小児がんの影響って治ってからも続くんよ…


私は1歳半でB駆細胞性急性リンパ性白血病を発症しました。

3年半の抗がん剤治療で寛解を迎え、完治しました。

抗がん剤治療中の副作用も
吐き気、脱毛、口内の荒れなどがありました。
イメージ通りです。

そこまで聞くと、感想は、
「副作用もつらかっただろうけど、治って良かったね!」ですよね。
分かります!私もそう思ってました。

でも、問題はそのあと、なんです。

小学生の頃は月1くらいで
学校を休んで片道1時間半かけて
かかりつけの病院に行っていました。

その時は、自分がなぜ定期的に病院に行って、採血されてるのかよく分かっていませんでした。
クラスメイトとか、他の皆もそうなんだと思ってた、のほうがしっくりくるかも。

自分が大きな病気だった、という説明をされたか されてないかは記憶が曖昧ですが。

通院の時は
治療の影響でよくありがちな身長の伸びを心配されたりしてました。
現在は148cmまで伸びたので良かったです。
あと、生理がちゃんと来るか、の心配もありました。

小学校高学年で自分が白血病であった事を偶然目にした書類で気づきました。

その時点で分かりやすく人と違っていたのは、
舌の表面の粘膜が無い(治療の影響)という事でした。

学校の健康診断では、
書類にちゃんと抗がん剤治療の影響だと記載しても、
『舌異常、至急病院へ』と言われる事が憂鬱でした。

小学生3年生くらいからは頭痛に悩まされ、片頭痛、緊張型頭痛と診断されました。

保育園の頃からいじめられていたのが小学校に入っても続いていたことと、
小学校4年生頃から頭痛も酷くなった事で
不登校になりました。

中学も、最初は普通に通えていましたが、
途中から保健室登校でした。

常に頭痛があるので、騒がしい教室にいるのがつらいんです。
でも、あまりにも毎日頭が痛いと言っていると、
次第に周りからは雑に扱われるようになりました。
あの子は行きたくないから甘えてるだけ、大げさだな、みたいな雰囲気を大人から感じるようになりました。

高校は定時制に行きました。
その時はうつ病の症状との両立に苦しめられました。
体調不良で欠席が増え、単位が足りなくなり、留年もしました。
結局、就職活動する年に退学。

スーパーやコンビニでアルバイトもしましたが、
慢性的な体調不良で欠勤が増え、
周りに申し訳なくなり、自主退職。を繰り返しています。

最近になって、
かかりつけの小児科の先生から
「この年代にがん治療をした子達へのアンケートや、長期フォローアップについて国とかがやっと動き出しているんだけどね」という話をされた。

その時に自分が小さい頃に受けた抗がん剤治療の内容や、その時の副作用、合併症や、今後注意する事を詳しく説明してもらった。

貰った治療サマリーの合併症の欄には
ちゃんと「肝機能障害、高脂血症、気分障害、片頭痛、緊張型頭痛」と記載されていた。
あと、代謝が弱かったりするのも後遺症らしい。

ああ、何年も経って症状が出ることってあるんだな…と納得した。
なんで小学生の時から
こんなに色んな症状に苦しめられるんだろうと思ってた事に納得がいった。

そして、完治から20年近く経った今も、
血液検査の結果しだいで
心電図や脳のMRIをやったりしなきゃいけない。

【がん治療は治ったら終わりではない】

意外と知られてない問題です。

ありがたいことに、
小児のがん治療では
「小児慢性特定疾患」として治療費の負担が少なくなったり、高額医療制度があったりします。

でも、寛解・完治して、時が経ち20歳を迎えると、通院費はいきなり3割負担となります。
人によりますが、
採血だけでなく、定期的な心電図など、検査項目も多い人がいます。

合併症の影響で体調が悪い中でも働いて、医療費を払っていかなければならないことがこの先ずっと続くのです。

頑張ってがんを治しても、
がんの転移以外のことで
将来に不安を感じるのは
なんだかなぁと思いますよね…


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