ガンプラ再販について

 コロナの前、ガンプラがヨドバシ梅田から全てはけたことは衝撃だった。棚の端から端まで、上から下まで多種多様なガンプラで埋まっていたのに、あれよあれよという間に全てのガンプラがなくなった。店からすればいいことだったかもしれない。何しろ数年以上も売れ残っていた不良在庫まで全てはけたのだから。
 あれからガンプラを巡る状況は一変した。新発売で事前に人気だと思われた品は開店前から並ばないと買えないようになった。転売屋がガンプラに目を付け買い漁った結果、バンダイの生産量が本当に欲しい人たちの需要に追い付かなくなったのだ。これは「RG ジオング」あたりから顕著になった。目の前に「簡単に稼げる方法」が転がってきたら手を出す人はいることを痛感した。ガンプラや商業に特別な思い入れでもない限り、倫理観を問うたところでやめはしない。私は奴らから買うのだけは御免なので絶対に買うことはないが、気軽に量販店へ赴けない人たちは交通費を考えればむしろ格安だったという話も聞いた。
 そこからさらに1,2年たってまた状況が変わった。再販品や新発売品が少量入荷しては転売屋へ渡ることに業を煮やしたのか、バンダイは転売屋が手を出す気がなくなるほど一つの種類を大量生産して各店舗に卸したのだ。「RG ゴッドガンダム」がその走りだったように思う。これは転売屋にかなり効いた。仕入れても売れない状況が続けば個人転売屋は非常に苦しい。それでも絶滅しないあたりがしぶとい。
 少品種大量生産の流れが功を奏したのか、2024年1月の段階でもバンダイは同じ戦略のようだ。ここで問題が出てきた。転売屋の撃退には概ね成功したものの、生産しすぎて売れずに在庫となることが増えたのだ。しかし消費者からすればこれは必然である。「ジオング」や「νガンダム」など、一般的に人気とされる品種ばかりを再生産しても「いや、何回再生産してるの?もう持ってるからいらない」となっているのだ。我が儘で済まないが事実でもある。
 先述の通り、ガンプラが売れていたのは転売屋に目をつけられていたからで、ガンプラファンは別に増えていない。にも関わらず、売れていた時と同じ数を出荷していては余るのは必然。しかも大量生産するからか、再生産されるのは「一般的に人気と思われている種類」だけ。これはバンダイに改善していただきたい点で、消費者が求めていない物を卸しても小売りが困るだけだ。先日ヨドバシを除いたときも、同じ種類のガンプラで棚が埋まっていた。
 今となっては冒頭のように多種多様のガンプラを常時在庫してほしいなんてとても言えない。いつでも買えるからと在庫を買わなかった私にも非がある。そこでバンダイには、再生産に関しては予約が規定数に達したものから順次生産、出荷という手順を踏んでもらいたい。もちろん全額前金で払いますので、何卒よろしくお願いします。

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