webメディア業界を決算書から読み解く #20代マーケピザ 養成所オンライン

最近、クライアントとフットサルすることになり、密かに特訓している荒井です。(クライアントとビジネス以外の場で対面することって中々ないのでどうなるやら、、これを機にクライアントとの仲が良くなれば良いなと思いつつ、、)

というわけで、今回は#20代マーケピザ 養成所オンラインの課題である

「業界の企業3社のビジネスモデルと業界の課題を決算書で読み解く」を行いたいと思います。

「決算書を読む」という行為は、会社から求められることはほぼないのかなと思います。そのため、今回の機会をきっかけに仕事にも活かしたいと思ったのですが、正直かなり難しかったです、、

webメディア業界を選んだ理由

大まかにいうと自分が広告代理店勤務という観点から選びました。詳細にすると以下2点になります。

1.広告の媒体としてどうなのか?

仕事でリスティング広告を行なっているため、広告の媒体提案をクライアントに行う機会は多くなります。とはいえ、実はGoogleとYahooにしか広告出稿機会がなく、、広告媒体に使えそうなwebメディアを調査することで今後の仕事の参考にしたいと思ったことが1点目の理由です。

2.今後コンテンツがより重要視されると考えたから。

広告って観点から見ると、今後はいかに「広告を広告と感じさせないようにするか」が鍵と考えています。今ネット広告の市場が伸びていますが、バナー広告とか正直うんざりしている人って多いのかなと思います、、笑(正直自分もユーザー側に立ったらめんどくさいなって思いながら見てます^^;)

そもそも「ユーザーが求めているであろう情報を伝える」というのが広告なのだから、本来広告は、快く受け入れられるものであるべきと思います。

快く受け入れてもらう方法としては、やはり「ユーザー側に楽しんでもらう」ということは必要かなと思いますし、それが広告が今後目指していかなくてはいけない方向でもあるのかなと思います。そのため、今回独自コンテンツを持っているwebメディア業界を調査することは必要と感じたのが2点目の理由です。

企業分析1.Gunosy

(1) 選定理由

1つは知名度が高いメディアと考えたからです。テレビCMもやっていますし、アプリランキングでも上位に掲載されるので調査は必須かと考えました。

(2) ビジネスモデル

決算書にも記載されていましたが、ビジネスモデルは「広告ビジネス」です。そのため売り上げの方程式としては「売り上げ=ユーザー数×1ユーザーあたりの売上(ARUP)」となります。では、実際に決算書を見てみるとどうでしょうか。

(3)決算書を見て

まず対前年比(四半期)は売上15%増加、通期だと34%増加でした。

スクリーンショット 2019-09-19 23.06.19

なぜ売上が伸びたのか?更に読み進めていくと恐らく以下2点かなと考えます。

1.メディアの増加やクーポン訴求によるユーザー数増加

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広告ビジネスは、いかにユーザーを集めるかが重要です。人が見ない所に広告出しても効果が薄いですもんね笑。そういう意味ではユーザー数を増やす施策がうまくいっているのかなと思います。

2.アルゴリズムの改善

これは仮説ではありますが、アルゴリズムの改善によって広告ターゲティングの質も上がった可能性もあります。正直広告代理店側にとっては、ユーザー数が多いことに加え「どれだけ広告ターゲティングの質が良いか」ということも重要視します。20代男性に広告当てたいのに、実は40代男性に当たっていたら意味がなくなるので笑。結局ユーザー数の増加によってデータが多く集まり、精度が高くなったことが一番の要因ではあるかと思いますが「アルゴリズムの改善」という文言が入っていたため、もしかしたらあるかもなと思い記載しました。

(4)業界内の立ち位置

広告ビジネスで成り立っているあたり、ネットだけどどこかテレビに近い形かなと。幅広い層に有益な情報を与えるということに特化しているという印象を受けました。

(5)強みと今後の課題

強みとしては、認知度が高いということかなと。ニュース記事を課金しなくても成り立っているため、恐らくユーザー数を十分集めることができているのでしょう。

課題としては、今後多くのユーザーから集めたデータをどう使っていくか?それがまたビジネスを拡大できる切り口になるかと思うので今後の動きに注目したいです。


企業分析2.ユーザーベース

(1) 選定理由

グノシーと比較されることが多い、Newspicksはじめ多くの事業を行っている会社です。ちょっと前まで自分が課金ユーザーであったことから、グノシーとはまた違うビジネスモデルをしていると考えたため選びました。

(2) ビジネスモデル

個人課金と広告ビジネスの2種類でした。

売上の方程式は、グノシーと同様「売り上げ=ユーザー数×1ユーザーあたりの売上(ARUP)」ですね。

(3)決算書を見て

前年比だと85%売上増と高い成長率だなというのが第一印象です。

Quartzという海外メディアを2018年7月に買収していますので、売上が増加するのは当然ですが、既存事業でも増加できているよ。という印象を与えたいという意図があるスライドかなと思います。

ユーザベース決算1

事業ごとの実績をまとめたスライドもあったのでそちらも見てみました。

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SPEEDAは契約ID数が順調に伸び、それが売上増加にも繋がっています。海外ID数も増加していることから、海外市場にも徐々に拡大できている状況かなと思います。

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NewsPicksですが、こちらは有料課金ユーザーは伸びてはいますが、直近だと成長率が鈍化しています。様々な課金体系があるため、各課金体系のユーザー数や年代ごとの売上はどうなのかな、って個人的に気になりました。

全体の売上が昨年より伸びているのはユーザー数が増えているから当然だと思いますが、今後の成長率を考えると取り込めているユーザー層って重要かなと思うので。

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上記の施策を読み進めていくと仮説としては、ターゲット層は年齢層の高い方を重点的にしているのかなと考えます。かつユーザー数を増やすよりは1ユーザーあたりの単価を増やす方向にシフトしているのかなと。①、②ともに学生というよりはビジネスマン(元々ビジネスマンターゲット事業だとは思いますが)に焦点を絞っている気がするんですよね。②の場合、学生ターゲットだったらわざわざ特定時間に流す必要ってあるのかなと思います。

あとは③の法人販売を本格的に開始するということから、こちらも1ユーザーよりは単価が高いはずなのでここからも単価を上げることを狙いにいっているのかなと考えました。

(4)業界内の立ち位置

グノシーよりはターゲット層が明確(ハイキャリアを目指すビジネスマン)で、かつ記事情報だけにとどまらず事業を拡大していきたいという印象を受けました。グノシーが安定ならユーザーベースはイケイケって感じでしょうか。

(5)強みと今後の課題

強みは収入源が多いことではないでしょうか。主な事業が3つあることと日本市場だけでなく海外市場にも手を出せていることからも今回挙げた2社と比較すると拡大余地はかなりあると考えます。

今後は、いかに有料コンテンツの質を上げるかということかなと。広告ビジネスでも十分成長できていますが、


企業分析3.All About

(1) 選定理由

恥ずかしながら僕自身が知らなかったってことが理由として大きいです、、

こういう機会で今まで自分が知らなかった会社を知ることができると前向きに捉えていきますね💦

(2) ビジネスモデル

マーケティングソリューションとコンシューマーサービスの2軸で成り立っているとのことです。

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こちらも以下にユーザー数を取り込むか、もしくは1ユーザーあたりの単価を増やすことが重要になってくるのかなと考えます。

(3)決算書を見て

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前年比だと約7%売上が増加していますが、過去と比較すると成長率は落ちているかなというのが率直に感じたことです。

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売上の内訳を見ると、4Qで伸ばせたことが全体の売上増加に繋がっています。

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マーティングソリューション事業を見ると今まで伸ばせていたコンテンツ提供と検索流入数の減少が売上低下に繋がった理由となっています。グノシーやNewsPicksなど競合にユーザーが流れた影響はあるのかなと考えます。

今後の施策として、Docomoと協力し、リーチの拡大と精度を上げることを目指すとのことです。データ量を増やすことで広告ターゲティングの精度を上げることを目指しているのかなと思います。

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一方コンシューマーサービスは順調に売上を伸ばせています。今後は2018年度は災害の影響もあったため、今後は販売チャネルを見直し、効率化を目指す方向性とのことです。


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(4)業界内の立ち位置

記事コンテンツ提供だけでなく、EC事業も行っていることからユーザーの生活に寄り添う企業という印象です。


(5)強みと今後の課題

他2社と比較すると強みはEC事業という全く別の収入源があるということではないでしょうか。

一方で課題としてはやはり認知度になるのかなと。今後認知度を高めるための施策を打つのかそれともユーザーの質を上げるのかどういう方向に進めていくか見てみたいと思います。



まとめ

まず自分がこの業界に参入するとしたら、ターゲット層をかなり絞って狭く深くって流れになるのかなと思います。普通の情報でしたら今回挙げた3企業以外でもLINE NEWSやYahooニュースで見れますし、認知度を上げるにも上位層は揺るがないという印象はあるので、、

また決算を読み進めて思ったことは、当たり前のことかと思いますが、各企業それぞれの企業理念に沿った戦略を取っているという印象を受けました。

グノシー「情報を世界中の人に最適に届ける」→多くの人に情報を届けるため課金ビジネスは行わずにいかに自社の認知を上げるかということを施策として重要視している印象。

ユーザーベース「経済情報で、世界を変える」→ビジネスマンをターゲットとし、より質の高い情報を届けることで、ビジネスマンの成長につなげ、結果それが世界を変えることに繋がる。そのための質の高い情報を届けるため、もしくは室の高いユーザーを確保するため単価を上げにいっているのかなという印象。

All ABOUT「個人を豊かに、社会を元気に」→メディアだけでなくEC事業も積極的に行うことで、個人の生活全般を支えにいくための施策を行っている印象。

概念は「webメディア」であってもやっていることはそれぞれの企業の理念に沿って戦略を立てており、それが決算の資料にも表れていることは個人的に面白かったですし、改めて理念って大切だなと感じました。


一方今回の課題である決算の読み解きは正直自分の中ではまだうまくできていないなと、、因数分解もロクにできていないので、表面上の数字を追ってある程度の仮説をたてることしかできませんでした。。

ここは今後の反省点として頂いた資料や書籍を基に、「そもそも決算とは」という根本から学びなおしたいと思います。





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