれるほど、大物感あふれる1頭(物理的に)でした。
調教の動きは悪くないものの、レースでは鳴かず飛ばず。
引退後はオークションに出され、今も南関で現役です。
※こちらも毎回都合が合わず、一度も生で見れず…。

ヴァルディノート(牡4・20戦2勝 ※現役)
https://db.netkeiba.com/horse/2015104799/

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新路の出資馬の中で唯一中央で2勝を挙げてくれている稼ぎ頭です。
募集時の写真がムキムキマッチョで一目惚れしました。
かつてはダノンスマッシュと0.9秒差インディチャンプと1.1秒差で負けた経験もあります。行き脚がつかないという弱点があり、1000万条件に上がってからはクラスの壁に阻まれています…。降級制度廃止の煽りをモロに受けました…。
近頃は障害練習も取り入れて心機一転しようと頑張っていますが、そこに活路が開かなかったら引退も近いかなぁ…。

フィルムフェスト(牝3・6戦1勝 ※現役)
https://db.netkeiba.com/horse/2016104864/

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(こっち見んな)
単勝1倍台に3回支持されていますが、すべて裏切っており、いろんな方面から恨みをかってないか心配な1頭です。
500万条件での走りからも今後が期待できると思ったんですが、福島の不良馬場でガタッとなり、その後の直千競馬でもシンガリ負け。精神的な問題を抱えているかもしれませんし、誰かの恨みの影響かもしれません…。
秋口には放牧先で「日光浴を取り入れてます」なんて異質なコメントが出されており、本当に精神面が心配で心配で仕方がありません…。
馬券に絡んだのは全て中山ですが、なぜか陣営は「フラットコースのほうがいい!」と言っており次走は小倉目標だそうです。
一口馬主を始めると、こういう自分と陣営との考えのズレに時折ストレスを感じることもあるので、馬だけでなく厩舎でも選べとよく言われています。

ジェネティクス(牡2・3戦1勝 ※現役)
https://db.netkeiba.com/horse/2017102686/

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募集時のムキムキマッチョ具合に惹きこまれました。
やけにうるさいツイートにアトラクティヴアイのことと一緒に書いてましたね…:( ;´꒳`;):

オキザリス賞では気性の幼さを見せて敗れはしたものの、最後にジリジリ伸びてくるところは見せてくれました。
北海2歳優駿勝ち馬のキメラヴェリテに4馬身差、兵庫JG勝ち馬のテイエムサウスダンに8馬身差で先着しており、今の時点で実績は十分。
府中・中京以外の1400mまでなら対応できると思うので、来年以降に期待の高まる1頭です。

エクスプレッサー(牡2・1戦0勝 ※現役)
https://db.netkeiba.com/horse/2017105370/

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つい先日、デビューしたばかりの1頭です。父スクリーンヒーロー、母父カーネギーの堀厩舎ということで、ピンとくる方はピンときたと思いますし、ピンとこない方はピンときてないと思います。
出資の決め手は血統構成なのは紛れもない事実で、最初こそモーリス!モーリス!と騒いでいましたが、この子にはこの子の馬生が待っています。
血統構成で一括りにして、肝心のこの馬の個の部分を何も見ていないな…と気づいたのが出資から少し経った時のことでした。
その反省を踏まえて「その馬自身を見る」というスタイルに切り替え、今の調教全振り予想になった(極端)ので、新路の競馬人生に一つの大きなターニングポイントを与えてくれた大事な一頭です。

シーザリオの18(牡1・来年デビュー予定)
https://db.netkeiba.com/horse/2018105076/
あのコピペで有名なモーザリオです。
顔が可愛すぎる。反則級に可愛い。やばい。目のクリクリ具合がすごく可愛い。やばい。牧場見学行ったら尊すぎて直視できなくなりそう。やばい。どうしようめっちゃ可愛い。いい名前付きますように。

リアルな収支

興味はあるけど、実際にいくらかかるのかわからないと始めにくい部分もあると思いますので、リアルな部分をお伝えしたいと思います。

簡単にクラブ入会後(キャロ:400口)にかかる費用をまとめます。
 ①1回だけ払うもの
  ・入会費:22,000円
  ・出資代:馬による
 ②毎月払うもの
  ・月会費:3,240円(38,880円/年)
 ③年1回、出資馬ごとに払うもの
  ・保険代:馬による(初年度は一口金額の3%)
 ④月1回、出資馬ごとに払うもの
  ・維持費:
    牧場にいるとき:一口あたり約1,000円
    入厩してるとき:一口あたり約1,800円~2,000円

次にレースに出走した時にどれくらいもらえるのか、ざっくり書きます。
(例:ジェネティクス(牡2) 2019/9/28 阪神5R 2歳1勝クラス 2着)
 ①収入
  ・本賞金:2,900,000円
  ・出走手当:451,000円
  ・内国産馬手当:280,000円
  【合計】3,631,000円
 ②支出
  ・進上金:636,000円(調教師・騎手へお渡しするお金)
  ・いろんな税金・手数料:545,505円
  【合計】1,181,505円
 ③一口あたりの配当
  (①-②)/ 400 = 6,123円

実は手当のおかげで、惨敗しても一口あたり900円くらいは咥えて帰ってきてくれるので、コンスタントに走ってくれさえすれば、維持費的な部分はあまり気にならないです。
なので、勝てない場合は一口の金額がそのまま赤字になるようなイメージですね。

さて、そんな新路の丸5年での収支ですが、60万円の赤字でした…:( ;´꒳`;):
※シーザリオの18の一口30万円は含めていません。

いいんだ…みんな可愛いから…

新路のような相馬眼のない人でも、年2~3頭出資で、1年あたり12万円くらいの赤字で済んでいます。月1万円と考えれば、趣味としては結構ハードルが下がった気がしませんか?

ノーザン系のクラブ会員になると、なんと、社台スタリオンステーションの見学(最大年4回)もできます。
1時間くらい、牧場の方の解説付きでじっくり見学できるので、その特典だけ考えてもいい趣味になると思います。

さぁ、今すぐ「新路さんの紹介で入会します」とクラブに問い合わせましょう!!(紹介制度はない上に、痛恨の会員募集期間外

おわりに

こちらの記事は、
競馬 Advent Calendar 2019(https://adventar.org/calendars/4708)の企画に参加させていただきました。

企画者のTakkuMattsuさん(@NorsteinBekkler)、
楽しい企画をありがとうございました!!٩(๑òωó๑)۶

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