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私の2022年の10曲

今年リリースされた楽曲のうち、特に印象深かった楽曲をピックアップしました。ランキングではなく、リリース順に並べています。

どの楽曲も歌詞・メロディ・アレンジが素晴らしいのは当然ながら、私が特に印象深く感じたポイントについても簡単に触れたいと思います。



Bialystocks - Over Now

作詞:甫木元空・菊池剛
作曲:菊池剛


ボーカルの甫木元空さんは映画監督、キーボードの菊池剛さんはジャズピアニストと、かなり異色な2人組バンドが作り出す音像・世界観は非常に独特で、色褪せたミュージカル映画を見た時とかなりよく似た感覚に引きずり込まれます。

個人的お気に入りポイント:
豊かな低音の暖かさを感じられるミキシング、ソロパートを含めたノイズ的な音色の織り込み方、楽曲の始まりから終わりまでバラエティに富んだ飽きさせない展開・編曲



adieu - 旅立ち

作詞・作曲:柳瀬二郎(betcover!!)
編曲:Yaffle


現実と妄想の狭間を漂うような柳瀬二郎さんの歌詞とメロディが、Yaffleさんにより既存の型に囚われない編曲で昇華され、上白石萌歌さんの素朴な歌声がそれを包み込む…それぞれの個性が最大限に活かされた楽曲であると感じました。

個人的お気に入りポイント:
間奏等の口笛・コーラスのフレーズ、徹底的にメインパートを立たせるためハモリ不使用、テンポを落とした楽曲の終わり方



山内総一郎 - 白

作詞・作曲:山内総一郎
編曲:百田留衣、山内総一郎


フジファブリックのギターボーカル山内総一郎さんが、2009年に急逝した志村正彦さんへの想いをストレートに綴った楽曲です。気付けば私はもう30代、それにもう間もなくクリスマスイブ…この楽曲はある冬の日の真っ白さ、足跡のない雪景色、ストックホルム、埋まらない空白、無題、といった意味が重ねられたものと解釈しています。

個人的お気に入りポイント:
歌詞と歌声全編、歌を支えるストリングスアレンジ



Melody Gardot, Philippe Powell - À La Tour Eiffel

作詞・作曲:Jacques Bungert, Melody Gardot, Philippe Baden Powell


メロディ・ガルド―は甘美な響きのオーケストラアレンジやギターの音色が印象的だと感じることが多かった中、ピアノのみというシンプルな構成でリリースされたアルバム「Entre eux deux」から、特にお気に入りの1曲です。

個人的お気に入りポイント:
美しいボイシングと演奏、ブラジル音楽とジャズの絶妙なバランス感、ラストでわずかに聞こえる笑い声



さとうもか - 魔法

作詞・作曲:さとうもか
編曲:きなみうみ・清水哲平


ドラマ「魔法のリノベ」のオープニング曲です。素直になって未来を変えるための「連絡しちゃっていいですか?」「今会いに行っていいですか?」からの「もう一度恋していいですか?」と…
ただ歌詞とメロディが最も胸を打つ部分と思いながらも、YUKIさんの「COSMIC BOX」を思い出させるような、基本シンプルな構成ながらも洗練されたアレンジがさらに世界観を広げている名曲だと感じました。

個人的お気に入りポイント:
歌詞の感情やストーリー、各楽器が持つ役割の活かされ方、落ちサビからラストまでのアレンジ



中島雄士 - Moootion!!!

作詞・作曲・編曲:中島雄士


シティフォークバンド「グソクムズ」のドラマーとしても活動している中島雄士による、懐かしさを感じるダンサブルな雰囲気や音使いに、新しさを感じるソリッドな加工・アレンジが織り交ぜられた1曲。

個人的お気に入りポイント:
レトロ感の作り込み方、聴かせたい音に素直に注目できる綺麗に引き算されたアレンジ、ラスサビの「Mootion!!!」部分だけで追加される音色・ブレイクなし



Laura day romance - 潮風の人

作詞・作曲・編曲:鈴木迅


東京を拠点とするバンド、Laura day romanceがリリースしたEP「Sweet Seasons, Awesome Works」から特にお気に入りの1曲です。歌詞の世界観と言葉選び、それを支え補う僅かに揺れるような編曲…特にギターのメロディアスな演奏との組み合わせがとても芸術的だと感じました。

個人的お気に入りポイント:
わずかな情報から街並みの色合いを想像できるような文学的な歌詞、息遣いをリアルに感じられる歌声やミキシング、ギターアレンジ



RYUTist - 朝の惑星

作詞・作曲・編曲:君島大空


新潟のアイドルユニットRYUTistから、いま最も推しているミュージシャン君島大空さんが手がけた1曲です。冒頭の「あ」が突飛なアイデアかと思いきやラストの「あなたが飛び込んでいく」の「あ」に共通項を見出したり、息つく暇もないような楽曲の展開…これほど短く感じる3分はなかなかないように感じます。

個人的お気に入りポイント:
透明感のある音色とノイズのような音色とのバランス、美しいコード進行とメロディ、柔らかい歌声



藤井風 - grace

作詞・作曲:藤井風
サウンドプロデュース:Yaffle


あまりにも何もかも美しい自分自身への讃美歌で、Aメロ・Bメロ・サビとそれぞれモチーフの展開のさせかたに一切の無理がなく、これぞキャッチーなメロディだと思わせてくれた1曲です。それを支える4つ打ちという選択肢がシンプルながら素晴らしいと感じました。

個人的お気に入りポイント:
メロディ自体の美しさとアレンジとの調和、アクセント位置の異なるモチーフの組み合わせ方・展開のさせかた、イントロの「grace」コーラスへとサビ後にスムーズに戻る様子



TOMOO - 17

作詞・作曲:TOMOO
サウンドプロデュース:Tomi Yo


思春期の終わりかけた、大人への入り口を覗いたころの気持ちを蘇らせるタイムマシーンのような1曲。プチ田舎で育った私としては、寂れまくった商業施設の一角を思い出してしまって大変ノスタルジーでした。

個人的お気に入りポイント:
リアルとファンタジーが共存するような歌詞の言葉選び、古臭さを抑えながら懐かしさを盛り上げる音色・アレンジ・転調、淡々としながらも芯のある歌声




どの楽曲も心の底からおすすめできる名曲だと思っています、よければ聴いてみてください!

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