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暗闇の中に差し込んだ光

10/5のタワーレコード錦糸町PARCO店を皮切りに、まなみのりさミニアルバム「できるなら…」リリースイベント4回が行われ、10/16のHMV&BOOKS SHIBUYAのリリースイベントで「一旦の」幕を閉じた。リリイベとはいえ、観客の前でのライブは今年2月以来7ヶ月半ぶり。

確かに2月のまなみのりさは最近では異例の忙しさだった。1日から29日まで予定が入り1ヶ月で12日14公演を予定(うち2/29の仙台は中止)し、GIG TAKAHASHI TOUR中だったこともあり熊谷、広島、神戸、大阪、名古屋と全国を飛び回った。これだけの過密スケジュールは復活後初じゃなかろうか。

そう考えれば3月からのライブ中止も最初は「頑張った骨休め」くらいに思っていたものの、目標となっていたクアトロ2デイズも、広島最大のイベントであるフラワーフェスティバルも中止…気がつけば3年前の活動休止を超える期間有観客ライブができなかっことになるわけで、まさかここまで長引くとは予想外だった。

もっとも3年前と大きく違うのは、この期間も立ち止まっていなかった、ということだ。3年前の活動休止の半年間は、ツイッターこそ更新していたもののライブは愚か配信もできず実質活動が止まっていた。今回はクアトロ2デイズの中止が決まったら、そこで披露の予定だった「Diamond dust」のMV公開、販売予定だったグッズ通販とオンラインサイン会を開始。さらに緊急事態宣言が出て3人で集まることすら難しくなったら、それぞれの家からのコラボ配信を試みたりnanaの重ね録りでのカヴァーソング披露をしてみたり。SHOWROOMの配信もほぼ週一ペースを守って実施。ヒューリックホールのDVD発売や過去DVD映像のYouTube配信など、ライブができないならできないなりに矢継ぎ早に企画を放ってきた。

そして満を持して8/7、8の新曲のみ13回ライブで有観客ライブ復活、の予定だったが残念ながら時勢を鑑みて全公演配信ライブに切り替え。それでも全13回の公演をやりきり、新曲5曲を初披露。その新曲5曲を収録したミニアルバム「できるなら…」の発売と表題曲「できるなら…」のMVを発表。この「できるなら…」収録の新曲5曲が出来上がった、というのは、ライブができなかった期間の大きな「成果」といえるだろう。

そして、やっとのことで有観客ライブがかなったのがその「できるなら…」のリリースイベント。たかがリリイベ、されどリリイベ。いつも「リリイベは4曲、無料定期は5曲と決まっておる(笑)」と言っていたまみりが、それでも今回は5曲入りミニアルバムで「1曲減らす意味がわからん」ということで4回のリリイベすべてで収録曲5曲全てを披露してくれた。

始まる前はステージとフロアの間にビニールシートが張ってあるリリイベ会場を見てがっかりしたもんだが、いざステージが始まってみるとそんなことを全く感じないようなパフォーマンスだったし、ビニールシート越しとはいえやっぱり生で観るライブはその短い間だけでも伝わってくる情報量が違う。配信では感じることができなかった「モノ」を感じることができたのは事実だ。

たしかにできるならリリイベではなくもっと大きなステージで、たっぷりとした時間で観たい、と思うのは当然なのだが、改めて考えると最初の有観客ライブがリリイベ、っていうのも結果的には良かったのかもしれない。10/16のリリイベの最後、りっちゃんが「これからは嬉しいことが重なっていくから」と言っていたから。邪魔なビニールシートが取り除かれ、ステージがもっと広いライブハウスで、そしていずれはホールでワンマン、と、楽しみがどんどん積み重なっていくと思うから。そういう意味ではリリイベとはいえ有観客でできたことは「大きな一歩」なんだ。

今回のリリイベ期間中に広島でのイベントも発表された。これもまたライブとはかけ離れたイベントかもしれないが、まずは帰広で有観客の実績をつくる「大きな一歩」。11月には配信ライブもいくつか決まっているが、さらにリリイベが広島でも、そして全国でもできるように、そして念願のライブハウスでのライブ、ワンマンライブ…と夢は尽きない。

「ただ僕らは夜明けを待っていた」状態を抜け出し「暗闇の中に差し込んだ光の角度は また僕らを未来へと誘う」のだ。

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