それいけ!ビーコン!
ヒラサワが、ふたり?!
「よく見ろ。あいつが私に見えるか?」
黒髪に黒いロングコート。こちらは白髪だが黒いロングコートという装いは同じ。だがあちらは黒いサングラスをかけている。
「バカンスでもないのにサングラスまるで…伏せろ!」
声に驚き咄嗟に伏せる。白髪のヒラサワがマントを拡げると同時にけたたましい銃声が轟く。薄目で伺うと黒沢がコートに隠してたと思しきマシンガンを撃っている。
白沢はクルクルと舞うようにマントを操り、または羽のようにバサッバサッと煽ってはクルリと回転し弾を避け弾いている。布を割く音が一瞬耳を掠め肝が冷える。豪雨のような騒音が突如止むと白沢も動きを止め、とん、と足を鳴らすとパラパラ!と無数の弾丸が零れ落ちた。無様黒沢は弾切れも気付かず、カチャカチャと引鉄を引き続ける。「はっ!」と白沢が威嚇し掌で空を突いた。驚く黒沢の隙を突き手刀を叩き込むとばたりと倒れる。すかさず白沢が黒沢の首元に手をかける。
まさか、と私が止めようとするが「ン慌てるなァ」と落ち着いた様子だ。首の皮を捲りバリバリと剥がすと中から能面のような平ペったい顔が現れる。私と白沢は同時に叫んだ。
「あんた誰!!」
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