出会い

中学1年の時、隣のクラスの男の子から告白された私。
その子も、電車を使って塾へ通っていた。
降りる駅は同じだが、その子は東口にある塾へ、私は西口にある塾だった。
『稀琳(まりん)が好きなので、付き合ってください!
 塾も僕と一緒に行ってほしい!
 今の塾から、僕が行っている塾に変える事ってできないかな?』

告白されるまで、別にその子のことを意識したことは無かったけど、キライでもなかったので付き合うことにした。
付き合い始めて2日目に、その子の通う塾へ通いたいと親に伝えたところ、快く承諾してくれて手続きを始めてくれた。
その塾は、もともと小学5年生の時に入塾試験を受けに行くか迷ったところで、親はそちらに通わせたかったようだが、駅からより近い西口の塾を私が選んだという経緯があった。
だから親は、理由も聞かずに承諾してくれたようだった。
 
しかし入塾試験の日程を知らされた時には、告白してきた子とは別れていた。
入塾試験に合格し、レベルごとのクラス分けで、その子と同じクラスになった時は、本当に気まずかった記憶がある。
そして2年生になり、週3日授業に通った。
この塾は、2か月毎にレベル分けの試験があった。
夏休み明けの試験で成績が悪く、私は1番レベルの低いクラスになってしまった。
そこのクラスの担当が、海空(あくあ)先生だった。
身長は男性にしては小さめ、髪はサラサラでふんわり、ちょっと童顔で、声も高め、そしてメガネ、教え方が丁寧で生徒たちに慕われていた。
私の第一印象は『女みたいなガキっぽい先生』と、あまり良い方ではなかった。
それなのに数か月後、海空先生を好きになるなんて…

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