赤羽

時を越えて流れている
大きな背中追いかけてる
向かうは京浜東北線
220円で帰れる距離で

下した万札の使い道
失望した顔のキャッチの為じゃない
売れない路上ミュージシャンの
目の輝きは誰も知らない

夕焼けが隠れるは花団地の影
桜など舞い上がらない坂道を登って

あなたの吸っていた息を
たった今吸っています
あなたの歩いた足跡を
今、辿っていく

ここはきっと変わったんだろう
色鮮やかなこの街並みも
痛んだから取り換えられる
傷んだのはその胸も、かな

悲しみのその果てには何がありましたか
ただ笑顔がある事をまだ信じてもいいの

あなたの吐いた煙を
たった今探しています
あなたの過ごした青春が
今、染まっていく

きっとこの街は今
誰かの背中を押して
心を揺らし続けている
まだ旅は始まったばかりだ

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