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まなみのりさ新曲レビュー②「海嫌い」

この曲の初披露、MCでも触れていたが実は2年前。2018.4.14の新宿ReNYで、この時はアコースティックVer.で披露された曲だ。

その後、広島クラブクアトロ、渋谷O-WESTといった勝負ワンマンでは音源バージョンも披露されていたが、マウントレーニアホールのアコースティックワンマンを最後に封印されていた曲。もちろんこの時もアコースティックVer.なので、YouTubeに上がっている動画は現時点ではアコースティックVer.ばかりというね(笑)。

まさかこの曲をリサイクルしてくるとは!なるほどその手があったか、と思ったさ。半年ぶりのライブとはいえ、準備期間がどれだけあったかわからない中で全曲5曲が新曲のライブ。新生まみり復活duoの7曲には及ばないまでも、最近の持ち曲は歌もパフォーマンスもレベルアップしているから全くの新曲5曲の披露はやはりハードルが高い。そこにレギュラー入りしていない既存曲である「海嫌い」を入れてくる、というのは正に「その手があったか!」と感心したわ(笑)。復活duoで既存振り付けを全く新しい曲に当てた「bye bye バイナリ」の逆襲をちょっと思わせる。

しかし、これはただのリサイクルではない。数段パワーアップして、濃厚なハモリを効かせて改めてまみりの「持ち歌」に相応しい曲に仕上げて堂々のレギュラー入りさせている。

「breath」リリースの時は、「かかとを鳴らして」のスタンドマイク2本による二声ハモとか、「黄昏とは」のユニゾンとかが印象的だった。それに対して今回の新曲5曲はそれこそ「お客さん、いいハモが入ったんですよ」じゃないけれどどれも本来のまみりの持ち味である「三声ハモ」を前面に打ち出した感じがする。その中でもとくに「海嫌い」は以前のバージョンも聴いているだけにそのハーモニーの厚みがより特徴的に出ている曲だと思う。

初披露時はりっちゃんの高音が印象的、というイメージが強かったが、今回のアレンジはサウンドも厚くなったが、それ以上にハモリがさらに厚くなった印象。振り付けももちろん既存の振りを生かしている部分も有るけれども、改めてリニューアルしてパワーアップした歌声に合うような全体の世界観を作り出している。これはもうたんなるリサイクルではなく、新たな曲として再生した「まみり再生工場」の賜物、と言ってもいいんじゃなかろうか。

「カフェテリア」の作者であるcuinaが「海嫌い」という曲を歌っていたという痕跡があり、おそらくそのカヴァーなのではないかと思われる。いや偶然同じタイトルの違う曲、という可能性もないわけではないけど(笑)、カフェテリアのバンドサウンドと相通じるところもあるのでおそらくそうなんでしょう。

「カフェテリア」と同様に、晩夏が似合うこの曲、新しいまみりの「決め球」として活躍することは間違いないだろう。


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