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いくつになっても「あの子のことを知りたい」気持ちは変わらないのです

男性の脈ありサインとして、

・趣味を聞いてくる
・好きなタイプを聞いてくる
・恋愛観を聞いてくる

といったものがあるようです。
さすがに40代、50代になってそんな若者みたいな質問しないだろと思っていたのですが、こういう質問をする男の人はいくつになってもするんですよね。


〇趣味を聞いてくる男性

飲み会では必ず中盤から私の隣へ移動してくる、こちらの高木君。

隣に座ると、おもむろに質問してきます。

「朝霧さんって、休みの日は何してるの?」

いや、これには困りました。
独身の時なら答えようがありますが、今の私は主婦であり母ですから。休日は基本的に家のことをしたり、のんびりしたりで、何をしているというわけでもありません。
思わず「え…休みの日…?」と考え込んでしまった私に、

「趣味とかある?」

と、質問を重ねる高木君。すると、

「映画とかみないの?」

と、野瀬さんが助け舟を出してくれます。

「映画は好きですよ。休みの日じゃないけど、レイトショーは時々ひとりで見に行きます」

すかさず高木君。

「どんな映画が好き?」

「結構なんでもみるけど。SF、サスペンス、アクション…あと社会派の映画も好き」

高木君はしばらく難しい顔をして考えて込んでいましたが、

「〇〇ってみたことある?」

そこからは、「みたことない」「検索してみて」「…これ?」「そう。これ、絶対面白いからみて」という感じで、おすすめ映画を3本くらい紹介されました。

「絶対見てよ、感想聞くからね!」

これはもしかして、映画の感想で盛り上がったあとに「今度一緒にレイトショー行こうよ」という流れになるのだろうかと想像したのですが、コロナウイルスの影響で、あれ以来、高木君とは一度も会っていません。
すすめられた映画は本当に面白かったので、感想だけは伝えたかったんだけど。
ちなみに、高木君は40代半ばです。

これと似たようなことが、以前にもありました。
仕事関係の方から、

「朝霧さん、いつも家帰ってから何してるの?」

ときかれたので、真面目に「家事してます」と答えたら、

「家事なんて2時間くらいで終わるでしょ。そのあとは何してるの?」

と、さらに突っ込んできます。私が困っていると、

「本とか読むの?」

と、質問を変えてきました。ちなみにこの方、60代の男性です。

「最近ゆっくり本読む時間はありませんけど、基本的に読書は好きです」

「どんなの読むの?」

「なんでも読みますよ。日本文学、外国文学、大衆小説、ちょっとしたエッセイとかビジネス書も」

「いちばん最近読んだのは?」

なんとなく、読む本で思想とか全部バレちゃいそうな気がして(面接で愛読書聞くのは、実はNG)返答に困っていたら、ほかの人が助け舟を出してくれました。

「フィッツジェラルドとか言っとけばいいですよ」

「あ、グレート・ギャツビー読みました」

ありがたく、便乗。


〇好みのタイプを聞いてくる男性

まずは、こちらの方。

「朝霧さんは、素晴らしい花を咲かせてくれました」と言ってくださった、常駐先の50代男性。
セクハラに厳しい時代なので、普段は雑談なんてまったくしないのですが、飲み会の席で「こんな個人的なこと聞くのはあれだけど…」と前置きしつつ、

「朝霧さんは、どういう男性が好きなの? 芸能人でいうと、どういうタイプ?」

これもなかなか難しい質問ですが、真剣に質問されると、真剣に答えなければと思うのが人情。

「いわゆるイケメン俳優とかジャニーズ系のアイドルとか、そういうタイプにはあまり興味ないです」

こう答えた時の彼の満足そうな顔は、今でも忘れません。

ほかには、映画の話で助け舟を出してくれた野瀬さん。私の隣の席に座っていた女性が席を外したとたんに、

「朝霧さんの好きなタイプって、どんな人?」

「好きなタイプって、別にないかなぁ…」

「じゃあさ、この3人だったら誰がいい?」

両隣に座っている男性の肩に腕を回す、野瀬さん。
本音を言えば、迷わず野瀬さんだったのですが(顔だけなら)、余計な期待を持たせてはならないと自分の中の何かが警告しています。
私がどう答えるべきかと3人の顔を順に見比べている間、彼らは真剣な顔で私を見つめ、身じろぎもせずに返事を待っています。

幸い、隣の席の女性が戻ってきたので、回答しないままこの話は終わったんですけどね。
ちなみに、野瀬さんは40代後半です。


〇恋愛観を聞いてくる男性

「朝霧さんは、好きな人に対しては自分から積極的にいく方?」

こう質問してきたのは、なんと還暦前の男性。

営業同行にかこつけてドライブデートを目論んでいた、こちらの元上司です。
この頃は、まだそれほど関係が悪くなかったので、

「私は自分からは行けない方ですね~」

と軽い気持ちで答えたところ、

「自分から行かなくても、男の方から寄ってくるだろうけど」

と、ニヤリと笑う元上司。
この時、私が「好きな人には自分からいきます! 来られるのは嫌いです! 何がなんでも自分からいきます!」とでも答えておけば、あんなふうに悩むことにはならなかったのでしょうか…。

そして、これは常駐先に時々顔を出す本社の営業マン。
顔と名前は知っていましたが、私は挨拶を交わしたことがあるくらい。きちんと話をしたことはありません。

彼は後輩男性の婚活の話を聞きながら「男は積極的に行かないと、積極的に」とアドバイスしていましたが、何を思ったか突然、

「朝霧さん、男は積極的にいくべきだと思いませんか?」

と、私に話を振ってくるのです。とっさに、

「あ…はい。積極的にいった方がいいと思います」

と答えると、彼は、

「ですよね。…僕も、積極的にいってもいいですか?」

と、じっとこちらを見つめてくるではないですか。
速攻、要注意人物のレッテルを貼りました。
ちなみに、この方は30代。


こんな若い男の子みたいな質問を、男性は30代、40代、50代、60代になってもするんです。
なんだかカワイイなと思う反面、ムダに気を持たせないよう、よくよく考えて返事しなければならないので、結構大変です。

注意したいのは、話の流れによっては雑談程度でこういう話題をふる場合もあるので、相手がこちらに好意があって質問しているかどうかを、きちんと見極めること。
合コンなんかでは、よくある風景かもしれませんね。

でも、出会いの場ではない日常的な場所で、なんの脈絡もなくこういう質問が飛んでくる場合には、あなたと「接点を持ちたい」、あなたのことを「もっと知りたい」、自分があなたの「許容範囲内であるかどうかを知りたい」という気持ちが根底にあると思って、間違いないでしょう。

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