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202107 講釈ツイートまとめ

まとめます。


データ準備について


フロアノイズ部分を利用してノイズ処理を行うのはこちらの都合だけれど、テイク前後の不要だと判断していただいた部分を、間違いなく善意でカットしていただくことによって、歌やブレスがぶつ切りになっていたり、不自然なフェード処理になってしまうことがほとんどという状況です。

仮に、綺麗にテイク前後を処理していただいていたり、はたまた1本のトラックに多数のテイクをまとめていただいているとしても、その作業を依頼者に行っていただく必要が全くなく、ミックスを外注していただく以上、依頼者が極めるスキルでもないと思っております。

少なくとも私あてご依頼をいただける際には、作品のクオリティのため、それに依頼者側の時短のために、テイク前後の無音・ノイズ部分はそのまま提出するようにお願い致します。



レコーディングのコツについて


宅録で最も問題になるのは、いかにレコーディングに関する知識を持ったうえで挑めるかだと思っております。が、機材や環境によってどのような収録を行い、どのようなデータ準備を行うかは人それぞれで、ちょっと調べたくらいでは解決しないことがほとんどです。

いまや録音機材も安価で揃いますし、あまり調べずとも、考えずともぱっと録音できるというのは確かにメリットでもありますが、機材の力をいかに引き出せるか、自宅の環境でいかに綺麗に収録できるかは、ある程度の知識と工夫が必要になる部分となります。素材自体の質は、ミックスでは補いきれないことが多いです。



カバーの意味について


自分で作曲をしたわけでも、作詞をしたわけでも、編曲をしたわけでも、演奏に携わったわけでもない楽曲ばかりなはずで、カバーを行う時に全ての楽曲に思い入れがある方というのはほとんどいないと思っています。

ただ、別の人が歌うということ自体に多くの意味が生まれるわけで、それに対する需要は多くあるはずです。例えば徳永英明さんの「VOCALIST」シリーズのように、プロ歌手のカバー作品が一時期多くリリースされていましたが、私はその歌声と、その世界観をさらに広げるリアレンジが楽しみでよく聞いていました。

原曲と同じインスト音源を使うことがほとんどではありますが、いかにその楽曲を解釈し、噛み砕き、自分なりに表現したうえで、聞いてくれた人に楽しんでもらう、喜んでもらうというのがカバー作品を作る主な目的だと考えています。

たとえば、流行っているからという理由で選曲し、曲を聴き込んだり、歌詞を読み込んだりもせず、メロディや歌詞を間違ったまま作品を公開してしまうなんてのは、何とももったいないことなのです。



コンプレッサー・リミッターについて


はっきりとは言えないのですが、一番あり得るのではないかなという理由として、オーディオインターフェイスかマイクでリミッティングされているのではないかなと思うところです。

最も声を大きく出したときのボリュームが-6dBくらいになるように入力ゲインを設定すれば、多少それよりも大きく収録されてもピークに達することは少ないですし、若干小さめに収録されているように感じるかもしれませんが、宅録という環境であったり、ミックス時のノイズ処理等を考えると全く問題ないレベルに収まります。

いわゆる掛け録りを意図的に行っていなくとも、コンプレッサーやリミッターが適用されたような音色になってしまう方が多く見受けられます。インターフェイスやマイク、入力ゲインの設定等について見直す必要があるように感じます。



おわりに

基本的にはご依頼をいただいた際に何かデータに問題があれば伝えるようにしていますが、そりゃそうだよなと思うものの「録音し直せないので今回はこのままでいかせてください」といった回答をいただくことがほとんどで、仕上がりに影響すると分かりつつ作業を行うのは心苦しい場面も多いです。

最後に改めて「歌は録音でキマる!」のご紹介をします。2,000円とちょっとで、宅録のスキルが爆上がりするはずなので、ぜひ購入をご検討ください。もしくは何でも私あて相談してください。



人の声を使って音楽を制作するならば、“声をマイクで拾う”以外の方法はありません。ピッチやタイミングが良いのがベストなボーカルであるというのであれば、ボーカロイドに代表されるテクノロジーで代用可能です。わざわざマイクで録音するメリットは、ボーカリストの“個性”が反映できることにこそあります……

本書はそんな視点で書かれたボーカル・レコーディングのノウハウ本です。個性を持たせつつも高い品質でボーカル・トラックを作るにはどうすればいいのか? ボーカリストがスタジオで実力を発揮するにはどんな工夫が必要なのか? “トッププロはスタジオでこんなことをしてたのか!?”とビックリすること請け合い。ボーカリストもエンジニアも、歌の録音に興味があるならぜひ手に取ってみてください!

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