極貧詩 7             水が漏れる風呂

家の外の風呂
粗末な杉板の囲い

楕円形の木製風呂
薪を燃やして水を温める

川から水をくむ
あんちゃんとねえちゃん
大きなバケツで運ぶ

自分と弟
小さなバケツで運ぶ

風呂の準備も母の仕事
バケツの水を風呂桶に入れる

山から運んだ大枝、小枝
父が割った薪

紙をくしゃくしゃにする
小枝の下に置く
福助マッチを擦る

火が付く
大枝、薪をくべる

風呂桶の下が
少しづつ濡れてくる
漏れ始めた

父、あんちゃん、ねえちゃん
順番に入浴
母と自分と弟
一緒に入浴

少なくなっているお湯
急いで入浴をすます
時間との闘い

風呂桶の下の方
ヌルヌルした感触
これは何?

考える間もなく
入浴終了

お風呂にはいれるだけで
良しとしなくちゃ








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