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大麻を吸うとどうなるの?

ぜんてい

この記事は日本国内の法律を侵す意図や、それを教唆するものでは一切ありません。また、違法薬物の摂取を推奨したり、ほう助する意図もありません。この記事は日本国憲法第21条によって守られています。


はじめに


大麻(マリファナ)を吸うとどうなるのか。
まずは日本国政府の見解からみていこう。
大麻を吸うとどうなるの?と聞かれたとき、
多くの日本人がよくわからないか模範通りの答えを出すであろう。
模範通りとは何か。

大麻を乱用すると、記憶や学習能力、知覚を変化させます。乱用を続けることにより、「無動機症候群」といって毎日ゴロゴロして何もやる気のない状態や、人格変容、大麻精神病等を引き起こし、社会生活に適応できなくなります。また、女性も男性も生殖器官に異常が起こります。

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000193691.html

以上のような回答だ。もちろんテストでは100点の回答である。
この記事を書いている2022年現在、大麻(マリファナ)の使用を公言している諸外国の人間たちを見てみよう。
無動機症候群とやらにかかっているであろうか。
大麻精神病とやらにかかっているであろうか。
カナダのトルドー首相は自身の大麻使用について公の場で認めている。
では、カナダのトルドー首相は無動機症候群かつ大麻精神病患者なのかという点だ。そして、無動機症候群や大麻精神病というものが日本以外の国で医学的、科学的に発見されているのだろうかという疑念も残る。
いやいや、カナダや多くの外国人たちは乱用していないから大丈夫なのだと考えがちである。
しかし厚生労働省の定義によると乱用の定義は1回である。
1回でも使用したら乱用なのである。
このあたりは霞が関文学に精通していないと読み取りにくいが、そう定義されている以上仕方ない。
簡潔に述べよう。
日本国に住まう人には科学では証明できない何らかの受容体が存在し、それら受容体のせいで日本国内はおろか、日本国籍を有したるものが合法国で大麻を摂取したりなどすると大麻精神病にかかってしまうのである。
私はこれを大和魂受容体と呼んでいる。


さて、私は別に厚生省や政府を批判したいわけではない。
先ほどの引用文の大麻の箇所をアルコールに変えて読んでみよう。

アルコールを乱用すると、記憶や学習能力、知覚を変化させます。乱用を続けることにより、「無動機症候群」といって毎日ゴロゴロして何もやる気のない状態や、人格変容、アルコール精神病等を引き起こし、社会生活に適応できなくなります。また、女性も男性も生殖器官に異常が起こります。

まさにその通りなのである。
この文章は血中濃度がマックスに達している時の様を述べているのである。
それをさも尿なりなんなりで身体から抜けてもこのような様になってしまうと”読み手が勘違い”しているに他ならない。

大麻を吸うとどうなるの?

まず、喫煙によって肺から毛細血管へと流れた大麻成分が脳に届くまで時間はかからない。煙草の喫煙とほぼ同じ程度である。
まずは後頭部を殴られたような衝撃が走る。
無論たとえ話であるから痛いわけではない。
アルコールでいうところの40度以上の酒をショットグラスで飲むと急に臓腑が温かくなるのに似ている。
じわじわくる時もなくはないが、多くは突然ガツンとくるであろう。

何がガツンとくるのか。
酩酊感である。
アルコールも同じダウナードラッグではあるものの、脳内麻薬でいうところのドーパミン系である。(余談だが覚醒剤もドーパミン系であるとされている)
大麻の酩酊の由来はドーパミン系ではない。
セロトニン系である。
ゆえに大半の人間が酩酊するアルコール、即ちドーパミン系の酩酊しか知らないわけであるから文章でセロトニン系の酔いを説明するのは殊更難しい。
しかし、あえて言うなら多幸感である。
具体的には何が起こっても笑ってしまったり、身近な存在のありがたさに気づいたりしてニコニコ笑いがとまらないような状況にある。
そんな中でもアルコールと同じで脳は概ね機能しているので飲食や排泄に全く支障はない。
多くはそれぞれのリラックスできることをする。
映画を見たり、音楽を聴いたりなどだ。
アルコールと違う点は5感が鋭くなるので、音楽鑑賞や飲食を伴うと解像度が高まるので人気のセッティングのようだ。
何をするのか?で酔いの質が変わるのはアルコールと同じであるが、カラオケで例えるなら

  • アルコール(ドーパミン系)ではとにかく歌うのが楽しい!大声!!

  • 大麻(セロトニン系)ではとにかく聴くのが楽しい!もっと歌って!

になるのである。多くの日本人ならば前者の酔いは経験したことあるのではないだろうか。

こうした酩酊の第一ステージがを過ぎると身体が重くなり眠くなる。
人によるだろうがアルコールの比ではないというか、アルコールとは別の物質で酔っているのだから比べようがない。
吐き気が起こることはまずない。
身体や瞼が重くなり眠ってしまいたい願望に駆られる。
そうこうしているうちに眠りにつくのが常である。

ここまで約2時間から4時間である。
5時間以上というのはまず聞かない。
大麻の中に含まれる酩酊成分THCの半減期が2~5時間だからである。
半減期にばらつきがあるのは体質もさることながら、大麻は大麻草という植物そのものだからである。

大麻は植物そのもの?

意外と知られていないが、大麻というドラッグはただ単に大麻草という植物の花穂を乾燥させただけに過ぎない。過程で考えると、タバコ葉を使ったタバコや、茶ノ木を使った緑茶より単純なのである。
物質が何であるか見た目だけでわかるという単純な要素も、いわゆる大麻は安全論で語られる一面である。
混ぜ物がされてるかもしれないじゃないか!と一部の方は思うかもしれないが、植物単体で完成しているものにあえてわかりにくいようにさらに予算をかけて細工をする可能性のバカバカしさを考えていただけたら幸いである。

矢口高雄の自伝 ボクの手塚治虫

喫煙の習慣がなかった日本ではこのように使われていたようである。
あまり話がそれてしまうのはよくないので話を戻そう。

THCとCBD

大麻成分として先述THCを記述したが、CBDについてもここ最近世界的なブームで日本人でも聞いたことがあるだろう。
化学的性質はさておき両者の違いを雑にわかりやすく述べると

  • THC 酩酊成分であり薬効成分

  • CBD 酩酊成分はなく化粧品成分

と覚えておけばまず大丈夫であろう。
そのTHCとCBD(含むその他の有機化合物)を同時に摂取できるのが大麻というドラッグなのである。
THCの作用でハイになりCBDの作用でリラックスして眠る。
一言でいうならただそれだけのドラッグなのだ。

大麻の依存性は

結論から言うと身体依存は科学的に否定されている。
論文を引用してもなんのこっちゃとなりかねないので割愛する、厚生労働省以外のソースでは身体的依存性認められていない。
今ここで身体的依存と述べたが、身体依存と精神依存は異なることに気を付けないといけない。
煙草の身体依存性は驚くほどに低く、精神依存性は驚くほど高いといえばピンとくるだろう。

では大麻の精神依存性はどの程度なのか?
どんな大麻愛好家でも仕事の合間に吸う人間はまずいない。
先述の通り、酩酊するし眠くなるからだ。
アルコールが大好きな筆者も、さすがに就業中はアルコールを摂取しようと考えたことすらない。
つまり、ひどく依存体質な人間であれどアルコールと同程度であり、多くの場合アルコール以下の精神依存であるというのが今現在の世界的な結論である。
月に一度やるかやらないか。その程度の薬物である。

大麻は安全って本当?

大麻の箇所を酒でも塩でもなんでも置き換えて考えてみて欲しい。
そう、どんな物質も安全というものは担保されていない。
つまり大麻も安全ではない。
ただし、命の危険はないといっていいだろう。
しかし統合失調症発症リスクというものがある。
もしかしたら、厚生労働省のいう大麻精神病とは統合失調症の事なのかもしれない。これは先天的に統合失調症リスクを抱えた人間が大麻を摂取した場合、発症リスクがあがるというものだ。
血縁者に統合失調症がいる方は控えたほうがいいのは紛れもない事実である。
加えて記憶中枢にもなんらかの影響を与えると言われている。
転じてアルツハイマー型認知症治療薬として大麻由来の医薬品が恐らくもう既に治験されている。
つまり裏を返すと20歳未満には危険だということだ。
20歳と規定したのは日本の成人年齢に従ったまでで、脳への作用などを考えるとアルコール、生活習慣などもろもろの条件が加算されるため一概に何歳以上ならリスクよりリターンが勝つと断言するのは難しい。
厚生労働省の喧伝するような危険性はないが、かといって安全な物質であるわけではない。
そして最大のリスクは日本国では逮捕されるということだ。
これは、事実上の社会的な死を意味する。
被害者なき犯罪にも関わらず、下手をすれば被害者のいる犯罪以上に非難され、居場所を失くす。
そうして居場所をなくした先にあるものが希望か闇かは想像に容易い。
愚行権の行使に逮捕される覚悟をもって臨まなくてはならないというのも些か歪な話ではあるが、法治国家で一般国民として生を受けた以上享受しなければならない現実なのだ。

おわりに

大麻を吸うとどうなるの?から話がずいぶんと脱線してしまった。
本当にどうなるのかは今この文章を見ている端末でmarijuana commentary(マリファナ 実況)などのワードで検索すればあらゆる実況が部屋にいながら見ることができるだろう。
大麻を吸っても日常生活は何も変わらない。
つらいことはつらいままだし、万能感も全能感も得られない。
もちろん絵が上手くなったり音楽の才能が芽吹いたりすることもまずない。
しかし、見える景色が少しだけ美しく見えるかもしれないだけの植物。
何も変わらないのだから、安易に手を出しては決していけない。



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