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選曲リスト:挙式編

1.光田康典『夢のはじまり』

 挙式会場に列席者の皆さまに入場頂いている時の曲です。ここから4曲は、新郎入場までの迎賓の間にかかっている曲です。
 『クロノ・クロス』は前作があまりにも偉大な名作であるため、比較されて霞んでしまうこともありますが、こと音楽に関しては負けず劣らずだと思っています。光田康典音楽が確立されたのも、この作品のBGMからだと思っています。後に発売されたソロアルバムに、曲調が反映されているのが、それを物語っています。
 この曲は、曲名ありきで決めました。結婚式って準備を含めて非日常の連続。その結実として当日がある。夢のような一日がはじまっていくのにふさわしい曲かなと思っています。

2.光田康典『神の庭』

 『クロノ・クロス』のサウンドトラックとの出会いは中学生時代、高崎の市立図書館がまだ古い庁舎だった頃。当時の私はゲームで流れるBGMに興味を持っていて、市立図書館にはそういったCDが少し多めに所蔵されていました。他にもクラシックを始め、ポップス洋楽映画音楽ダンスミュージック、ジャンルも年代も様々に所蔵されていて、今でも変わらず、多様な(司書さんの趣味が多分に反映された)所蔵に心躍らされます。
 ウェディングドレスを着てもらうならば、コーラスやハープ、オルガンが綺麗な曲がいいな、というのがありました。そこで1番に思い出したのがこの曲です。しかし挙式は和装人前式という、真逆の方向に。そこで、ミスディレクションを狙う曲として選びました。どうでしょう、普通のドレスで入場してくると思いませんでしたか?

3. 梶浦由記『in the garden of sinners』

 梶浦由記との出会いは、劇場版『空の境界』を見に行った時のこと。高校時代のひげの濃い友人と仲直りをし、そのひげの友人がネット経由で知り合った人と、3人で映画館に行き、その音楽に衝撃を受けたのを覚えています。
 劇場版第一章のオープニングでかかる曲なのですが、印象的に使われているのが劇場版第五章のエンディング直前、主人公の夢の中のシーンです。このシーンがとても美しいシーンで、曲がまた清らかで儚げで……。このシーンがあるからこそ第五章は、救われた話として成立している。
 とても綺麗な曲なので、教会式にもってこいだと思っていたのですが、前述のとおり人前式になったので、ミスディレクションを狙いました。

4. 梶浦由記『福音』

 当時読んでいた本のおかげで宮藤官九郎アレルギーを克服し、『あまちゃん』の再放送をぽつぽつと見ているうちに、どっぷりと朝ドラにハマった時期がありました。その頃に本放送されていたのがこの『花子とアン』です。音楽の担当は前述の梶浦由記と、その部分も楽しみに見ていました。
 この曲は、優しい場面で流れることが多い曲。『花子とアン』は明治から昭和にかけてを描いた作品です。戦争も有るし震災もある。朝ドラはそういった困難があっても立ち上がる人々、ひょんなことから救われる人々を、尺を贅沢に使って描くことが多いと思います。
 この曲をBGMに、主人公が多くの仲間から救われるシーンがあります。困難な状況にあっても、救いが訪れることを願って選びました。

5. 佐橋俊彦『鹿男あをによし エンディング・テーマ』

 え、これが民放ドラマのエンディング曲?一押しアーティストのタイアップとかじゃなくて?というのが第一印象の曲です。後で作曲者を調べてみると、佐橋俊彦。納得です。
 佐橋俊彦との出会いは、私が小学生の頃から愛して止まない『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』の音楽です。残念ながらこのアニメの曲は、アニメすぎるので今回は使用を見送っています。
 妻さんによると、この曲は吹奏楽経験者にもそれなりに有名なようです。東京佼成ウインドオーケストラがアルバムに収録していて、youtubeで聴くことも出来ます。
 この大袈裟な曲で新郎が入場するのも面白いんじゃないか、ということで選びました。

6. 作曲:JUN  編曲:山口裕史『「Reset」~「ありがとう」バージョン~』

(live版)大神 ~PRESS START2009より~

 和装するなら、絶対にこれをかけたい!そう思っていたのが、『大神』の『太陽は昇る』でした。しかしこの『太陽は昇る』は勇ましい雰囲気の曲。新婦の入場にはなんとなく合わない。そこでこの『「Reset」~「ありがとう」バージョン~』を選びました。
 作中では、窮地に立たされた主人公に、今まで出会った世界中の人々からの祈りが届き、再び主人公が立ち上がる、というシーンでかかる曲。この曲の後、前述の『太陽は昇る』が繋がってかかります。
 本日お集まり頂いた皆様は、今まで出会ってきた大切な方々。そんな皆様より祝福された新郎新婦は、窮地に立たされても再び立ち上がる事ができる。そう思って選曲しました。
  Live版のこの曲は、尺八と三味線が聞かせるアレンジ。より壮大な感じになってます。

7. 佐橋俊彦『The Wonder Years ~あの素晴らしき歳月(としつき)に~』

※Youtubeに動画がありませんでした。

 私が朝ドラにハマっている時期に一気観したのが、『ちりとてちん』という作品です。しかも音楽が前述の佐橋俊彦。言うことなしです。
 作中で主人公の落語の師匠が、演目の中で印象的にはなす「その道中の陽気なこと~」。この曲に乗せて誓いを立てた二人の道中が、どうか陽気なものでありますようにという願いを込めました。
 ところで、落語をテーマにした作品は、『タイガー&ドラゴン』『昭和元禄落語心中』と、素晴らしいものが多いですね。いつか私も、寄席に行ってみたいなぁ。春風亭昇太とか、神田松之丞とか。

8. 川井憲次『main theme_opening』

 『スカイ・クロラ』は妻さんがとても好きな作品で、初めて一人映画館をし、しかも初めて映画館で2回見た作品のようです。映画監督や映画音楽、原作などを意識した初めての作品だとも言っていました。私も、押井守✕川井憲次で森博嗣の作品を映像化すると聞いて、楽しみにしていた作品です。
 川井憲次の曲を初めて意識したのは、『攻殻機動隊Ghost in the Shell』だったかなぁと思います。しかし出会いはもう少し前、『サンサーラ・ナーガ2』のBGMでした。その頃の曲から、哀愁と不気味さと厳かさを同居させたような、不思議と癒やされる曲が特徴だと思います。
 その神秘的な曲調から、【水合わせの儀】に丁度いいのでは!ということで選んでいます。

9. 麻枝准『同じ高みへ』

 大学時代に『CLANNAD』をプレイした当時から大好きな曲で、いつか結婚式を挙げる時には必ず使いたいと思っていた曲。念願が叶った!
 この作品は、街と家族の物語であると思いますが、ミクロの視点で言えば、主人公とヒロインが、長い長い坂道を、同じ高みへ登って行こうという物語だと思います。作中ではそのような場面ではこの曲はあまりかかりませんが、この曲こそ、この物語を象徴する曲だと思っています。アニメ化される際にこの曲が大胆な編曲をされて主題歌になったのも、裏付けの一つです。
 指輪を交換し、誓いのキスをする。二人で同じ高みを目指したいという決意をこの曲に込めました。

10.   Howard Shore『"The Return of the King"
          (featuring Sir James Galway, Viggo Mortensen, and            RenéeFleming)                』

 小学生・中学生の国語の授業で、決まって男子のおすすめ図書(上級者向け)に登場するのが『指輪物語』でした。映画1作目が上映されたのは中学生の時でしたが、高校生になって初めて1作目を見た時の衝撃と言ったら。主人公(フロド一人だと思っていた)が弱っちく、いわゆる勇者ではないこと。視点人物が1人じゃないこと。魔法使いが意外と武闘派なこと。他にも色々ありますが語りだすと紙幅がたりません。
 『The Return of the King』は、3作目のフィナーレでかかる曲で、今回使用した箇所は、39年の時を経て許しを得た二人が結婚するシーンでかかります。指輪物語なのにどうして指輪交換の時にかけないのか、と思われるかもしれません。しかし作中でのこのシーンは、指輪の交換は描かれておらず、むしろ大勢から祝福されるシーンなので、結婚の承認をいただく時にかかる曲としては、実は作中に沿っているのです。

11. Keala Settle『This is me』

 NHKの『おげんさんと一緒』という番組で、高畑充希が紹介していたのがこの曲との出会いです。こんなにも感情が溢れていながらもパワフルに歌い上げる。この人は一体どうなっているんだ。見ているこっちも感情が溢れて来る。動画中、キアラ・セトルが譜面台をよけて前に出る場面、いったいどれだけの勇気を出しているのだろう。

私にも愛される資格がある。値しないものなど何一つない。

 キアラ・セトルのように、怖くても、一歩踏み出していく。挙式を終え、これが私だと、これが私達だと、胸を張って歩き出していく。愛される資格がある。愛する資格もある。そういうシーンにしたいと思い、この選曲となりました。



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