【パイオニア】 白単サリア宮崎エリア予選遠征記

0.はじめに


 2023年8月19日 宮崎で行われたパイオニアエリア予選に参加してきました。
45人中6人がファイナルの権利を獲得できる各店舗予選を抜けた猛者の集まる大会です。
 結果から先に言いますが4-2の10位で抜けれず。1ボックス貰うのみとなりました。

 今までGPに何度か参加したことはあったものの1度2日目に進出するのみだった自分にとってはある意味最高成績と呼べるものかもしれませんが、あとひとつ勝てていればという悔しさの方が大きいです。
 というわけで備忘録として残しておきます。負け語りとも言う。

1.店舗予選


 まずどうやって店舗予選抜けたの?という話から。
 使用したデッキはこれ。

めちゃくちゃにツイていた

 赤白アグロ……という名の持ってるカードの詰め合わせです。もともとモダン民なので持っているカードが基本的に古めです。
 当日は対面がミスをしてできた1ターンのトップデッキが《ボロスの魔除け》で勝利したり、相手の事故を介錯したり、後手4ターン目に4チャンドラを出して-3を使用した返し、相手がアンタップインの土地を持っていると黒ミシュランで落とされる盤面で相手が土地を引けなかったりととにかくバカみたいにツイて勝ってしまいました。

 しかしさすがにこのデッキのままエリア予選に出る気にはなれず。勝ってしまったからにはと本腰を入れてパイオニアをやることにしました。
 向かえるエリア予選は8月5日の福岡と8月19日の宮崎のみ。打席に立てるのは二回。

2.デッキ選択

 まず知人が研究していたボロスピアナラーを掘ってみることに。ボロスカラーのファストランドがあって安く組める状況だったのも魅力。
 《岩への繋ぎ止め》がなかったのはとても痛かったですがロータスコンボ等に比べればキーパーツ自体はあったのでアリーナで試せたのもグッド。
 当初は楽しい楽しいと回し続け、実物でパーツを買うところまで行きましたが、そのあたりから初見殺しが通じなくなり、悪い点ばかりが目に付くようになってきました。

以下使用しなかった理由という名の愚痴。
・緑単信心に茨の騎兵を出されると終わるし2・3ターン目に《老樹林のトロール》出されても地上ビタ止まり。マナクリを上手く焼きながら殴れれば勝つがあちらはマナクリ8枚体制なうえ少しゲームがゆっくりになって土地が延びるだけでもデカブツは出る。
・天使相手もパルヘリオン相手もキツい。《ゴバカーン》くらいしか邪魔する手段がない。
・ていうか緑系全部キツい。
・《速槍》や《熊野》が入っているのに火力が《火遊び》しかなく、メインにタフ3以上を処する手段が《繋ぎ止め》しかないので《墓地の侵入者》や《シェオル》とかを連打されるだけで止まる。ナメてんのか。そのわりに衝動的ドローが(スカルドの決戦含めて)合計10~12枚ほど入っており、アグロなのかミッドレンジなのかわからない
・《ピアナラー》を処されると終わりがち。生き残っていても手札がかみ合わないと終わる。

 と、延々と愚痴りましたが、本当に勝たない。
 このあたりで福岡予選直前になっていました。勝たないだろうと分かっていてピアナラーを握るかヤケクソボロスバーンを握るかの二択です。つまりは負け戦。
 しかし直前で風邪をひいてしまいました。参加は断念。心を折られるよりはある意味よかったかもしれません。

コロナやインフルじゃなくて本当によかった。

 で、熱を出してリアルに頭を冷やし、流石にデッキヤバいなあ。いままで《蒸気族》とか《執念深い炎焚き》とかいろいろ無駄にあがいた工夫したリスト出てないかなあとGoldfishのメタゲームを見てみたところ。

メタゲームにピアナラーがいなくなっていました。

 おいおい、数週間前に見たときは上位5つくらいにいたよな?減った?と思って一番下まで見てみましたが何度見ても影も形もない。
 手元に残った武器のようなものはもはや武器ではなくなってしまいました。
 (ある程度身内でカードを貸してもらえそうとはいえ、)デッキを乗り換えるにしても金銭的に必要なパーツの少ないデッキでなければならず、さらに緑単信心のようなデッキも練度的にキツそうです(カーンの能力16個あるのバグでは?)。

時間がない

 結論として選んだのは白単人間でした。理由としては
・基本土地が多いため比較的安い。
・相手が事故ったら確実に介錯できる。
・土地事故がほとんどない
・《ピアナラー》と違って面で押しつぶすという方針が分かりやすい
・《サリア》などのヘイトベアーでコンボやコントロール相手に有利(パルヘリオンは無理)
・《銅纏いの尖兵》のおかげでロードが8枚あって安定している

 という点です。
 また理ではなく情の選択理由も多く、
 ボロス果敢で懲りた点がほぼ改善されていることと、店舗予選を運だけで勝ったことにより自分の実力が他の予選突破者と比べて優れているとは思えなかったことがです。ロータスコンボのような不戦勝デッキが多いというのも魅力です。
店舗予選を通常のFNMくらいのノリでありあわせデッキを持ち込んで勝ってしまったがゆえの弱者の戦法です。

3.デッキリスト

 それから一週間、MOでひたすら回しまくり、以下のようなリストになりました。

https://www.mtggoldfish.com/deck/5816943#paper

 最初に参考にしたリストhttps://www.mtggoldfish.com/deck/5793980#paperから変更した点は
メインに2枚投入されていた《選定された平和の番人》を《異端聖戦士、サリア》に変更。
サイドの《安らかなる眠り》3枚を《未認可霊柩車》2枚と《異端聖戦士、サリア》に変更したくらいです。

 なぜそんなに《サリア》を採用したかというとアブザンパルヘリオンとロータスコントロールのぶん周りに嫌気がさしたからです。
 彼女がいれば相手の《脂牙》はタップインなので最速はなく、ロータスコンボの《演劇の舞台》もタップインなのでロータス2枚が並ぶのが遅れます。緑単信心に対してもライフを詰めてラスト1ターンで《ニクソス》→《茨の騎兵》→《ニクソス》おかわり→《収穫祭》から再度《茨の騎兵》といった理不尽な壁生成をとめることができます。

タイムウォーク?


 端的に言うなら相手のラストターンでの粘りを許さないカードです。今回のテーマは「格上の相手の事故を咎める」であり、この点において《選定された平和の番人》よりこのデッキにマッチしていると感じました。

 こうして《スレイベンの守護者、サリア》、《サリアの副官》、《異端聖戦士、サリア》とサリアと名の付くカードが11枚入ったデッキが完成しました。さすがに白単サリアを名乗ってもいいでしょう。

メインの10/60がサリア!サイド含めても11/75がサリア!
ごめんな……、色事故しないことが目標だから君は入らないんだ


 《安らかなる眠り》を《未認可霊柩車》に変更したのは「殴れる方がいいじゃん」という短絡的な思考からです。俺バカだから難しいことわかんねえんだ。
 回すうえで気を付けたことは1マナクリーチャーのない手札はマリガンすることです。これだけ。60枚の中に12枚も1マナクリーチャーが入っていますが、これらは1ターン目に出したときが最も価値が高く、ターンが経つごとに弱くなっていきます。デッキの1/5も入っているので引けないことはないはずです。1.2と動けるならダブルマリガンまでは許容できます。
 サイド後はまた話が変わってきますが、だいたいは一緒です。
 どんなに相手のデッキに対するキラーカードがあっても1マナのクリーチャーがいなければクロックが刻めませんし、後半に賞味期限の切れた1マナクリーチャーを引いて負けます。当然のことですが20点殴りきるのがゴールという意識を忘れずに。

 13日から18日の間で7リーグ回し、成績は2-3が1回と3‐2が4回、4‐1が2回でした。22‐13なので勝率は62.86%。一週間で仕上げたにしてはまあまあなのではないでしょうか。気合を入れて宮崎へ向かいました。

4.当日

 ちょっと緊張しながらも部屋に入ると大阪で見たことのあるジャッジの方がいらしたので一応挨拶。デッキリストは事前に書いていたので大丈夫。
 考えると熱が出るタイプなので冷却シートをおでこに貼って一回戦へ。

R1 青黒ローグ×〇〇
 1本目先手で殴るも《アモンケットへの進行》などで対応されていき、最後は相手の黒ミシュランが立っていたのに1/2の《有望な信徒》をチャンプアタックさせて自分が落ち着いていないことを確認し投了。
 しかしこれで逆に冷静になれました。丁寧に殴り、《異端聖戦士、サリア》が瞬速ブロッカーを許さなかったこともあり2本目3本目を取りました。
 終わってからお話をしていると先週の福岡で権利を獲得された方でした。強者に勝てたことで自信が生まれ、メンタルも落ち着きました。

R2 青白ヨーリオン〇〇
 相棒ヨーリオンです、という相手の宣言でエニグマを少し警戒。まあなんにしろ右ストレートでぶっとばすしか選択肢がないんですけどね。
 2戦ともラスゴをケアしながら殴りきって勝ち。

R3 緑単信心×〇×
 先攻をとれたうえに相手がワンマリガンでメインを取れる気配が漂う。このマッチアップはメイン取らないと苦しいのでかなり嬉しい。
 コツコツ削るもお相手もワンマリガンしたぶんちゃんとぶん回りしてきて《茨の騎兵》が着地。こっちは土地2で止まってしまいモジモジ。
 まあ土地2で止まっちゃったのはいいんですよ。土地22なんでまあそんなもんでしょうし。
ただ土地が《永岩城》と《変わり谷》で手札の《骨化》が腐ってる不具合だけなんとかなりませんか?
 確か土地事故ないからってこのデッキを選んだと思うんですけど。この《骨化》だけ打てれば勝てるのになあと思いながらさらに《アーデンベイル城》を引いてきて憤死。
 その後は予想通り先手が一本ずつ取り返してGG。

R4 ローナカーンルーカコンボ〇
 お手洗いから帰ってくるとR4が始まっており焦りますが対戦相手がHoney☆Milk先生だとわかり一安心。トスしていただき心からの感謝。運転に加えてホテルの手配等もしていただいたうえでここまでしていただき本当に頭が上がりません。

ここで3‐1となり次に勝てばオポ次第で最後IDが狙える状況になりました。一段と気合が入ります。

R5 青白スピリット××
 先手をもらって殴っていくもロードを2体出され2/4が2体並ぶ前でモジモジ。《骨化》を引き除去しようとすると呪禁を付けられ、《粗暴な聖戦士》 を出そうとすると《呪文捕らえ》。相手の手札が1枚になったので引き込んだ2枚目の《粗暴な聖戦士》を叩きつけるとあちらも2枚目の《呪文捕らえ》。
「全部持っとるやん!!」と叫んで投了。
↑これは誇張表現ではなく本当に叫びました。後ろでベガ立ちしていたギャラリーから「ほんと完璧な手札だったな」という声が聞こえました。こんなん勝てるか!
 サイド後、除去を増やして臨みますがこちらの《ポータブルホール》や《骨化》に同様に《ポータブルホール》され、あちらの方がぶん回って爆発しました。権利のかかった試合でそんだけぶん回るの法で取り締まってくれ。

R6 ロータス〇〇
 盤面をつくりフルパンしつづけ、今日殺さなかったら明日殺す宣言をして《サリア》を出してターンを返すも殺されなかったので勝ち を2回してするすると勝ちました。もっとこういうマッチをさせてくれ……。

5.おわりに

 最初に書いたように4‐2で10位という結果でした。会場に白単人間は僕を含めて2人でしたがもう1人の方はトップで抜けておられたので、デッキ選択自体は間違っていなかったと思います(その方とはTwitterアカウントも交換してもらいました)。
 今回足りなかったのは事前にデッキを決める時間と体調管理でしょうか。風邪をひかずに一週間早くデッキを決めていれば福岡でもチャレンジすることができました。
 今回の経験、悔しさを踏まえて今後競技勢としてしっかりと取り組んでいこうという気持ちになったのでサイクル2はファイナルへ出ることを目標としたいと思います。
 ここまでお読みいただきありがとうございました。

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