プロローグ?

30年前の今日、私は“少女”から“女”になった。
1993年4月25日、愛していた男の腕に抱かれた。
私は高校に入学して数週間しか経っていなかった。
愛していた男は、大学院へ進学したばかりで、塾講師のアルバイトをしていた。
彼は私が中学生の時に通っていた塾の先生だった。
しかし、彼は私を“女”にしたあと、私の前から去ってしまった。
私自身、心の整理をするのにかなりの時間を要した。
今でも私の心の中に住み着いている。
だから、完全に整理したとは言い切れない。

彼にも奥さんや子どもがいることは、偶然知ってしまった。
私にも30年の間に、夫と子どもたちができた。
時間の経過と共に、夫への愛は偽りだったんだと気が付いたのは、ほんの数年前のこと。
なぜ偽りだと気が付いたのか…
それは私の心にずっと住み着いている彼に気が付いたからだ。
もともと夫への愛情は、第3子が生まれた時点で消え去っている。

今でも、彼に抱かれたいと思っている自分がいるのに、その気持ちを押さえ込んで子どもたちと生活する自分の葛藤を、少しずつ綴っていこうと思う。

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