リンクラ対抗戦環境ウォッチング vol.2 『最強の数字は9』

 Liella!のライブと梨子誕の原稿があったので、個人戦の記事書いてね~って焦っていたら、よくよく考えたら「対抗戦環境ウォッチング」だったので助けられました。
 次回からは個人戦も記事にするので許してください。

 どうも、黒鷺です。


 この記事では主に

①今回の対抗戦の環境がどんなものだったのか
②課題楽曲の特徴
③注目カード
④次の対抗戦の事前考察(一部有料。今回も試験的に投げ銭)

について取り扱います。

 環境を振り返っての答え合わせや、次回の対抗戦の考察の参考にでもしていただければ幸いです。



また、普段はこっちで9割ぐらいラブライブ!シリーズのブログを書いていますので、興味があってもなくても是非是非。

それでは見ていきましょう。



今回のキーポイント


①夏めきルリ実装により、「リンクラ2」環境へ

 8月末に実装された瑠璃乃は、リンクラのゲーム性を一気に変化させるレベルの能力を持っており、フォーチュン花帆と並んで、今のリンクラの必須カードとなりました。

この記事読みに来る人間には説明要らないとルリ思う。故にルリあり。

 手札の上限枚数を3枚増やすことができるこのカードの存在が環境にもたらした影響は計り知れません。

 まず、手札事故が起こりづらくなるのと同時に、事故が起きたときにより順位が悲惨なことになるようになりました。

 まず前提として、このカードはエースカードになりません。
 エースカードは、基本的にはフォーチュン花帆一択です。

 なぜなら、瑠璃乃は初手になくても引いて来れば特性を使えるのに対し、花帆は初手になければ初手分のオーバーセクション特性は発動しないからです。
 ちなみに、仮にエースカードを瑠璃乃にしたとして、瑠璃乃で増えた3枚の中に花帆があっても特性は発動しません。セクションが変わってから引いてきたという扱いになるからです。

 これらの理由から、瑠璃乃を手札に引き込めるかどうかはお祈り要素となるのですが、問題はここからです。

 この瑠璃乃の手札上限を増やす効果が発動してしまえば、手札事故はほぼ起きることはないと言っても過言ではありません。瑠璃乃本人を除いて7枚も手札があるうえに、この瑠璃乃のスキルを使えば8枚引き直しができるため、デッキのほぼすべてのカードに1枚でアクセスすることができます。

 そのため、手札事故が起きる確率は、「単純に使いたいカードが手札にない」状況と同時に「瑠璃乃も引いていない」という事態が同時に起きなければならないためにかなり低くなっており、グランプリのような1発勝負の場での安定感を飛躍的に向上させてくれています。

 でも逆に言えば、「手札事故が起こりにくい」ということは、「手札事故を起こしている人が少ない」ということでもあるので、事故ったときは本当に悲惨な順位になります。

 例えるなら、マラソンのスタート直後の先頭集団みたいな。
 先頭集団から引き離されると、一気に10位ぐらい順位が落ちます。


 とはいえ、基本的には瑠璃乃は手札を安定させるカードでしかなく、飛躍的にスコアを伸ばすためのカードではありません。

 この瑠璃乃を持っていなくても、気合でドローして手札事故なんて起こさなければ普通にちゃんとスコアは出る、というデザインのカードではあるので、「手札が増えるから壊れ」かといわれるとそうでもないカードではあります。

 そのはずでした。


②「9」は最強

 なんと、まさかのループ構築の復権です。
 これまではデッキを6枚にすることで、手札5枚+山札1枚で回していたところを、瑠璃乃の登場によって「手札8枚+山札1枚」でのループが可能となりました。

 また、瑠璃乃と同時に実装された慈もループ適性が高く、構築に回復キャラを3枚採用することでコスト1となり、Love獲得に補正を掛けながらダメージ無効効果(通称バリア)を使うことができます。

 増えた3枚分の手札に、フォーチュン花帆の下位互換であるサイダー花帆、回復キャラを2枚採用し、綴理をDNにして構築は完成。

 初手で気合で瑠璃乃を引きこみ、DN梢と夏めき慈を連打。
 梢に反応してDN綴理のコストが下がっていくので、1コスになり次第綴理を発射しLoveを稼ぎます。

単純に、

DN梢→夏めき慈→DN梢→夏めき慈→DN梢→DN綴理

とプレイするだけでわずか3コストで綴理を動かしていることになり、梢と慈がバフ、慈がメンタル回復を担当している事から、リンクラでやりたいことがこの3枚でほぼすべて完結している都合上、基本的には「最強の編成」で間違いないと考えられます。

③メタ貼られてもループしたい!

 しかし、開発側もそんなことは十分承知のはずです。

 「1コスト以下のカード」があれば梢とセットでループするのは、少し前にDN梢+DB綴理でループしていた事から既に判明済みです。
 月初めの個人戦のステージギミックも、夏めきによってループ構築が強化されることが織り込み済みであることを示すかのように、ループができない仕様のギミックとなっていました。

 そして今回も同じように、課題曲にはループ殺しギミックが搭載されていました。

 ボルテージが全然上がらないことから、「ボルテージアップ」を採用しなければまともにスコアがでない『ジブンダイアリー』に、セクション開始時にAPを強制的に0にすることで、自然回復が見込めないループ構築の生命線である花帆のAP回復を刈り取ってくる『ココン東西』

 1曲だけループし放題に見える『Kawaii no susume』も手札リセットがあるため、適当にプレイしているとDN綴理のコスト軽減がリセットされてしまいます。(これはカードを使うタイミングを調整すればいいので特に問題はないんですけど)



 しかし、この手の構築を見つけたプレイヤーの執念は凄まじいもの。

 この手のゲームって、だいたい力こそ正義なんですよね。
 基本的に、(カードが揃っている)大抵の人にとって

 ループ構築>18枚構築

 になるうえに、ループ構築がデザイナーズというよりかはプレイヤーズのおもしろ構築であることから、構築の研究に拍車が掛かります。

 その結果環境は、

ループさせたくないステージギミック(&1部の逆張りプレイヤー&ループより強い18枚構築が組めるゴリラ)
vs
ループしたいプレイヤー

といったような図式となり、自慢の「対ループギミック貫通ループ」構築が次々に生まれては、どんどん最適化されていきました。

環境まとめ

 以上のことを踏まえると、今回の環境は


 ループを妨げるステージギミックや、ループ以外の構築に対して有利に働きそうなステージギミックの中で、如何に最強のループを通すか

 というものだったと考えられます。

 それでは、細かいところを見ていきましょう。

今回の楽曲と注目カード

①Kawaii no susume

 細けぇことはいいんだ。火力をぶつけろ

毎回イベント中にキャプション撮り忘れるアホ

 2セクション目に切り替わった時に手札リセットが入るため、1セク目後半に綴理を使った後は、カードを使わずに待機することとなります。

 ここでカードを使い、綴理まで繋がらないままセクションが切り替わってしまうと、手札リセットと同時に綴理のコスト軽減がリセットされるため、APが3より少ないなら待機安定です。

 最適化するなら、初手AP5のパターンとAP7のパターンでシュミレーションしておき、AP漏れなく1~2セクを越えられるように計算しておくのがいいです。
 AP調整のために、綴理のコスト軽減度外視でこずめぐを使うなら、直前で調整するより最初にやっといた方がバフの観点からお得なので。
 筆者はダイアリーとココンに気を取られて完全に忘れてました。

 その他は、初手でボルテージ+30、3セク目はAP回復速度上昇、フィーバータイムはスキルハート獲得数2倍、最後はボルテージLv2倍と、稼げる要素しかありません。

フォーチュンムービー梢

 回復スキル持ちの梢のなかで1番スマイルの値が高いカード。

 構築の根幹に関わるカードではないため、1番最後に採用される枠になります。

①ループに必要なフォーチュン花帆、夏めき瑠璃乃、DN梢、DN綴理、夏めき慈をそれぞれ採用。
②空いたさやかの枠を、慈を1コスにするために唯一の回復カードであるアメアガリで埋める。ここでメインスタイルが埋まる。

③サブスタイルの残り3枠を埋める。APを増やすためにサイダー花帆を採用。
④残り2枠を慈のための回復カード2枚で埋める。オーバーセクションを持ち、手札にあるだけで効果を発揮する夏めき梢が確定。残り1枠はなんでもいい。

 こんな感じの思考回路で構築を組むことになると思うのですが、最後の1枠を割と適当にしがち。発動タイミングは一応あるので意味がなくはないんですけど、謳歌花帆とかで埋めてる人も多く見かけました。

 ですが、この枠は実は重大な役割があります。
 それは、梢のスマイル値の底上げです。

 花帆の枠に関しては、フォーチュン花帆のスマイルが5450あるためステータス面は問題ありませんが、夏めき梢とDN梢は両方ともスマイルが4400しかありません。

 ですが、回復カードの最後の1枠にこのフォーチュン梢を採用し、メインスタイルに編成することで、スマイルは約1.17倍の5150まで上昇します。

 フォーチュン梢を持っていて、凸数も十分であるなら、最後の1枠は絶対にこのカードにすべきです。

 また、このカードを持っていない、もしくは凸をしていない場合でも、イベント報酬の金魚◎花火で代用することも出来ます。
 こちらはスマイルは5000ですが、この記事の読者は大抵2凸以上はしていると思います。

 ちなみに、筆者はこの記事を書いている時に気づきました。アホです。

②ジブンダイアリー

 ループさせる気がないのにループしてしまった曲。

 初手に引いてくるスキルが綴理かさやかになるため、初手に瑠璃乃を引いていなかった場合天を仰ぐことになりやすいです。
 2セクション目でボルテージがマイナス50され、さらに時間経過でボルテージが全然上がらないので、スコアが全然出ません。
 3セク目は綴理とさやかのAPマイナス3。ループのために1コスなんて使わず、普通に18枚構築で4コスのカードを使った方がお得に見えます。
 4セク目はボルテージを50上げてくれますが、焼け石に水感がすごい。
 5セク目はボルテージLv2倍な上にフィーバータイムとなっており、ボルテージを上げる手段のない構築とボルテージが溜まる構築で圧倒的に差が付くようになっています。


 こうして見てみると、この曲では慈と梢によるループは使い物にならないようになっています。
 普通に18枚編成で攻略することを想定したギミックとなっており、しっかりループを対策してきている、そんな風に見えました。


 まあ、慈じゃなくてDB綴理回せば問題ないんですけどね。

 3回目からは1コスで使うことができ、ボルテージを上げながらスキルハートを産み出すDB綴理を使うことで、ボルテージ上がらない問題は楽々解決。
 ムードがハッピーにならないため、得意ムードハッピーの慈より綴理の方が機能するうえに、DN綴理を軽減する過程のループでもスキルハートを稼いでくれるのもあって、スコアは爆伸びします。

 さらにグランプリ3日目になると、さやかと綴理のコストを3下げてくれる3セクション目の稼ぎ手段として、AWOKE綴理が発見されました。

 4コストから3下がって1コストとなり、さらにAP1回復するので実質的なコストはゼロ。
 DN梢が実質ゼロコストで使えるのもあり、このカードとDN梢をゼロコストで無限に回すループが発見されました。

 そして、セクション効果で、DN綴理のコストも下がっているため、

①AP1でDN梢を使う。 DN綴理のコストが7→4。
②AP1でAW綴理を使ってAP1回復。 DN梢を引いてAP1回復。
③AP1でDN梢を使う。 DN綴理のコストが4→1。
④AP1でDN綴理を使う。 DN梢を引いてAP1回復。
⑤AP1でAW綴理を使ってAP1回復。 ①へ戻る。

 という手順で、「APが2以上」である限り、AP1でDN綴理を1回使うことができます。
 セクション初めに花帆効果でAPが7回復するので、最低でも5回はDN綴理を使うことができます。

 ただ、このセクションは長いセクションではないため、本当に必死に連打しないとセクション中にAPを使い切ることはできません。
 また、ループの④のとき、それまでは使ったカードの場所に引いてきたカードが入ってきていたため、同じ場所を連打していればよかったのですが、④ではDN綴理がいた場所にDN梢が入ってくることになるため、ちょっと練習しないとここでモタつくことになります。


 ちなみに、この構築では回復カードを一切使いません。
 枠の都合でフォーチュン梢のようなオーバーセクションでの回復も採用できない上に、センターの綴理のラーニングスキルには回復が存在しないため、絶対にフィーバータイム中にメンタルが切れます。

 メンタルが切れるとボルテージを3減らされるため、フィーバータイムが始まってからメンブレまでの間にできるだけ多くのカードを使いたい都合上、ここも連打の練習が必要です。


ドルフィン〰ビーチさやか

 ハッピーなこと以外は優秀。
 イベント産なので凸数が稼げるうえに、スマイルも5400あり、綴理をループしていると勝手にコストが下がっていくため、AP調整のために使うことができる。
 3セク前にAPを温存し、9~10スタートした場合、どう考えても8回も綴理を使うのが間に合わないため、最初の2~3週はさやか+綴理でAP消化したりできます。

 逆に、AP残数の計算がこのさやかの存在によってブレるため、この曲の難易度を上げているカードでもあります。

③ココン東西

 1セク目はAP回復速度が50%上昇し、最終セクションはボルテージLvが2倍。
 2セクション目は慈と瑠璃乃のコストを3下げてくれます。

 また、ループ殺しギミックとして、3セクション目には開幕AP没収と、4セクション目には開幕手札リセットがあります。

 また、メンタルの減少速度が結構早いです。


 この曲は、3セク目のAP没収の影響でループがし辛く、18枚編成に有利(に見える)効果が多い事から、ループができない曲のように見えますが、もちろんループできます。

 まず、ループが機能しないのは3セクション目だけなので、3セクを捨てればループ自体は可能です。
 普通に花帆でAPを稼いで、梢、慈、綴理でのループは十分可能。なんなら、慈を回す都合上、結構痛いメンタル減少も全然効きません。


 さらに研究が進むと、2セク目の瑠璃乃と慈のコスト現象を利用して、Kawaiiとダイアリーの折衷構築のような構築が産まれました。

 Kawaiiの編成の回復の3枚目の枠をDB綴理にした構築です。
 この構築だと、慈のコストが4になる都合上、普段はループに参加できませんが、2セク目の慈コストマイナス3のセクションギミックと組み合わせることで、一時的にコスト1での運用が可能になります。

 1セク目はDB綴理のコストを下げるセクションと割り切り、2セク目はこの楽曲を耐え抜くメンタルとバフを積むべく、Kawaiiの時と同じループをブン回し、3セク目は休憩します。
 すると、4セク目以降はダイアリーのように、DB綴理でハートを回収しながらDN綴理を起動するループに入ることができ、爆発的にスコアを稼ぐことができます。

 前半はバフを撒きつつ手札を整え、後半のフィーバータイムで一気にスコアを稼ぐという、リンクラのお手本のような構築となります。

 ちなみに、慈のスキルレベルを上げていないと普通にメンタルが切れます。

夏めきペイン梢

 噛み合いのカード。
 慈のコスト軽減対象であるメンタルリカバー持ちでありながら、「このカードをプレイしなくても機能する」「スコアアップスキル」である「オーバーセクション:ラブアトラクト」を持ちます。

 18枚編成になったとしても、「AP3で切れる」「乙宗梢である」上に、そもそもオーバーセクションという特性が有用なので、レベルだけでも挙げておいて損のないカード。

次の対抗戦に向けて


 前回の予想を大きく外したので、やっぱり楽曲予想なんてやるもんじゃないですね(戒め)

 ストーリー中に『ド!ド!ド!』が挿入歌としては登場しなかったけど、まさか投稿した直後のフェスライブでやるとは思いませんでした。

 次の対抗戦についてなんですけど、そろそろさやかセンターの曲が来るんじゃないかな~ぐらいの予想しか楽曲予想はできなさそうです。



 ループ編成1強である以上、個人的には次の対抗戦までにループ編成を強化しておくべきではあると思います。
 特に、夏めき慈はともかく、ドルフィンさやかのスキルレベルが上がりきっていない人は結構いると思うので。

 ループにテコ入れが入るにしても入らないにしても、とりあえず「1強環境ならその1強は使えるようにしておくべき」は鉄則ではあると思います。

 あとは、ループパーツになりえるカードの見直し、育成は大事だと思います。
 ゆのくに花帆とか、普通にコスト1で使えるカードなので。


 とりあえず、ギミックで3コス下がる事があるので、コスト4のカードは一度全部見直しが必要そうです。


コストが3下がると、DN梢と合わせてAP0で無限にスキルハートを産み出せるアホ



なんかもっとアホがきた。


コラム ループ構築とDN梢について

 さて、今回の上位環境はループ一強環境となりました。

 この環境については結構批判意見が多く見られますが、そのうちの幾つかは単純にゲームへの理解が足りていないんじゃないかな~と感じたので、いくつかここで反論してみたいと思います。

 一応炎上回避のために予防線は貼っておきますが、今回取り扱うのは、あくまでも批判的な意見や感想が産まれるまでの前提についてであり、個人の内面や感情を否定するものではありません。



 まず結構見かけたのが、作業ゲーだとか決まった動きをするだけだとかそういった理由からつまらないとの烙印を押している人たち。

 まず、これ雑に使って強いかって言われるとそうでもないんですよね。
 確かにKawaiiとかはフルパワーで突っ込んでうぉおおお!ってどうにかなる曲ではあるんですけど、それで本当にベストなスコアがでるかといわれるとそんなわけでもありません。

 使うカードが固定である以上、通常の構築よりも分岐が少ないため、初手の引きからすべての分岐をシュミレーションしておくことが現実的に可能になっています。

・初手に瑠璃乃を引いていて、ループパーツがすべてそろっているパターン
・初手に瑠璃乃を引いていて、山札に梢が埋まっているパターン
・初手に瑠璃乃を引いていて、山札に慈が埋まっているパターン
・初手に瑠璃乃を引いていて、山札に綴理が埋まっているパターン
・初手に瑠璃乃とサイダー花帆を引いていて、山札に梢が埋まっているパターン
・初手に瑠璃乃とサイダー花帆を引いていて、山札に慈が埋まっているパターン
・初手に瑠璃乃とサイダー花帆を引いていて、山札に綴理が埋まっているパターン

また、初手に瑠璃乃を引いていない場合も、梢、綴理、サイダー花帆を引いているか否かで分岐がありますがいずれにせよ、セクションごとに使えるAPから逆算して最適化されたルートでプレイすることが現実的に可能になっています。
 ちなみに途中で手札シャッフルがあるので、もうちょっと分岐します。面倒なんで書きませんけど。

 で、これが現実的に計算できるって事は、上位のプレイヤーの多くがここまで考えてプレイしているということになります。
 少なくとも、適当にブン回したプレイヤーが、全く同じ構築の計算したプレイヤーにスコアで勝つことはありません。

 じゃあ、計算出来たらどう変わるのよって話なんですけど、これは総APと綴理のコスト軽減の噛み合いによって変わってきます。

 曲の最後はDN綴理をのハートを回収して終わるのが一番強い(ハート回収しないのに梢のバフを掛けるのはもったいない)ので、最後にDN綴理を使った後APが余るようなら、余る分のAPはさやかに回すとか、最初のつずこずループを一周分余計に回すとか、そういうことができるようになるんですよね。

 こうしたAP調整に加え、さらにカードを使いたいタイミングも加わってきます。得意ムードによる補正で結構カードの能力が変わってくるので、できればより得意なムードでカードを使いたい都合上、カードが使えるのに敢えて待機したり、特定の場所で超高速連打が必要になったり。

 ちゃんとプレイしようとすると本当にプレイング磨かないといけないし、練習も必要になってきます。

 じゃあ練習突き詰めてパターン覚えたらプレイ中は作業なんだな!?みたいな話もあるんですけど、それ言ったらフィギュアスケートとかもそうじゃん……ぐらいしか返せないんですけどね。
 まあ覚えたことをフィジカルにモノを言わせて実現するだけなので。


 でも少なくとも、何も知らない人間が適当にプレイしても上級者と並べるかと言われると、そんなことは全くないんですよね。


 結構この手のゲームって過剰に盛り立てるような風潮の中で形成されたイメージを持ってる人が多いと思いますし、普段ゲームをあまりやっていない人ほど、「環境を使えばだれでも強くなれる」と思い込みがちなんですけど、実際はそんなことはないです。
 ただ同じ条件で勝負ができるだけです。




 また、特定のカードのみが使われることにたいして「カードの多様性がない」批判している方も多く見られますが、これも別に悪いことであるとは言えません。


この手札再現するのにちょっと苦労したらしい

 盤面再現が面倒だったので、手札だけ見て他完全フラット、るりめぐかほの存在は考察に入れないものとして考えて欲しいんですけど、この手札で、DN梢とホリホリ梢のどちらを先に使いますか?
 

 まあ、DN梢じゃない?っていう。



 理由を一般化してみましょう。

 デッキを組むとき、カードは役割に応じて採用されます。ここでのDN梢やホリホリ梢は、「バフ要員」です。
 そして、基本的に、バフ要員が欲しいときは、バフ要員になり得るスタイルのカードを必要な枚数分強い順に採用していくことになります。

 ここで分かるのは、デッキ内のカードには強さの順位があるということです。
 同じカードを複数採用できない以上、例えばバフ要員が5枚使いたいなら、単純に考えてバフ要員の適性のあるカードを上から5枚採用することになります。
 真っ先にDN梢や薫風梢が採用され、そして、残りの枠を埋めるようにホリホリ梢やDNさやか等が採用されていくことになります。

 では、すこし考えてみましょう。仮にDN梢が3枚採用できた場合、それらのカードの枠はあるでしょうか?無いと思うんですよね。だって、DN梢の方が強いから。

 そして、その強さの順位が何によって決まっているかというと、結局は「採用理由となっている役割に対してどれだけ適性があるか」になります。
 私たちがカードを使うとき、ゲームとしては「行けっ!DNこず!」って感じで、「DN梢」を使っているように思えるんですけど、戦略上で見たら、「バフ要員を使っている」に過ぎません。

 それって、結局何のカード使っても同じなんですよね。
 バフを撒けるなら誰がやっても「役割の遂行」はできて、ゲームとしてはそれができるかできないかが大事なら、戦略上では「それがどれほどのものなのか」はあんまり重要ではないというか。

 例えば軍隊の兵士の能力に個人差があったとしても、全軍総攻撃の命を下されたとき、彼らの役目は隊列を組んで突撃することになります。
 このとき、兵士の個性や人格って、ほとんど戦略に影響を及ぼさないと思うんですよね。鎌倉武士とかスパルタとかそんなレベルだったら話は変わりますけど、突撃する役目が「やれる」「やれない」で考えるなら、槍持ってれば誰でも適性はあるので。
 


 結局何が言いたいかというと、カードゲームにおいて、戦略そのものが変化しない限り、多様性って実は存在しないんですよね。


 「足軽」が「アルティメットスーパー足軽」になったところで、別に足軽に突撃させる戦略自体に変化はなく、「足軽」を採用する側も突撃要因としかカードを評価しません。
 足軽のカードがたくさん増えて、「足軽」「アルティメットスーパー足軽」「バーサークゴリラ足軽」「パオジアン足軽」「超戦龍覇アシガルNEXT」という同じぐらいの強さのカード中から採用カードが選べることは、一見カードの多様性があるように見えます。

 しかし、これはすべて「突撃要因」「突撃要因の二枚目以降」でしかありません。
 ここに多様性とか個性とかがあるかと言われると、個人的にはすこし疑問です


 そして、その戦略の変化こそが今回のループ構築だと言えます。
 
 この構築の核となっているのは、梢が「実質ゼロコスト」であること。

 そんな梢と1コスのカードを組み合わせることがこの構築の本質であるため、梢のスキルが「効果:無し」であったとしても、APレデュースの特性を持っているだけでこの構築は成り立ちます。(強いかは別)


 つまり、このループ構築こそが、カードの多様性の結果だと言えるんですよね。

 一応補足しておくと、こうしてループしたところで、やってることは1番性能の高い「バフ要員」2枚と「ハートキャプチャ要員」を使ってるだけなので、本質的には普通の構築と同じであるとも言えます。
 別に変なことはしていないというか。




 ここまで理解したうえで、「自分の好きなイラストのカードが使いたいからつまんない!」「18枚が最強じゃないのおかしいだろ!」みたいな意見は正しいと思います。
 でも、おそらくあんまり理解していないまま発言している人や、ゲームをしていない人が多いな~という印象があったので、反論も兼ねて説明してみました。



 で、ここからが本題。
 結構、この「DN梢が人権」みたいなことを理由に「新規の参入を妨げている」みたいな話を見るし、がっつりプレイしているプレイヤーでもこういうことを言う人をたまに見ます。

 自分は乙宗梢というキャラクターが推しですが、その要因として今やこの「DN梢」の性能の占める部分は少なくはないので、少し強めに反論したいところではあります。

パーソナルな部分を顕著に表している性能で、なおかつ強いのがいい。
綴理サポートカードに見えるけど、本体の能力には綴理じゃなくて花帆の名前しか書かれてないんです。夕霧綴理との関係性と、今の梢の強さが凝縮された神カード。


 まず、本当に強いカードが今すぐ手に入らなければリンクラができないのでしょうか?

 梢は夏限定カードですが、逆に言えば来年には手に入る可能性があります。秋以降にプレイし始める人は、そこまで待てばいいわけです。

 季節限定キャラが結論編成に入るなんて当たり前ですし、それは「長くプレイしている人のアドバンテージ」でしかないと思います。持ってない人は別のカードを使った編成を使えばいいだけです。

 例えば、自分が18年にAqoursとのコラボをきっかけにグラブルを始め、本格的に腰を入れたのは19年以降でした。
 その時は、Aqoursの2年生と同じ水属性の所謂最強編成には、18年の干支限定キャラであるヴァジラがいたのを記憶しています。

 つまり、少なくとも19年から始めた人は水属性最強編成は組めないわけですが、果たしてこれが新規参入を妨げているとは思えません。
 だって、別のキャラ使えばいいですから。

 確かに、別のキャラを使えば編成の強さは落ちるかもしれません。
 少なくとも、水属性の強さがスコアに直結するイベントでは、1位を狙うことはできません。


 で、それがなんだというのでしょうか?
 最強編成の組めないゲームはつまらないですか?
 1位に追いつけないゲームはつまらないですか?

 この質問に「Yes」って答える人って、そんな大多数じゃないと思うんですよね。
 

 だって、ゲームの目的は「最強編成を組む」「ランキング1位を取る」以外にもいっぱい設定できるからです。むしろそっちの方が多いはずだと思います。

 「サークル100位以内に入る」とか、「好きなイラストのカード使う」とか、「梢のカードをコンプする」とか、「With×MEETS全部見る」とか、自分の身の丈にあった目標を設定して、そこに向かってプレイするのが普通のゲームの楽しみ方だと思うんですよね。

 目標によって変わりはしますけど、別に好きなカード使ったりWith×MEETS見るのに環境カードは必須じゃないし、環境を揃えるんじゃなくて手持ちで組んで頑張ることはできるし、そうした事柄にDN梢が壊れてるからどうとか関係ないと思うんです。


 すごく思うのが、ネットの発展でTCGのデッキレシピとか、ゲームの強いカードとかがすぐ調べられるようになって、考えてなくても環境を揃えられるようになったのと同時に、ゲームに対する目標設定も含めた「コンテンツの楽しみ方」もネットに転がってるものになってきたような気がするんですよね。

 DN梢がどうこうとかはスコアで1位を目指してるような最上位層にしか関係ないのに、「DN梢が新規参入を妨げている」って言われると、まるでリンクラの楽しみ方が「1位を目指す」「最強編成を組む」ことしかないみたいに言われてるみたいで。

 実際、ネットの知識の大半は、1位を目指すための最強編成ばっかりなんですけど、それは、「『1位を目指す』『最強編成を組む』ことを目標としている人たち」ばかりが目に付くことを意味します。
 でも、だいたいの人の立ち位置や、どのぐらいの目標でプレイするかを考えると、DN梢の件が関りはない人の方が多いはずなんですよね。

 「いまから上位を目指したい!」って人にとっては、既存のプレイヤーとの差が付くポイントであり、その他の人にとっては、「あったら使うかも」「来年ガチャ引こうかな」ぐらいの立ち位置になるカード。
 普通に考えたらそんなはずなんですよね。

 なんだか、構築だけじゃなくて、作品に対して「好き」って気持ちまで、あまり理解しないままネットからコピペしてきた感じがしています。
 自分が「何が好き」で「何に興味がある」のかの部分が、他人からの借り物である「1位になりたい」「最強編成組みたい」の部分で埋められてて、この世界にはそんな価値観しかないと思っている。

 そういうモチベーションって、人の真似じゃなくて、自分の中の気持ちからしか生まれないはずなんですけどね。


 貰い物の価値観とゲームに対する浅い理解に裏付けられた意見で、自分の好きなカードが不当に下げられているのを見ていると、なんだかすごく悲しい気持ちになったりもしています。
 

 纏めると、

・DN梢の存在によって新規層のなかでふるいにかけられるのは、「今から最上位になりたい人」のみであり、それはゲームとして「既存プレイヤーのアドバンテージ」と言える正常な範囲である。

・ゲームの楽しみ方は人それぞれであり、その中でも「いまから最上位になりたい人」、DN梢がないことでそれが実現できない人はごく少数であると考えられる。
 そうした限定された範囲のみを取りあげて、あたかも新規層全体の妨げになっているかのように論じたくなってしまうのなら、ゲームの理解や作品への向き合い方に関してまだもう少し深められる余地がある。


 ということができます。



 ちなみにもうひとつ補足しておくと、「まったりやってても上位目指してても、DN梢というカードがなんかおかしな挙動してて普通にカードパワーおかしいからナーフした方がいい!」って意見もたぶんあると思いますが、それに関しては正直賛同できる部分もあるんですよね。

 普通にヤバいカードではあると思うので。
 でも、自分はこのカード好きなんでナーフして欲しくないですね~。DN綴理の方ナーフして、コスト軽減を3から2にするとかで許してくれません???
 

 ということで、今回はこの辺で。
 以下は投げ銭です。

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